ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

工場焼失からの再建を機に品質の均一化と作業工程の効率化を図り、生産強化を目指す

有限会社 鈴屋 (旧商号:有限会社 田辺食品工業所)

成果1人あたりの生産効率が大幅に向上した

この事例のポイント

  • 1日あたり3000個ほどのケーキを手作業でカットしており、従業員の作業負担が大きかった。
  • 工場の再建にあたり、ケーキカッターやオーブンなどの設備一式を新工場に導入した。
  • 1人あたりの生産効率が大幅に向上した。超音波クロスカッターの導入により、ケーキのカットが自動かつ少ない誤差で行えるようになり、断面もきれいに切れて切りくずも…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 鈴屋 (旧商号:有限会社 田辺食品工業所)
所在地和歌山県 田辺市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数10人
資本金300万円
設立1924年

事業の背景

同社は1924年創業の和・洋菓子製造会社で、田辺市内に工場を有していたが、数年前の火災で工場が焼失し、和・洋菓子づくりに使う設備一式が使えなくなった。主力製品は重量感のあるカステラの間にオリジナルジャムを挟んだ「デラックスケーキ」で、若年層を中心に幅広い世代に支持されている。約20種類の菓子を製造し、自社店舗のほか紀州銘菓として百貨店や関東の高級スーパーなどでも販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力1日あたり3000個ほどのケーキを手作業でカットしており、従業員の作業負担が大きかった。
  • 人手・技能工場焼失後の再建にあたり、従業員の負担を軽減できる機械の導入が必要だった。
  • 新製品・新技術新製品を作るには複数種類の製品を焼き上げる必要があるが、従来の2段オーブンは1種類しか焼けず細かい設定もできなかった。

やったこと

工場の再建にあたり、ケーキカッターやオーブンなどの設備一式を新工場に導入した。特にケーキのカット作業には超音波クロスカッターを導入し、従来手作業で行っていたカットを自動化した。オーブンは複数種類の製品を焼き上げられる機種を導入し、細かな設定ができるようにした。電気オーブン、ミキサー、乾燥機、低温冷蔵庫も導入し、各工程の効率化を図った。

加工機超音波クロスカッター
加工機ケーキカッター
加工機オーブン
加工機電気オーブン
加工機ミキサー
加工機乾燥機
加工機低温冷蔵庫

新しい製品・サービス:田辺地域の梅をシロップ漬けにし、クリームで挟み込んだ新製品を発売した。

事業の効果

  • 1人あたりの生産効率が大幅に向上した

超音波クロスカッターの導入により、ケーキのカットが自動かつ少ない誤差で行えるようになり、断面もきれいに切れて切りくずも出なくなった。製品の完成度が上がっただけでなく、従業員の負担も軽減された。一人あたりの生産効率が大幅に向上し、利益率の向上にも機械設備が大きく寄与して、発注量の増加にも対応できるようになった。工場全体では各工程の品質が均一化し、経験に頼らず安定した品質を出せるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    工場焼失を機に再建し製造工程の効率化を目指すと書かれ、創業以来90年以上の和洋菓子製造という事業の連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    百貨店からの受注増や大阪の繁華街立地、梅を使う地域産物の製品など、市場動向と自社の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業でのケーキカットが1日約3000個の負担になっていた課題を挙げ、超音波クロスカッターやオーブン導入で解決を図ったと書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1人あたりの生産効率が大幅に向上したとあるが、具体的な数値目標や付加価値・賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人の小規模体制と従業員の慣れの問題に触れる程度で、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    梅や柚など田辺地域の産物を使う「デラックスケーキ」等の製品特色、テレビ・雑誌掲載など、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    新製品の定番化を見極める方針や増産対応の考え方はあるが、補助事業の遂行スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ケーキカットの機械化や梅を使った微妙な味へのこだわりが書かれるが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域産物を使った紀州銘菓の製造と地域の土産物販売施設への陳列はうかがえるが、雇用創出や波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    1人あたり生産効率の大幅向上や利益率の向上が書かれるが、補助金額と付加価値増加の数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    超音波カッターや電気オーブン等の機械導入は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルでの地域貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    田辺地域の梅や柚を活かした製品と、紀州銘菓としての地域ブランド形成が具体的に書かれ、地域特性を活かした事業と読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大阪の百貨店からの受注が増え、そこから波及して新たな取引先からの引き合いも増えている。知名度が上がったことで、今後は増加する需要への対応方法を考えていく予定である。新製品は今後の売れ行きを見ながら定番商品化できるかを見極めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。