ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

デザイン力で付加価値を高める自社ブランドも展開する老舗染色メーカー

和歌山染工 株式会社

この事例のポイント

  • 従来は得意先の要望で委託された生地を指示通りに染色することが業務で、同業他社との差別化が難しい状況にあった。
  • デザイナーが顧客の意向をもとに柄・色を提案し、タブレット上で顧客に説明しながら修正を加えて最終製品のイメージを作り上げられるデザインシステムを新たに導入した。
  • デザイン提案営業は得意先から一定の評価を得ており、当初の狙い通りの成果が出ている。

事業者のプロフィール

事業者名和歌山染工 株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種繊維工業
技術分野デザイン
従業員数160人
資本金5,000万円
設立1917年

事業の背景

明治創業の老舗染色メーカーで、国内繊維メーカーから預かった生地にプリント加工や無地染加工を施し、後処理を行って依頼先に納品している。プリント加工の受注が9割を占め、用途は寝装向けが中心で、寝装分野では規模・技術力ともに国内トップと言われている。繊維商社などではデザイン部門の縮小や外注化が進んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来は得意先の要望で委託された生地を指示通りに染色することが業務で、同業他社との差別化が難しい状況にあった。
  • 人手・技能デザインに関わる業務の高度化と効率化を進める必要があった。

やったこと

デザイナーが顧客の意向をもとに柄・色を提案し、タブレット上で顧客に説明しながら修正を加えて最終製品のイメージを作り上げられるデザインシステムを新たに導入した。実物の企画提案用サンプルを作らずにデザインの修正や配色変更を迅速に行えるようにし、受注までの時間短縮を狙った。あわせて自社デザイナーを新規に雇用し、兼任ではあるがオペレーターも自社で養成した。

ソフトデザインシステム

新しい製品・サービス:和柄の自社ブランド「和歌和花」の小物(カードケース、札入れなど)。WEB上でプリント生地を販売する試みも始めている。

事業の効果

デザイン提案営業は得意先から一定の評価を得ており、当初の狙い通りの成果が出ている。デザインの修正や配色変更を迅速に行えるため、受注までの時間短縮も期待できる。社内では最終製品に関わる業務を担える社員が増え、社内全体が活気づいてきた。一方で自社ブランドは市場への浸透に時間がかかり、計画に対して進捗が遅れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の染色事業を背景に、デザインシステム導入で受注型からデザイン提案型へ移る方向性が示されている。事業との連続性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    寝装分野で規模・技術力ともに国内トップ、デザイン提案営業の評価は上々と記載があり、強みと外部環境の関係が具体的に読める。

  • 課題の認識と解決3

    課題として受注型の業務やデザイン業務の効率化が挙げられ、ODM拡大という方向は示されるが、数値目標は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は示されておらず、高付加価値化の実現可能性を判断できる数値はうかがえない。

  • 事業を進める体制4

    自社デザイナーを新規雇用し、オペレーターも自社で養成していると記載があり、人材体制が具体的に読める。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    得意先商社・メーカーの意向をもとに、ダブレット上で顧客に説明し修正できるとターゲットと提供方法が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    自社ブランドの販売は計画に対して進捗が遅れ、ターゲット見直しが必要とあり課題は認識されているが、解決のスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    寝装資材の羽毛布団プリントに強みがあり、同分野で国内トップと言われるとあるが、高付加価値化の水準を示す数値は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元の縫製工場とのコラボや地域での取組はうかがえるが、国が補助する積極的な波及効果は具体的に示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    デザインシステム導入による受注までの時間短縮が期待されると記載があり、新しい取組の方向性は読めるが波及効果の範囲は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山市の老舗染色メーカーで地元縫製工場とコラボし、和柄ブランドを展開するなど地域の特性を活かす取組がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自社ブランドの販売課題の解決を進めつつ、まずはデザインを生かした製品の設計・生産を行うODM事業の拡大に注力していく。そのためには営業スタッフの育成と強化も必要になる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。