ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

特許技術を用い、物体の3次元形状の測定を高速・高精度化する装置を試作開発

4Dセンサー 株式会社

この事例のポイント

  • 営業人員が不足しており、製品のPRが追いついていない。
  • 特許技術であるOPPA法(One-Pitch Phase Analysis)を用いて、複数の画像を作らずに高速高精度で物体を捉える方法を見つけ出した。
  • OPPA振動分布計測装置の開発を終え、録画再生機能を備えて使いやすい装置になった。

事業者のプロフィール

事業者名4Dセンサー 株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種業務用機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数12人
資本金999万円
設立2012年

事業の背景

2012年に和歌山大学発ベンチャーとして設立された。主力製品は3次元形状計測装置および変形測定装置(サンプリングモアレカメラ)で、変形量を色の濃さで可視化できることに加え、非接触・高速・高精度が特徴である。研究開発型の企業で、電子機器、自動車関連、計測機器など多岐にわたる分野や研究機関を得意先とし、得意先の要望に合わせた装置のカスタマイズが強みになっている。応用計測器市場は国内だけでなく海外でも拡大している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能営業人員が不足しており、製品のPRが追いついていない。
  • 販路・情報発信製品のカスタマイズに半年から1年程度の時間がかかるため、販売実績につながりにくい。
  • 品質・精度動きのある物体に従来の測定方法を適用すると、複数枚の撮影時間中に変化があり精度が落ちる。
  • コスト・採算1秒間に300回以上の撮影を行うため、多くのメモリが必要になっていた。

やったこと

特許技術であるOPPA法(One-Pitch Phase Analysis)を用いて、複数の画像を作らずに高速高精度で物体を捉える方法を見つけ出した。レーザ加工機とプロジェクタ用LEDなどの設備機器一式を購入し、OPPA法を用いた「OPPA振動分布計測装置」を試作開発して実用化を試みた。振動の専門家がいなかったため想定より時間を要し、輝度(発光体の明るさ)の調整にも時間がかかった。OPPA法の基本原理の確認と最適な仕様および設計法を確立し、録画再生機能も実装して使いやすい装置に仕上げた。

加工機レーザ加工機
その他プロジェクタ用LED

新しい製品・サービス:OPPA振動分布計測装置

事業の効果

OPPA振動分布計測装置の開発を終え、録画再生機能を備えて使いやすい装置になった。OPPA法の基本原理の確認と最適な仕様・設計法を確立でき、振動分布計装置を作り上げることができた。販売はまだ至っておらず、商談中の案件もあるため早期の販売実績につなげたいとしている。海外を含めた市場への展開や、大型の物体を計測できる装置の開発も進める予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    和歌山大学発ベンチャーで研究開発力が強みと記載があり、3次元測定の製品化が事業の軸だと読めるが、過去の取組との連続性を示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    得意先の要望に合わせたカスタマイズや多様な産業分野・研究機関との取引が強みとして書かれるが、市場動向との対比は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    営業人員不足で販売に至らない課題を認識し、引き合いや商談中の案件を踏まえて販売実績化を狙う、と具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、販売面の課題が残る旨のみ述べられており、数値目標はうかがえない。

  • 事業を進める体制3

    研究開発型で外部資金を多数獲得しているとあるが、営業人員不足や振動の専門家不在に触れており、体制面は部分的に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    非接触・高速・高精度、変形量の色濃度による可視化、インフラの危険予知など製品の価値と用途が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展開として4D製品の開発、足形状測定装置の開発、リピート受注や提案営業への移行が示されるが、スケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達2

    外部資金を多く獲得しているとは書かれるが、財務状況や金融機関からの調達見込みは記載がなく、わずかにうかがえる程度。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    応用計測器市場の拡大と旧来の測定装置と置き換わる可能性が述べられるが、同分野内での高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    インフラの危険予知や安心・安全社会への貢献が示されるが、雇用創出や波及効果の数字は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    OPPA法という独自の高速高精度計測技術を用い、複数画像を作らず簡便に測定する方法を開発したと具体的に記載されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    応用計測器市場の拡大や海外展開、インフラ安全への貢献が書かれるが、構造転換への言及は限定的。

  • 地域経済への波及2

    和歌山のベンチャーである点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や地域成長への記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

世界の標準化も視野に入れ、安心・安全の社会への貢献を目指す。大型の物体を計測できる装置の開発や、足の形状測定装置の開発を進め、リピート受注と提案営業に努める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。