ものづくり補助金平成26年度製造業鳥取県

三次元微細噴射ノズルを有する介護に適用可能のハンディ型患部洗浄器の開発

有限会社山本精機

この事例のポイント

  • 下請加工業から提案型完成品メーカーへ移行することが、企業の将来的な拡大と存続の課題となっている。
  • 新たに高難度の加工に対応できる微細溶接部分加工用のレーザー溶接機を導入した。
  • 微細レーザー溶接機の導入により、複雑な微細品のレーザー溶接加工が可能となり、通常の加工にも取り入れられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社山本精機
所在地鳥取県 鳥取県岩美郡岩美町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,測定計測,表面処理,立体造形
資本金9,000万円
設立1984年

事業の背景

有限会社山本精機は1974年(昭和49年)から鳥取県岩美町で事業を営んでおり、主に大手企業の下請として半導体製造装置関連・分析機器関連のステンレス部品の切削加工と細管溶接加工を行ってきた。量産型の下請加工では受注内容の高度化に対応しにくく、生き残りが難しくなりつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術下請加工業から提案型完成品メーカーへ移行することが、企業の将来的な拡大と存続の課題となっている。
  • 人手・技能受注動向から、現在の3軸三次元加工から5軸加工機などの多次元加工技術の習得が重要になっている。
  • 人手・技能切削加工の高度な製品の受注拡大が予想され、微細レーザー溶接の技術習得が必要とされている。

やったこと

新たに高難度の加工に対応できる微細溶接部分加工用のレーザー溶接機を導入した。導入した設備を使って医療用部品の加工技術を検証した。看病・介護における患者の傷口などの皮膚表面の洗浄を目的とした、圧電素子マイクロポンプの試作機の完成を目指した。微細レーザー溶接機を通常の加工に取り入れられるようになり、複雑な微細品のレーザー溶接加工が可能となった。微細な洗浄液噴出ノズルの加工も可能となった。

新しい製品・サービス:看病・介護用の皮膚表面洗浄機(圧電素子マイクロポンプと微細な洗浄液噴出ノズルを有する医療・介護用洗浄機)

事業の効果

微細レーザー溶接機の導入により、複雑な微細品のレーザー溶接加工が可能となり、通常の加工にも取り入れられるようになった。医療用部品の加工技術を検証し、微細な洗浄液噴出ノズルの加工も可能になった。試作機の段階では製造物の精度に多少の誤差が残っており、今後の課題となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    切削加工・細管溶接の下請から提案型完成品メーカーへの移行が課題とされ、経営上の位置づけは示されるが、過去取組との一貫性を示す具体的記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    受注動向から5軸加工等の多次元加工技術習得が重要とあり、外部環境は触れられているが、自社の強み・弱みを定量的に示す記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    量産型から専門加工技術企業への移行と課題解決策(設備近代化、微細溶接ノウハウ蓄積)が示されるが、成長効果の数値は書かれていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、高付加価値化の実現可能性を判断する数値が読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    ISO13485を取得済みとあり体制面の一部はうかがえるが、人材や事務処理能力の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療機器販売業者への販路開拓や製品の用途(皮膚表面の洗浄)が示されるが、ターゲットの規模やニーズの裏付けは乏しい。

  • 事業化までの道筋4

    事業実施期間が平成27年9月から28年2月、最終製品化に約1年と記され、残された課題と解決方法も段階的に示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    医療用の微細レーザー溶接・洗浄ノズルの分野で、同分野で高付加価値化を図る内容と読めるが、市場水準との比較は示されない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    医療関連洗浄機の開発や製品化という用途は示されるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由の記述は乏しい。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    微細レーザー溶接の導入や医療用部品加工の検証は技術的進展を示すが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器分野への進出がうかがえ、構造転換に触れる記述はあるが、市場成長の裏付けは示されていない。

  • 地域経済への波及2

    鳥取県岩美町の地域企業であることは書かれるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

今後の展望

今後は医療機器販売業者への販路開拓を進め、試作品の精度を高めて最終製品化を目指す。最終製品化には約1年を要する見込みである。多次元加工や微細レーザー溶接の精度を高め、高度専門技術企業として高付加価値製品の受注体制を確立する計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。