ものづくり補助金平成26年度製造業島根県

大物中子の一体・中空造型による生産性向上及び低コスト化

株式会社大勢シェル

この事例のポイント

  • 大物中空中子は人手の掛かる他の手法で分割して製作し、貼り合わせる手間が必要だった。
  • 6気筒の船舶用エンジンの中子製作を打診されたことをきっかけに、大物中子製造装置の導入を進めた。
  • シェルモールド法による大物中空一体中子の量産により、従来は分割して貼り合わせていた工程が不要になり、大幅なコストダウンと生産効率の飛躍的な向上が見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大勢シェル
所在地島根県 三重郡川越町
業種窯業・土石製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数100人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

株式会社大勢シェルは、樹脂コーティング砂を熱で固めるシェルモールド法による中子メーカーで、自動車、建設機械、農業機械、船舶など多岐にわたる業界に納入している。1977年に島根県松江市東出雲町に進出し、2003年には島根工場に生産拠点を集約した。受注の拡大に伴い工場を増設し、2017年には第4工場が稼働している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能大物中空中子は人手の掛かる他の手法で分割して製作し、貼り合わせる手間が必要だった。
  • 生産能力分割・貼り合わせの方法では生産効率が低く、大物中子を一体で効率よく製造する手段が求められていた。

やったこと

6気筒の船舶用エンジンの中子製作を打診されたことをきっかけに、大物中子製造装置の導入を進めた。機械メーカーと協力して独自に開発した中子造形用砂の充填方式を組み込んだ装置を2014年に設置した。設置後も直ちに生産はできず、鋳物工場で図面通りの製品ができるまで試行錯誤を繰り返し、大物ゆえのガス発生、強度、寸法精度の問題を解決した。あわせて水平割り反転取り出し方式の造型機械を開発し、作業者の負担軽減と生産効率・省力化を実現した。2016年に大物一体中空中子の量産にこぎ着けた。

  • 加工機大物中子製造装置水平割り反転取り出し方式の造型機械

新しい製品・サービス:大物中空一体中子

事業の効果

シェルモールド法による大物中空一体中子の量産により、従来は分割して貼り合わせていた工程が不要になり、大幅なコストダウンと生産効率の飛躍的な向上が見込まれる。造型機械による作業者の負担軽減と省力化も実現した。寸法精度や強度の課題も解決され、品質の安定につながっている。量産体制により、大物中子を必要とする業界への貢献も広がっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1977年の島根進出、2003年の生産拠点集約、2017年の第4工場稼働など受注拡大の経緯は読めるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車・建設機械など多岐にわたる納入先と、大物一体中空中子を国内で初めて量産した点から強みは具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    従来の分割・貼り合わせ工程の手間を解消し、大幅なコストダウンと生産効率の飛躍的向上を課題解決として示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    大幅な生産性向上とあるが、数値による付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    試行錯誤の末に2016年に量産に至った経緯や、島根工場の増設・第4工場稼働から体制の一端はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    シェルモールド法は強度・崩壊性に優れ複雑形状が作れる点、船舶・発電機など需要分野の見込みが明確に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    課題(ガス発生、強度、寸法精度)と解決の経緯は記載されるが、今後の中長期の遂行計画やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大物一体中空中子を国内で初めて量産したとあり、同分野で高水準の差別化があることが読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    船舶・産業機械・工業資材への需要拡大は示されるが、雇用創出や波及効果を国が補助すべき理由としては具体性が乏しい。

  • 費用対効果2

    大幅なコストダウンとの記載はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    独自開発の水平割反転取り出し方式など省力化技術はあるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    島根県松江市での工場集約と増設により地域雇用に寄与する旨はうかがえるが、地域成長への牽引は具体的に示されていない。

今後の展望

大物中子は船舶や発電機などの大型エンジン、産業機械、工業資材などの分野で需要が見込まれる。既に工業用ロボットアームの中子生産を受注しており、実績を重ねて新たな分野を切り開く考えである。

事業者の声

会社を継続、発展させるためには、中子メーカーとしての誇りを持ち、業界でやつていないことに挑戦する気概がなくてはいけない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。