ものづくり補助金平成24年度兵庫県

高圧温水自動洗浄装置の試作開発

株式会社洲本整備機製作所

この事例のポイント

  • 硬度が高く高価な碍子は、手洗いや高圧洗浄機による洗浄に手間と労力がかかっていた。
  • 高圧温水自動洗浄装置を開発し、洗浄ユニットとろ過循環ユニットの一体化を目標にレーザー加工機を導入して筐体の精度と強度を向上させた。
  • 高圧温水による本洗浄がすすぎを兼ねるため、洗浄工程が短縮され、作業者の労力も軽減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社洲本整備機製作所
所在地兵庫県 洲本市
業種業務用機械器具製造業
技術分野位置決め
従業員数53人
資本金2,000万円
設立1970年

事業の背景

昭和27年に国産初のスチームクリーナーを開発して以来、高圧洗浄機の専門メーカーとして製品の開発から販売まで手がけてきた。洗浄は多くの産業で品質向上に欠かせない工程であり、高圧洗浄機は自動車関連産業をはじめ多様な分野で使われている。ユーザーから、電力設備で多く使われる碍子の洗浄を自動化し、効率よく環境負荷を抑えて行えないかという要望を受けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能硬度が高く高価な碍子は、手洗いや高圧洗浄機による洗浄に手間と労力がかかっていた。
  • 生産能力大型の碍子を短時間で効率よく洗浄できる方法が求められていた。
  • その他洗浄時の周囲への汚れの飛散を抑え、環境負荷を最小限にすることが求められていた。

やったこと

高圧温水自動洗浄装置を開発し、洗浄ユニットとろ過循環ユニットの一体化を目標にレーザー加工機を導入して筐体の精度と強度を向上させた。装置の主要部分をステンレスにして耐腐食性を高め、高圧ユニット、加熱槽、循環ろ過槽、各種配管のレイアウトを見直した。縦方向に回転するノズルとバスケットの横回転を組み合わせ、噴射軌道を複雑にして洗浄死角を減らし、ノズルの回転速度は汚れの状況に応じて自在に変更できるようにした。電気で沸かした80℃の温水のみで本洗浄とすすぎを兼ね、洗浄後の廃水は循環ろ過槽でろ過して再加熱し再使用する仕組みとした。各部のサイズを実用上問題のない範囲で極小化し、設置面積を1.8mまでコンパクト化した。電気加熱式とすることで屋内設置でも安全に使用できるようにした。

新しい製品・サービス:高圧温水自動洗浄装置

事業の効果

高圧温水による本洗浄がすすぎを兼ねるため、洗浄工程が短縮され、作業者の労力も軽減された。回転ノズルの採用により洗浄死角が少なくなり、より効果的な洗浄が可能になった。廃水を循環ろ過して再使用するため省エネと節水が期待でき、周囲への飛散がなく環境もクリーンに保てる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.5 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性ユーザーからの要望に応えた開発とあるが、市場動向や競合に対する自社の強み・弱みの分析は書かれていない。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1927年の国産初スチームクリーナー開発以来の高圧洗浄機専門メーカーとしての歩みが書かれ、洗浄装置分野での一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    ユーザーからの要望に応えた開発とあるが、市場動向や競合に対する自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    電力設備の碍子洗浄の手間という課題が示され、洗浄時間短縮と装置コンパクト化の目標が書かれているが、高付加価値化や成長の計画までは読み取れない。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    目標に洗浄時間の短縮とコンパクト化が挙げられているが、具体的な数値目標や付加価値・賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員53人で、レーザー加工機やプレス機など主要生産設備を自社保有し、設計から製作まで自社で行うとの記述がある。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大型碍子の手洗い・高圧洗浄機に比べ効率的で飛散がないという利点と、自動車整備や食品工場などの用途が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    用途拡大や溶剤洗浄機能の追加などの展開方針は述べられているが、遂行スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    80度の温水による本洗浄でのすすぎ不要や、回転ノズルで複雑な噴射軌道を得る点など、従来より高性能な仕様が示されている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    電力設備の危険性や病院・介護施設での車いす洗浄への応用が述べられ、社会的な意義がうかがえるが、経済波及や雇用の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    廃水循環による省エネ・節水が期待できるとあるが、投入額に対する付加価値増加などの数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    循環ろ過や電気加熱による環境配慮が書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は示されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    兵庫県洲本市の地域企業であることが示されるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は乏しい。

今後の展望

碍子以外の部品洗浄への展開を進めており、自動車整備業、部品再生業、各種機械工場、食品や薬品メーカー、病院や介護施設の車いす洗浄などへの販売を想定している。溶剤洗浄機能の追加や回転ノズルユニットの応用により、販売想定市場をさらに拡大する考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。