ものづくり補助金平成28年度製造業東京都

「薄いんだけど柔らかい」金井式縫着畳で、 笑顔のリビング・お茶の間を

株式会社金井畳店

成果縫着可能な最薄の厚さ 30mm→13mm

この事例のポイント

  • 従来の設備では縫い上げられる最も薄い厚さが30mm以上で、薄い畳の要望に応えられなかった。
  • 厚さ20mm以下に対応でき、設定や縫着作業全体の効率化を図れる新設備を導入した。
  • 縫着可能な最薄の厚さ 30mm→13mm。新設備の導入により、従来は縫えなかった薄い畳を縫着できるようになり、最も薄い厚さは30mm以上から13mmになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社金井畳店
所在地東京都 東京都台東区
業種その他の製造業
技術分野デザイン
従業員数2人
資本金1,000万円
設立1911年

事業の背景

明治44年創業の下町の老舗畳店で、一般的な畳のほか、へりなし畳、置き畳、カラー畳、有職畳などを製作し、表替えや裏返し、移設に伴うリニューアルなど畳工事一式を請け負っている。近年は当社のホームページや口コミを通じて、近隣住民や介護施設、学校施設からの引き合いが増えている。一方で、和室の減少により畳の需要量は年々減少傾向にある。こうした中、洋間に畳を敷く置き畳の受注が増え、洋間に合わせた薄い半畳などフリーサイズへの要求が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の設備では縫い上げられる最も薄い厚さが30mm以上で、薄い畳の要望に応えられなかった。
  • 生産能力畳床の裁断から縫い上げまでに時間がかかり、受注を断ることもあった。
  • 品質・精度柔らかい畳床は針を通す際に破損する危険があった。
  • 品質・精度柔らかい床材を切断する際、寸法精度を出すのが難しかった。

やったこと

厚さ20mm以下に対応でき、設定や縫着作業全体の効率化を図れる新設備を導入した。アタッチメントで縫い針を交換できるため、通常より細い針を使え、床材への負担を減らせるようになった。切断刃の角度は0度から13度まで調整でき、素材に応じた最適な角度で床材を切断できるようにした。その結果、厚さ13mm(13〜16mm)の薄畳を針で縫えるようになった。素材ごとの最適な加工方法は職人の経験に頼るところが大きく、試行錯誤を繰り返して美しい仕上がりを目指した。

加工機東海機器工業株式会社製エアー式/框裁断機付框縫機『東海ホープ TA2』
加工機東海機器工業株式会社製自動クセ取装置付き両用縫着機『東海マイコンスーパーリード6型』

新しい製品・サービス:厚さ19mmの置き畳(畳床に天然繊維ケナフボードを用い、畳特有のクッションを実現。実用新案取得済)

事業の効果

  • 縫着可能な最薄の厚さ 30mm→13mm

新設備の導入により、従来は縫えなかった薄い畳を縫着できるようになり、最も薄い厚さは30mm以上から13mmになった。切断刃の角度を調整できるため、素材に応じた最適な角度で床材を切断できるようになった。厚さ19mmの置き畳という新しいタイプの畳も実現し、洋間で段差なく使える半畳などフリーサイズの要望に応えられる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は厚み30mm以上しか縫えず置き畳の需要に応えられなかったという背景が書かれ、畳事業との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    置き畳の需要増や洋間への要望が書かれ市場動向は読み取れるが、競争優位や自社の経営資源の強み・弱みとの関係は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決4

    従来設備は厚さ30mm以上、受注を断ることもあったという課題が具体的に示され、厚さ13mmまで縫える新設備で解決する流れが書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げを示す数値目標は書かれておらず、厚さ19mmの置き畳の実現が述べられるのみで、目標値の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    職人の経験や一級技能士の資格、職業訓練指導員として後進育成に携わることが書かれ、人材面の体制はうかがえるが事務処理能力は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    置き畳の受注増加や洋間に合う薄い半畳へのニーズ、転んでも痛くない畳という価値が具体的に書かれ、顧客ターゲットも明確。

  • 事業化までの道筋3

    補助事業終了後に宿泊施設や介護施設などへ提案していく計画が書かれているが、スケジュールや期限の記載は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    厚さ19mmの置き畳を実用新案取得済みのケナフボード使用の新タイプとして実現し、畳の需要が減るなかで高付加価値の新製品となっている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    伝統的な畳文化の継承が使命とされ、子育て世代や介護施設への提供が書かれるが、経済波及や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    畳需要の減少傾向は書かれるが、成長分野への進出や日本経済の構造転換に資する記述は読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    東京都台東区浅草橋の下町の老舗として地域の住民や学校施設から引き合いがあると書かれ、地域との関わりはうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

用途に合わせた採寸や畳表・ヘリの柄選びなどオーダーメイドに応える技術面の準備は整った。今後は宿泊施設や介護施設、教育施設での活用や会社の休憩室での利用などを利用者の意見を取り入れながら提案し、畳が活躍する場を増やしていく。また、イグサの消臭や調湿などの特性を日本人だけでなく外国人にも知ってもらい、日本の敷物文化を守っていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。