ものづくり補助金平成24年度長崎県

世界初となる「全自動マットレス用自動枠線打機」開発と労務改善事業

九州松下工業株式会社

この事例のポイント

  • ポケットコイルユニットへの鉄枠線固定は全工程が人手作業で、作業者の負担が大きい。
  • 寝具マットレス製作時にポケットコイル集合体の四方形を鉄線枠で固定する、世界初の全自動マットレス用自動枠線打機の試作機を開発した。
  • ロボットによる自動枠線打ちが可能であることが確認できた。

事業者のプロフィール

事業者名九州松下工業株式会社
所在地長崎県
業種家具・装備品製造業
技術分野切削加工
従業員数35人
資本金1億円
設立1971年

事業の背景

ベッドマットレスの製造工程では、ポケットコイルユニットに鉄枠線を固定する工程が全て人手で行われている。作業者はCリングガンで四方の各ポケットコイルを約100か所留め、その後反転して同じ作業を繰り返す。弊社は多くの顧客工場を観察する中で、この工程が一番のボトルネックであることを把握していたが、自動化の検討には至っていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能ポケットコイルユニットへの鉄枠線固定は全工程が人手作業で、作業者の負担が大きい。
  • 人手・技能重いCリングガンを使う作業が腱鞘炎などの要因となっていた。
  • 生産能力この工程は多くの顧客工場でも一番のボトルネックになっていた。
  • その他顧客から自動化の要望があったが、枠線固定の自動化検討までは至らなかった。

やったこと

寝具マットレス製作時にポケットコイル集合体の四方形を鉄線枠で固定する、世界初の全自動マットレス用自動枠線打機の試作機を開発した。作業者は、ポケットコイルと鉄枠線をセットするだけでよい仕組みとし、ロボットが枠線打ちを行う。試作機のテストでは、ロボットによる枠線打ちは片面約110秒以内で処理できた。基材であるポケットコイルと鉄枠線に変形がない場合は、ロボットによるCリングの固定にミスは発生しなかった。従来のCリングガン作業と比べ、作業者の肉体的負荷を大幅に軽減できることを検証した。

  • 加工機全自動マットレス用自動枠線打機

新しい製品・サービス:全自動マットレス用自動枠線打機

事業の効果

ロボットによる自動枠線打ちが可能であることが確認できた。自動機の使用により品質の安定を確保できる見通しを得た。作業者はCリングガンによる肉体的負荷がなくなり、他の作業への振り替えや人員削減による省力化も可能になった。今年の5月にドイツ・ケルンの家具総合展示会に出展し、注目と好評を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    新しさ・高付加価値ポケットコイル枠線固定の全自動機は世界初とされ、既存の普及がない分野で新規性が明確に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決ボトルネック工程の課題を明確に認識し、片面約110秒の処理と作業者負荷軽減という具体的な解決策を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け顧客からの自動化要望や展示会での好評など、ニーズの裏付けと製品の差別化点が具体的に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性海外展示会で注目を得た点はうかがえるが、競合優位性や自社経営資源の強みを踏まえた記述は読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    顧客からの自動化要望と、多くの工場観察で最大のボトルネックと把握した経緯は書かれるが、過去事業との一貫性や経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    海外展示会で注目を得た点はうかがえるが、競合優位性や自社経営資源の強みを踏まえた記述は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    ボトルネック工程の課題を明確に認識し、片面約110秒の処理と作業者負荷軽減という具体的な解決策を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    片面約110秒での処理は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の定量的裏付けは薄い。

  • 事業を進める体制2

    開発体制や人材、事務処理能力に関する記述は見当たらず、わずかに事業主体の概要がうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客からの自動化要望や展示会での好評など、ニーズの裏付けと製品の差別化点が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は実用機の製作と販売、複数台同時使用によるスピードアップが課題として示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    ポケットコイル枠線固定の全自動機は世界初とされ、既存の普及がない分野で新規性が明確に示されている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    作業者の腱鞘炎など健康負荷の軽減はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、効果は定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボットによる自動化は示されるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    ベッドマットレス製造の自動化と世界市場への展開がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する記述は読み取れない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

この成果を踏まえ、顧客の意見を取り入れながら実用機を新たに製作して販売する予定である。展示会では販売には至らなかったが、試作機への意見を参考に様々な条件下でのテストを重ねていく。今後は市場拡大も実現可能と判断している。残された課題は自動枠線打ち機の作業スピードで、2台を同時に使ってスピードアップを図るなど、さらなる機械の高速化が望まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。