ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

フルーツとその加工品を生産販売する老舗農園ストーリー性を持たせて消費者へ訴求

有限会社 柑香園 (観音山フルーツガーデン)

成果殺菌工程の時間が大幅に削減

この事例のポイント

  • 加工品は人力に頼る製造で、需要の増加に応えきれず販売機会の損失が生じていた。
  • 高まる需要に対応するため、殺菌機、食品乾燥機、自動シーラ機(自動ラベル貼り機)、電動ピラー(皮むき機)の計4機を導入し、生産性の向上と品質の安定化を目指した。
  • 殺菌工程の時間が大幅に削減。殺菌工程とラベル貼り工程の時間が大幅に短縮され、ラベル貼りは半分以下になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 柑香園 (観音山フルーツガーデン)
所在地和歌山県 紀の川市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数38人
資本金1億円
設立1911年

事業の背景

創業1911年の老舗農園で、柑橘類の生産販売を主力とし、温州みかん、不知火、八朔、夏みかん、レモンなどが売上の7割を占める。残りの3割は果実加工品(ジュース、ゼリー、ドライフルーツ、ジャム、サイダーなど)の製造販売である。販路は自社サイトなどのインターネット販売が主流で、県内の土産物店や百貨店、直営店でも販売している。果実加工品の需要が高まり、売上高は順調に伸びていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力加工品は人力に頼る製造で、需要の増加に応えきれず販売機会の損失が生じていた。
  • 生産能力各工程で機械化(自動化)を進め、生産量を増やすことが喫緊の課題となっていた。

やったこと

高まる需要に対応するため、殺菌機、食品乾燥機、自動シーラ機(自動ラベル貼り機)、電動ピラー(皮むき機)の計4機を導入し、生産性の向上と品質の安定化を目指した。機械に不慣れだったこともあり、温度を均一にすることが難しく、試作を重ねて安定した製品を作れるようになるまで数ヵ月を要したが、現在は課題も解決し安定した品質の製品を提供できている。ジャムの工程では殺菌工程の時間が大幅に削減され、ラベル貼り工程の時間も半分以下になった。電動ピラーの導入により均一にフルーツの皮を薄く剥けるようになり、フードロスの低減にもつながっている。

加工機殺菌機
加工機食品乾燥機
加工機自動シーラ機(自動ラベル貼り機)
加工機電動ピラー(皮むき機)

事業の効果

  • 殺菌工程の時間が大幅に削減
  • ラベル貼り工程の時間も半分以下になる

殺菌工程とラベル貼り工程の時間が大幅に短縮され、ラベル貼りは半分以下になった。電動ピラーで皮を均一に薄く剥けるようになり、フードロスが減った。設備導入で生産能力が向上したが、増え続ける受注に対しては近隣への新工場建設を計画している。ネット販売の比率を高めることで、顧客のリピートや新規問い合わせも増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業1911年の老舗で柑橘販売が主力と読めるが、過去の取組から今回の設備投資位置づけを明確に示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    インターネット販売が主流で、リピート率向上や新規問い合わせ増など、強みを活かした販売面の効果が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    増加する受注に生産能力が追いつかない課題を認識し、機械化と近隣への新工場建設で解決を図る計画が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    殺菌工程の時間が大幅削減、ラベル貼り工程が半分以下とあるが、付加価値や賃上げの目標数値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    機械に不慣れで試作に数ヵ月を要した経緯はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    「果物語」というストーリー性のある販売手法と、100%和歌山県産の加工品への需要が根強いことが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は新工場建設や機械化を積極的に進める予定と示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    「果物語」など独自の販売手法で差別化を図るが、柑橘ジャンルの高付加価値化の水準を示す数値は少ない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域活性化への貢献や耕作放棄地解消策に触れるが、国が補助する積極的理由としての波及効果は具体的に示されていない。

  • 費用対効果3

    殺菌工程や電動ピラーでの大幅な時間短縮が示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    自動化による生産性向上の方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する分野進出までは書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    和歌山県産の果実を使い、新規就農者研修や農業体験で地域産業の活性化に貢献する点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

増え続ける需要への対応は依然課題であり、人材確保が難しいため、機械化(自動化)を積極的に進める予定である。近隣に新工場を建設し、さらなる生産能力の向上を図る。素材の良さを活かす販売スタイルを続け、耕作放棄地解消や新規就農者支援、地域産業の活性化にも取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。