ものづくり補助金平成24年度高知県

在来種の有機和綿を活用した寝具類及び内衣類(肌着・下着・ホームウェア)の開発・製造事業

株式会社ハート

成果原綿1kgあたりの分別時間 250時間→2時間

この事例のポイント

  • 収穫後の和綿には種や不純物が多く含まれ、手作業での分別は原綿1kgあたり約250時間を要するため、量的対応が難しい。
  • 有機栽培で国内生産された在来種の和綿の分別作業に用いる原綿分別機を導入した。
  • 原綿1kgあたりの分別時間 250時間→2時間。原綿分別機の導入により、手作業では約250時間を要した原綿1kgの分別が約2時間で済むようになり、大幅な時間短縮が図ら…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ハート
所在地高知県 高知市
業種繊維工業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数30人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

当社は昭和63年創業で、化学物質過敏症などの疾患を持つ顧客向けの寝具・タオル・アパレルをOEM中心に製造してきた。平成17年に寝具として世界初の有機国際認証を取得し、平成22年10月には高知県大豊町にオーガニック専用自社工場を稼働させた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力収穫後の和綿には種や不純物が多く含まれ、手作業での分別は原綿1kgあたり約250時間を要するため、量的対応が難しい。
  • 品質・精度和綿は不純物が混在したまま納入されるため、品質の均一化と原料加工時のトレーサビリティ管理が課題である。
  • 新製品・新技術和綿の素材特性を活かした機能性と意匠性を備えた試作品の開発が必要である。
  • 新製品・新技術在来種の和綿でオーガニック認定を受けた事例がなく、認定に向けた品質検査と商品分析が必要である。

やったこと

有機栽培で国内生産された在来種の和綿の分別作業に用いる原綿分別機を導入した。さらに、家庭用品質表示法に対応した専用の品質表示印刷機を導入した。アトピー対策として無農薬・無添加の洗えるコットン肌ふとん10点、敷パッド13点、和とじ敷きふとん3点、ペット用ふとん9点、枕9点の計44点を試作開発した。和綿の収穫量が予定の300kgに対し90kgに留まったため、内衣類や有機和綿の織布・染色などの試作は断念した。

  • 加工機原綿分別機品質表示印刷機

新しい製品・サービス:アトピー対策として無農薬・無添加の洗えるコットン肌ふとん、敷パッド、和とじ敷きふとん、ペット用ふとん、枕など計44点の試作品。

事業の効果

  • 原綿1kgあたりの分別時間 250時間→2時間

原綿分別機の導入により、手作業では約250時間を要した原綿1kgの分別が約2時間で済むようになり、大幅な時間短縮が図られた。量的対応と品質管理の実現にも目途が立った。試作では強度・耐久性・吸水性・保温性を満たす商品が44点でき、オーガニック商品として一定の成果を得た。一方で収穫量の不足により、内衣類などの試作は実現しなかった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    これまでの取組との一貫性昭和63年創業以来のOEM製造から、平成17年の寝具での有機国際認証取得、平成22年の大豊町自社工場稼働へと一貫した取組が年号つきで書かれている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性希少な有機和綿を高級品として扱い、大手生協や百貨店など複数の既存取引先を持つ点が書かれており、優位性の根拠として読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決手作業の分別が原綿1kgで約250時間かかるという課題を数字で示し、分別機導入でその解決を図る計画になっている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標分別時間の短縮(1kgあたり約250時間から約2時間)は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性5

    昭和63年創業以来のOEM製造から、平成17年の寝具での有機国際認証取得、平成22年の大豊町自社工場稼働へと一貫した取組が年号つきで書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    希少な有機和綿を高級品として扱い、大手生協や百貨店など複数の既存取引先を持つ点が書かれており、優位性の根拠として読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の分別が原綿1kgで約250時間かかるという課題を数字で示し、分別機導入でその解決を図る計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    分別時間の短縮(1kgあたり約250時間から約2時間)は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    社内人材で44点の試作を行い、元農業技術センター職員に相談した実績が書かれているが、体制の具体的な人員配置は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    化学物質過敏症などの疾患を持つお客様を対象とし、エコサートなど3つの証明で偽りのない製品であることを示す点が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    原料確保の方法や無農薬インド綿の混入、内衣類・ペット用品の試作予定が書かれているが、具体的な日程や期限は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    在来種の和綿でオーガニック認定の事例がこれまでなかったと書かれており、希少性の高い分野での取組として読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    高知県大豊町の自社工場や和綿栽培の取組が書かれているが、地域経済や雇用への波及効果の記載は薄い。

  • 費用対効果3

    分別時間を約250時間から約2時間へ短縮した数字はあるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    原料の原産地や工程を特定できるトレーサビリティ管理が書かれているが、先端的なデジタル技術の活用は記載されていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    高知県大豊町や高知市での和綿栽培と工場運営が書かれ、地域の資源を活かす事業であることはうかがえるが、地域経済への効果は具体的でない。

今後の展望

和綿の収穫は自然環境に左右され安定確保が難しいため、同種の無農薬インド綿を混合しながら原料確保に努める。内衣類やペット用品などの試作品を混合綿で製造する予定である。希少性が高いため高級品として販売できる販売先を優先し、ブランド化を推進する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。