ものづくり補助金平成26年度運輸業、郵便業和歌山県

新型尿素水製造装置導入によるトラック排ガス浄化装置の閉塞防止とコスト削減。

酒本物流有限会社

この事例のポイント

  • 市販の尿素水に含まれるトリウレットが製造過程で除去されておらず、長期使用で排気管が閉塞しシアヌル酸が堆積して故障の原因となっていた。
  • 株式会社オプティ社が開発した新型尿素水製造装置を、ものづくり補助事業を活用して購入し自社内に設置した。
  • 新型尿素水製造装置により自社で尿素水を生成できるようになり、排気管の閉塞による故障が発生しなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名酒本物流有限会社
所在地和歌山県 有田川町
業種運輸に附帯するサービス業
技術分野製造環境

事業の背景

和歌山県有田川町に本社を置き、ミカンや梅など地域の産物を関西や関東などの消費地へ迅速・的確・安価に届ける一般貨物自動車の運送業を営んでいる。保有車両は14台で、関連会社を含めると100台以上になり、ミカンの最盛期にはほぼ全車両が長距離輸送に使われる。ディーゼル車の排出ガス規制は年々厳しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度市販の尿素水に含まれるトリウレットが製造過程で除去されておらず、長期使用で排気管が閉塞しシアヌル酸が堆積して故障の原因となっていた。
  • コスト・採算故障の修理費は1回30〜70万円かかり、燃費の低下や尿素水の購入費用も重なって経営を圧迫していた。

やったこと

株式会社オプティ社が開発した新型尿素水製造装置を、ものづくり補助事業を活用して購入し自社内に設置した。特殊なフィルター(特許第54099489号)で閉塞の原因となるトリウレットを除去する仕組みで、この尿素水はエコツーライトと呼ばれる。平成26年12月からエコツーライトを試験的に使用して精度を確認し、故障が全く発生しないことを確かめた。原料の尿素粉粒体をタンクに投入してから最終工程の成分検査まで現有の要員で高品位尿素水を生成しており、製造作業には約3時間かかる。

新しい製品・サービス:トリウレットを除去する特殊フィルターを備えた新型尿素水製造装置、およびその尿素水(エコツーライト)

事業の効果

新型尿素水製造装置により自社で尿素水を生成できるようになり、排気管の閉塞による故障が発生しなくなった。燃費の低下を防ぎ、修理費と尿素水の購入費用を削減できる見込みである。夏の閑散期に製造作業を集中させることで雇用の確保にもつながっている。今後、障害者雇用の検討や、トラック業界の各社への実費供給も構想している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例は運送業の排ガス規制対応と尿素水の自給化を述べるが、これまでの取組や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    長距離輸送が多い同社では故障が事業の根幹に関わると書かれ、外部環境との関係はうかがえるが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    修理費30〜70万円、尿素水の購入費削減、燃費低下の防止など課題と効果を具体的に述べ、自給化で対処する流れが読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    コスト削減や修理費削減を目的とすると書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    現状要員で尿素水を生成し、約3時間の作業と書かれるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    販売先はトラック業界への供給として検討中と書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    平成26年12月から試験使用し精度を確認したと書かれ、段階的な検証の流れは読み取れるが、スケジュールは詳述されない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    尿素水の自給製造は既存の取組の延長とうかがえるが、普及度や高付加価値化の水準は事例からわからない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    トラック業界への供給や障害者雇用の検討がわずかに示されるが、波及効果の規模は書かれていない。

  • 費用対効果3

    修理費と尿素水購入費の削減を図ると書かれるが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    排ガス浄化とトリウレット除去の新装置開発が書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は述べられていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山の産物を全国へ届ける地域貢献と、障害者雇用の検討が書かれ、地域性はうかがえる。

今後の展望

製造現場での障害者雇用を検討している。数値として確実な効果が確認できれば、トラック業界の各社に実費ベースで尿素水を供給し、業界全体の効率化に貢献したいと考えている。

  • 目標:トラックの大きさ等により修理費は30〜70万円

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。