ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

3次元測定でいすの美観を追求する「快適空間創造企業」

株式会社 イレブンインターナショナル

この事例のポイント

  • 生地の裁断をハサミや手動の電気裁断機による手作業で行っており、生産の効率化が必要だった。
  • 生産増強のため兵庫県淡路市に淡路工場を新設し、ものづくり補助金を活用して生地自動裁断機を平成28年1月から稼働させ、工場の主要設備として導入した。
  • 生地自動裁断機の稼働により、同一形状のいすカバー用生地を短時間で裁断できるようになり、量産化と短納期化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 イレブンインターナショナル
所在地大阪府 松原市
業種その他の製造業
技術分野立体造形
従業員数63人
資本金1,000万円
設立1995年

事業の背景

同社は平成7年創業で、主力の乗用車用シートカバーを個人ユーザー向けに製造販売してきた。新車オーナーに支持されて販売を伸ばし、車種別専用設計では3次元スキャナーを用いて高い装着感を実現している。国内の自動車市場は少子化の影響で先行きが明るくないため、平成28年からインテリア事業として店舗のいすなどに装着するリメイクカバーの販売を本格化させた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生地の裁断をハサミや手動の電気裁断機による手作業で行っており、生産の効率化が必要だった。
  • 納期・工程生地裁断が停滞すると縫製工程に影響するため、リメイクカバーを展開するには裁断の効率化が不可欠だった。
  • 販路・情報発信国内の自動車市場は少子化を背景に先行きが明るくなく、新たな事業分野を開拓する必要があった。

やったこと

生産増強のため兵庫県淡路市に淡路工場を新設し、ものづくり補助金を活用して生地自動裁断機を平成28年1月から稼働させ、工場の主要設備として導入した。生地自動裁断機は生地を幾重にも重ねて裁断できるため、同じ形状の生地パーツを1回の機械操作で複数脚分用意でき、手作業の電気裁断機に比べ作業効率は数十倍高い。これにより同一形状のいすカバー用生地の裁断が短時間で行え、量産化と短納期化を実現する環境を整えた。注文から製品の装着までは2週間で、3次元スキャナーによるいすのデータ採取と仕上げた製品の装着は自社の担当者が開店前や閉店後の短時間に行う。

加工機生地自動裁断機

新しい製品・サービス:リメイクカバー

事業の効果

生地自動裁断機の稼働により、同一形状のいすカバー用生地を短時間で裁断できるようになり、量産化と短納期化を実現した。手作業の裁断に比べて作業効率は数十倍高まり、多品種少量生産にも対応できるようになった。主力の自動車用ノウハウを応用して、ラーメンチェーン店や漫画喫茶、病院、歯科医院、航空機のファーストクラスなどへ採用先を広げた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成28年からインテリア事業に進出し、乗用車シートカバーで培ったノウハウを応用している点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内自動車市場の少子化による先行き不安を背景に、3次元スキャナーなどのノウハウを活かし店舗のいす向けに展開した点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    生地裁断が停滞すると縫製に影響するため生産効率化が不可欠だったと課題を認識しているが、数値を伴う事業計画は読み取れない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業効率が数十倍、注文から装着まで2週間といった記述はあるが、付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員63名、工業ミシン50台、3次元CAD等の設備は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ラーメン店や病院待合、航空機ファーストクラスなど採用先を示し、店舗内レイアウトを事前に登録する顧客対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    東京営業所とショールームの開設など今後の戦略は触れられているが、補助事業の遂行スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    店舗向けリメイクカバーという分野で採用先を広げていると書かれるが、普及度や高水準化の数値的根拠は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や需要の創出、地域への波及効果といった国が補助する積極的理由は直接は書かれていない。

  • 費用対効果3

    作業効率が数十倍、2週間で納品できるといった効果は示されるが、投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3次元スキャナーの活用は読み取れるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    淡路市に工場を新設した点は読み取れるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

主力の自動車用のノウハウを応用した他分野への進出に手応えを得ており、国内でのリメイクカバーによるインテリア事業のウエイトをさらに高めていく姿勢を示している。首都圏でも平成29年5月に東京営業所にショールームを開設し、タクシーやバスなど想定していなかった分野からも引き合いが寄せられている。

事業者の声

理髪店や美容院、スポーツジムなど、(ビジネスの)可能性はいくらでもある

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。