ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

クラウドを用いた高信頼・安価な構造解析サービスの提供

有限会社ワイズロード

この事例のポイント

  • 中小企業のゴム・樹脂部品の設計・製造では経験と勘による職人技に頼る割合が多く、金型を何度も調整し作り直すため、量産時の不良品対応コストが増えていた。
  • フランスの公共機関が提供する構造解析ソフトウェアを用い、クラウド上に標準計算環境を構築して複製することで計算機の共有とコスト低減を実現した。
  • クラウド上の標準計算環境により安価で高信頼な構造解析サービスを提供できるようになり、顧客への安定したサービス提供と信頼感の向上につながった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ワイズロード
所在地京都府 京都市
業種ゴム製品製造業
従業員数2人
資本金3,000万円
設立2001年

事業の背景

同社は製造業に特化した情報処理サービスや開発受託業務を主として行い、ゴム・樹脂部品の設計サービスに特化した実績から独自の技術ノウハウを持つに至っていた。大企業からは構造解析の高評価を得ていた。中小企業向けには高額投資を要する構造解析が一般的に利用しにくい状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力中小企業のゴム・樹脂部品の設計・製造では経験と勘による職人技に頼る割合が多く、金型を何度も調整し作り直すため、量産時の不良品対応コストが増えていた。
  • 品質・精度大企業からも構造解析を活用した数値による設計・製造が求められるようになり、中小企業では対応困難な品質的課題が生じていた。
  • コスト・採算課題解決には高価なソフトウェアへの投資が必要だったが、ゴム・樹脂部品の付加価値は高くなかったため対応できず失注する案件もあった。
  • 人手・技能少人数での事業活動のため受注数に制約があり、利益率に着目した経営をしていたが、受注案件数を増やす必要があった。

やったこと

フランスの公共機関が提供する構造解析ソフトウェアを用い、クラウド上に標準計算環境を構築して複製することで計算機の共有とコスト低減を実現した。材料定数を求めるため単軸引張試験機と簡易恒温槽を導入し、ゴム・樹脂の非線形な挙動を曲線で表現する材料定数を収集した。京都市産業技術研究所の機械設備の活用と山形大学での動的特性測定により新たなノウハウを習得し、材料定数の正確性は大学研究室の高度なソフトウェアとの比較で実証した。プリポストソフトウェアの導入により工数削減と低コスト化を進めた。

検査測定単軸引張試験機
検査測定簡易恒温槽
ソフトプリポストソフトウェア

事業の効果

クラウド上の標準計算環境により安価で高信頼な構造解析サービスを提供できるようになり、顧客への安定したサービス提供と信頼感の向上につながった。解析データを反映した機械設計から製造までの受注が増え、流体解析にも応用できることがわかり、解析結果を反映した試験機の開発・製造の新たな受注も得た。ゴム・プラスチック、金属加工、再生医療など幅広い分野での技術適用実績が増え、セラミック・流体解析機器生産などの新市場開拓も視野に入った。

今後の展望

少人数のため受注数に制約があるが、業務プロセスの一部を外注で補い、人員を増やして受注案件を増やす考えがある。新たに人材育成の必要性も感じており、業務の標準化に取り組んでいく。今後は中小企業の課題を顧客の現場で共に解決していく方針である。

  • 目標:資本金3,000千円

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。