ものづくり補助金平成28年度製造業京都府

ダイレクト印刷技術導入による新規顧客開拓・利益体質の改善

株式会社ヤマコー

成果外注工程の内製化で納期が2日間短縮する。

この事例のポイント

  • 現有のシルク印刷機は4色までの印刷が限界で、色ごとにインク調合と版清掃が必要なため煩雑で生産性が低い。
  • フルカラー同時印刷が可能なUVインクジェット印刷機を導入し、現有のシルク印刷機と組み合わせて印刷の役割を分担させた。
  • 外注工程の内製化で納期が2日間短縮する。フルカラー同時印刷が可能となり、美粧性や品質面での差別化が顕著になる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤマコー
所在地京都府 宇治田原町
業種プラスチック製品製造業
技術分野表面処理
従業員数73人
資本金5億円
設立1976年

事業の背景

創業以来、紙素材段ボールの加工販売を行ってきた。プラスチック素材のダンボール(プラダン)は紙製段ボールの5%程度の市場規模にすぎないが、環境問題への取組みとともにリユース性が注目され、今後の市場拡大が見込まれている。当社は受注システムをいち早くホームページ上に構築し、約3万社超と取引している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有のシルク印刷機は4色までの印刷が限界で、色ごとにインク調合と版清掃が必要なため煩雑で生産性が低い。
  • 納期・工程印刷工程の一部を外注に出しているため納期管理が難しく、多色刷りの工程管理にも課題がある。
  • 人手・技能見積りが煩雑で引き合いへの回答が遅れ、失注の原因となっている。
  • 集客・繁閑新規注文を断るケースも生じ、取引先ニーズへの的確な対応が十分にできていない。

やったこと

フルカラー同時印刷が可能なUVインクジェット印刷機を導入し、現有のシルク印刷機と組み合わせて印刷の役割を分担させた。プラダンはポリプロピレン素材で樹脂の中でもインクの定着が最も悪いため、インクの柔軟性、ランプ照射、プラダンの表面処理の3者のバランスを最適化し、自社に適したインクを選定した。インクの乾燥時間を5分以内に短縮するため、機械メーカーと共同研究を行った。印刷スピードと品質の相関をテスト・分析して最適なバランス値基準を設定し、全設備で印刷スピードのばらつきをなくして品質を安定化させた。版用フィルム作成からインク調合、印刷、版清掃までを一連の作業に集約し、外注工程を内製化した。

加工機UVインクジェットによるフルカラー同時印刷機

事業の効果

  • 外注工程の内製化で納期が2日間短縮する。
  • インクの乾燥時間を5分以内に短縮する。

フルカラー同時印刷が可能となり、美粧性や品質面での差別化が顕著になる。外注工程の内製化により納期が2日間短縮し、品質・納期・コストの大幅な改善が見込まれる。新規取引先の開拓により引き合い件数の増加が期待でき、販売単価の向上による利益率改善も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の箱売りに加え、プラダン加工・販売を平成7年から特化してきた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    約3万社と取引、1ケースから数万ケースまで対応できる強みと、シルク印刷の4色限界・外注依存という弱みが具体的に記載されている。

  • 課題の認識と解決4

    シルク印刷の小回りの悪さや外注による納期遅れ、失注の課題を挙げ、UVインクジェット導入と外注内製化で対応する計画になっている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    納期2日間短縮、乾燥時間5分以内への短縮など数値目標が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    機械メーカーとの共同研究や社内の技術蓄積には触れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    プラダンの耐久性・耐水性などの特性、看板業界向けのフルカラー印刷による美粧性という差別化の理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    第1段階・第2段階の展開順やインク選定、乾燥時間短縮の方法が示されているが、スケジュールの日付までは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    プラダンは紙段ボールの5%程度の市場規模とされ、フルカラー同時印刷で美粧性を高め同分野で差別化する内容が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    環境問題への対応やプラダンの繰り返し使用による注目度向上にわずかに触れるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    納期短縮やコスト低減、生産性向上が挙げられているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    フルカラー同時印刷や受注システムに触れるが、地域やサプライチェーン全体のイノベーションとしての位置づけは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京都府宇治田原町の立地は書かれているが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引するという記述はうかがえない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

第1段階として看板業界の既存取引先の深掘りと新規開拓を行い、看板シート以外の什器・備品類にも加工範囲を広げる。第2段階として建築看板やサイン・ディスプレイ類、流通業界、選挙事務所、自治体、学校法人、図書館等にも視野を広げる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。