ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

日本初となる紫外線露光を用いた製版設備の導入で販路の拡大を目指す

日吉染業 株式会社

成果製版工程の内製化により外注費の低減が期待できた。

この事例のポイント

  • ロータリースクリーン捺染で、写実的で繊細なデザインや細線・細かい点の表現が難しく、大手企業の高品質プリントのニーズに応えきれていなかった。
  • 日本で初めてとなる紫外線露光を用いた製版設備システムを導入し、ロータリースクリーン捺染機に使用するスクリーン(印刷の基になる版)を内製化した。
  • 製版工程の内製化により外注費の低減が期待できた。製版工程を内製化したことで外注費の低減と納期の短縮が期待できた。

事業者のプロフィール

事業者名日吉染業 株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス,精密加工,製造環境
従業員数60人
資本金1億円
設立1966年

事業の背景

同社は綿織物の捺染や無地染を主力とし、フラットスクリーン機械による染色を行っている。近年はポリエステル生地への染色も可能となり、寝装品の需要が伸びない中でポリエステルカーテンなどの染色・プリント加工も手掛けるようになった。インテリア資材では飛び柄など繊細なデザインが増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信ロータリースクリーン捺染で、写実的で繊細なデザインや細線・細かい点の表現が難しく、大手企業の高品質プリントのニーズに応えきれていなかった。
  • コスト・採算製版を外注先の製版工場に依頼しており、外注費と納期の面で負担があった。

やったこと

日本で初めてとなる紫外線露光を用いた製版設備システムを導入し、ロータリースクリーン捺染機に使用するスクリーン(印刷の基になる版)を内製化した。最大16色による多色染めが可能で、小ロット多品種、高速で品質の安定したプリントを実現し、短納期にも対応する。写実的で繊細なデザインのプリントを可能にし、同業他社との差別化と販路拡大を狙った。導入当初は想定していた細い線がプリントできないこともあったが、海外の技術者と設定を調整し、試行を繰り返して繊細な絵柄を表現できるようになった。

金型紫外線露光を用いた製版設備システム
加工機ロータリースクリーン捺染機

事業の効果

  • 製版工程の内製化により外注費の低減が期待できた。

製版工程を内製化したことで外注費の低減と納期の短縮が期待できた。高品質で繊細なプリントが可能になり、大手アパレル企業向けにも提案できるようになった。これまで受注を断っていたポリエステルカーテンの多色の柄も受注できるようになり、得意先各社から一定の評価を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    ロータリースクリーン捺染や長年の技術力が強みと書かれ、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ポリエステルカーテンの多色柄や大手アパレル向け提案など、市場ニーズと自社の製版・加工強みを結び付ける記述がある。

  • 課題の認識と解決3

    外注費低減と納期短縮、委託から一貫製造への移行など課題認識はあるが、高付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    若手育成は遅れていると認め、採用や技術継承を進める意向があるが、補助事業遂行体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    写実的で繊細なデザインの小ロット多品種対応、飛び柄など大手企業ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    オリジナル品開発や一貫製造を中長期の方向として示すが、スケジュールや解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    日本初の紫外線露光製版設備導入と、最大16色多色染め・高品質プリントという同分野での差別化が記載されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    インテリア資材やカーテン加工の需要に触れるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果2

    外注費低減や納期短縮が期待されると書かれるが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    寝装品需要の減少に対しポリエステル染色へ進出したとあり、構造転換にわずかに関連する記述がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    和歌山市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用や成長牽引の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

品質が安定してきたことから、新たな販路の拡大に向けて積極的な営業活動を行っていく意向である。今後は自社オリジナル品の開発・製造も視野に入れ、委託加工ではなく製造から販売までを一貫して手掛けられる体制づくりを目指す。若手従業員の育成と技術の継承も課題である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。