ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

一貫生産体制で品質管理の維持、コスト低減、短納期に対応

株式会社 境川工業所

成果線材1mあたりの歪み 4mm→1mm

この事例のポイント

  • コ型ボルトの製造工程で、コイル線材を切断加工した後の棒鋼材に歪みが残り、線材1mあたり4〜5mmにもなったため、製品の材料として使えなかった。
  • 今回「ものづくり補助金」で自動直線切断機を導入し、コイル線材から製品までの一貫した生産体制を構築した。
  • 線材1mあたりの歪み 4mm→1mm。自動直線切断機の導入により、コイル線材の歪みが線材1mあたり4〜5mmから1〜2mmへと大きく減り、棒鋼材を製品の材料…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 境川工業所
所在地大阪府 岸和田市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数65人
資本金2,800万円

事業の背景

同社は電力会社向けに架線金物を製造しており、主力製品は送配電架線金物(各種ボルト、バンド類、配電機器取付金具など)である。主な取引先は東北電力、四国電力、九州電力などの各社で、電柱の数は東北電力管内で年間およそ10,000〜15,000基、四国電力管内で年間およそ2,000〜3,000基のペースで増えている。電力会社は社会インフラの安定供給という責任を強く求められており、配電ルートを二重にして停電を防ぐ動きも見られる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度コ型ボルトの製造工程で、コイル線材を切断加工した後の棒鋼材に歪みが残り、線材1mあたり4〜5mmにもなったため、製品の材料として使えなかった。
  • 生産能力切断機は稼働から数十年が経って機械自体の癖が強く、コイル線材の種類によって線材に合わせた調整を行うことが困難だった。
  • 品質・精度「コ」の字に成形した際に足の長さの不揃いや、足の部分の幅や平行度のばらつきが発生していた。
  • 品質・精度歪み矯正の工程を外注していたため、品質管理と納期の面で問題が残っていた。

やったこと

今回「ものづくり補助金」で自動直線切断機を導入し、コイル線材から製品までの一貫した生産体制を構築した。新しい機械は線径9〜16mmのコイル線材を1時間当たり最大3,600本切断できる。コイル線材の種類ごとに適した歪み矯正部の調整値をデータベース化した。これにより歪みは線材1mに対して安定して1〜2mmまで減らせるようになった。すべてを自社内で行うことで、材料仕入れリードタイムが約4週間短縮し、顧客への納期も約1〜2週間に短縮できた。

加工機自動直線切断機

事業の効果

  • 線材1mあたりの歪み 4mm→1mm

自動直線切断機の導入により、コイル線材の歪みが線材1mあたり4〜5mmから1〜2mmへと大きく減り、棒鋼材を製品の材料として安定して使えるようになった。足の長さや幅、平行度のばらつきも解消された。すべてを自社内で行うことで材料仕入れリードタイムが約4週間短縮し、顧客への納期も約1〜2週間に短縮された。今後は機械の能力を生かして通常のボルト製品にも利用し、競争力の向上を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    主力製品のコ型ボルトの製造工程の問題と、過去から使う切断機の老朽化が書かれ、事業との関係は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    電力会社の電柱数が年1万〜1.5万基増加し、四国で年2000〜3000基増えるなど数字で需要環境が示されている。

  • 課題の認識と解決5

    歪みが1mあたり4〜5mmから1〜2mmに減り、材料仕入れリードタイムが約4週間短縮、納期も約1〜2週間になったと数字で示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    線径9〜16mmで1時間あたり最大3600本の切断能力など数値目標や能力が示されているが、付加価値や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社内で工程を完結させたことは書かれるが、人材や事務処理体制の確保については記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は電力会社と示され、品質と納期の安定供給が求められることは読み取れるが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の歪み矯正値のデータベース化や、通常のボルト製品への利用という今後の方向性が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    架線金物は一般的な分野ではないとうかがえるが、高付加価値化や高価格化を示す記述はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    電力の安定供給や二重配電ルートによる停電防止など、社会インフラを担う必要性が具体的に書かれている。

  • 費用対効果3

    リードタイム短縮や歪み減少は示されるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    大阪府岸和田市の企業で、電力各社の配電設備向けに製造している点は読み取れるが、地域の特性を活かした成長性の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

架線金物は今後も安定した需要が続くと見られており、同社はこの機械の能力を生かしてコ型ボルトだけでなく通常のボルト製品にも利用し、競争力向上に役立てたい考えである。

事業者の声

我々の作る製品はライフラインの一翼を担っています。このため品質面はもちろん、納期も含めた安定供給を続けることがとても大切になっています。これからもその社会的な責任を果たし続けていく考えです。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。