ものづくり補助金平成29年度製造業石川県

オートウェイターの生産量大幅拡大のための生産プロセスの改善

株式会社石野製作所

この事例のポイント

  • AW の部品は種類・数量が多く形状も複雑なため機械加工に時間を要し、今後予想される受注に現状の生産プロセスでは対応しきれない。
  • 川北工場をAW生産の専用工場とし、生産から出荷までを一元化することで生産性を向上させ、生産コスト面での競争力強化を図った。
  • 一つの工場で生産を一元化したことで工場間の部品搬送や組立品搬送が不要になり、リードタイムが短縮されて競争力が強化された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社石野製作所
所在地石川県 金沢市
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数147人
資本金5,000万円
設立1962年

事業の背景

当社は回転寿司店舗向けの寿司コンベアや注文品搬送装置「オートウェイター」(AW)等を生産している。事業実施当時、外食産業は深刻な人手不足によりAW需要が高まっており、回転寿司のみならずラーメン店や焼き肉店等様々な外食業種からの需要があった。AWは少ない人員で店舗運営できる魅力的な機械として高い評価を得ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力AW の部品は種類・数量が多く形状も複雑なため機械加工に時間を要し、今後予想される受注に現状の生産プロセスでは対応しきれない。
  • 生産能力部品ごとに加工機械の場所を移動して加工するため移動時間や段取りに多くの時間がかかる。
  • コスト・採算加工した部品を別工場へ運んで組み立てる際にも時間ロスが発生していた。

やったこと

川北工場をAW生産の専用工場とし、生産から出荷までを一元化することで生産性を向上させ、生産コスト面での競争力強化を図った。上記目的のため川北工場に新たにレーザー切断機(LC-1212 αⅤ)を導入し、AWの部品生産を行った。導入したレーザー切断機は複雑な形状の切断・穴あけ・切り欠きの能力に優れており、一か所で多くの加工を完了させることができた。レーザーによる切断時間は現行の切断より大幅に削減された。部品製作から組立・出荷まで一元化し、これまでの工場間の運搬を不要にした。

加工機レーザー加工機 LC-1212 αⅤ

事業の効果

一つの工場で生産を一元化したことで工場間の部品搬送や組立品搬送が不要になり、リードタイムが短縮されて競争力が強化された。図面情報のデータ化により情報伝達が速くなり、レーザー切断加工機へのデータ入力も容易になって大幅な作業時間短縮ができた。AWは省力化機器として継続して高い評価を受け、今後の進展が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    事業の背景として外食産業の人手不足とAW需要増が書かれ、既存製品の延長として生産拡大を位置付けているが、中長期の経営戦略との明確な関係は述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    AWが少人数運営できる省力化機器として高評価を受け、人手不足の外食産業で需要が強いことが具体的に書かれ、強みと外部環境が結び付いている。

  • 課題の認識と解決4

    現行生産の課題として部品の機械加工時間、工場間の移動や運搬のロスが具体的に示され、一元化による解決策が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    大幅な時間削減とあるが、付加価値額や賃上げの目標値、数値は示されておらず、目標値の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    設備導入と既存の生産体制を活かす計画は読めるが、人材や事務処理能力の確保について具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    AWが人手不足の外食産業から強く求められ、少人数で店舗運営できる点が選ばれる理由として具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の生産一元化と部品加工の流れは書かれているが、スケジュールや中長期の課題検証についての記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    回転寿司向けコンベアなど特定分野の製品で、高付加価値化や高価格化を図る記述は薄く、新市場性は読み取りにくい。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    人手不足の外食産業の需要が背景にあるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的な理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    加工時間や搬送時間の短縮は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果を示す数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    図面情報のデータ化やレーザー切断機へのデータ入力の容易化が書かれ、デジタル活用はうかがえるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    石川県金沢市の川北工場で生産を行うことは書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在も川北工場ではレーザー切断機を使用しており、AW製作にはなくてはならない生産機械として稼働している。

事業者の声

食に対するニーズはますます多様化しています。石野グループでは、創業から続く愚直なものづくりの志に半世紀を超えて蓄積されたノウハウを重ね、お客様とともに新たな価値に挑戦していきます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。