ものづくり補助金平成28年度製造業鳥取県

当社独自ドリルの医療分野への本格参入のための一貫生産化

株式会社ビック・ツール

この事例のポイント

  • 医療用ドリルは汎用ドリルと材質や小径・長尺といった特徴が異なり、従来の生産設備では生産効率が低すぎる。
  • 医療用ドリルのサイズなどを印字するレーザーマーカー装置(マーキング装置)を導入した。
  • 医療用ドリルの一貫生産体制が実現し、材料ドリルの購入をやめて自社で生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ビック・ツール
所在地鳥取県 日吉津村
業種業務用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工
設立1980年

事業の背景

当社は自動車修理工具メーカーとして昭和55年に設立され、ドリル研磨機や自動車整備用機器、塗装機器の研究開発を行っている。主力の月光ドリルは、ステンレス鋼などへの穴あけが可能で、従来のドリルに比べて10倍程度の耐久度を持ち、2012年の販売開始以来、国内外の展示会で人気を博してきた。平成28年末より整形外科用ドリルとして医療機関で使用され、医療メーカーと販売契約を締結している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力医療用ドリルは汎用ドリルと材質や小径・長尺といった特徴が異なり、従来の生産設備では生産効率が低すぎる。
  • コスト・採算コストの増加要因となっている材料ドリルの購入を続けている。
  • 生産能力大量生産に対応できる抜本的な量産体制が確立されていない。

やったこと

医療用ドリルのサイズなどを印字するレーザーマーカー装置(マーキング装置)を導入した。マーカーを駆動してマーキング範囲を拡大するマーキング装置も導入した。ドリル加工工程での剛性を確保するワークサポートを導入し、加工時間の短縮を可能にした。ドリル加工前のブランク材を加工する高性能円筒研削盤を導入し、丸棒外周の円筒研削をCNC円筒研削盤により実現した。

  • その他レーザーマーカー装置マーキング装置マーキング範囲を拡大するマーキング装置マーカー駆動部
  • 加工機ワークサポート高性能円筒研削盤CNC円筒研削盤

新しい製品・サービス:医療用ドリル(月光ドリル)

事業の効果

医療用ドリルの一貫生産体制が実現し、材料ドリルの購入をやめて自社で生産できるようになった。ワークサポートの導入により加工時間の短縮が可能になった。マーキングはレーザーマーカー及びマーキング装置により実現した。今後は医療機器メーカーと年次目標を定めて全世界市場の開拓を進め、大量受注への対応とコストダウン要求に応える生産体制を構築する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.5 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    新しさ・高付加価値月光ドリルは2012年販売開始で世界各国で特許を取得し、ステンレス穴あけ可能な点で高付加価値の製品として位置付けられている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値の増加や賃上げの目標値は示されておらず、年次目標は医療機器メーカーとの合意としてのみ触れられている。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    2012年販売開始の月光ドリルを医療分野へ本格参入させる計画で、過去の製品開発との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは文章中で明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ステンレス穴あけ可能で従来品の10倍程度の耐久度という強みが書かれ、医療用ドリルの材質・小径長尺という特徴にも触れている。ただし市場規模や競合の数字はない。

  • 課題の認識と解決3

    医療用ドリルは従来設備では生産効率が低すぎるという課題を挙げ、一貫生産化で コスト競争力を高めると述べるが、効果の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性2.4
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の増加や賃上げの目標値は示されておらず、年次目標は医療機器メーカーとの合意としてのみ触れられている。

  • 事業を進める体制2

    代表取締役の名前と新工場建設・約30人の雇用検討はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    耐久性に優れ熱が出にくく患者の負担が少ないという製品価値と、整形外科用として医療機関で評価されている事実が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    大量生産システムの確立と大量受注への対応を掲げるが、導入設備ごとの工程と遂行スケジュールの説明は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    月光ドリルは2012年販売開始で世界各国で特許を取得し、ステンレス穴あけ可能な点で高付加価値の製品として位置付けられている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    新規に約30人の雇用を検討と記載があるが、地域経済波及や社会インフラとしての国の補助理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加数値は示されず、コスト削減体制の確立という定性的な効果のみが書かれている。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    医療分野への進出が記載されており、成長分野への参入という点はうかがえるが、構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    鳥取県西伯郡の立地と新工場建設による雇用創出の検討が書かれているが、地域特性を活かした付加価値の説明は乏しい。

今後の展望

医療機器メーカーと年次毎に目標値を定め、全世界市場に向けて市場開拓を行うことで合意し、大量生産システムを確立させる。また新工場を建設し、新規に約30人の雇用を検討している。

事業者の声

我が社の技術の粋を集めた「月光ドリル」が、画期的な性能を持つ素晴らしい製品として認められる時代がやってきます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。