ものづくり補助金平成24年度沖縄県

切削加工機械導入による高性能石膏型の開発及び製品の多様化事業

沖縄クチャ・赤土造形企業組合

この事例のポイント

  • 高度な技術を要する石膏型の製造を担っていた熟練の石膏職人が高齢で退職し、技術を持つ人材が不足していた。
  • 沖縄県工業技術センターの助言を受け、切削加工機としてモデリングマシンMM800Fnを導入した。
  • 切削加工機の導入により、熟練工に頼らなくても寸分の誤差なく石膏型を製造できるようになり、製品の品質が安定した。

事業者のプロフィール

事業者名沖縄クチャ・赤土造形企業組合
所在地沖縄県 南城市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野切削加工
従業員数4人
資本金40万円
設立2002年

事業の背景

当組合は沖縄県内で陶業に携わってきた4名が2002年に設立した企業組合で、赤瓦の製造を中心とした窯業を続けてきた。焼き物の基本となる石膏型の製造には高度な技術が必要だが、熟練職人の退職後は技術者が不足していた。県内陶器産業の石膏型製造市場は成熟しており、石膏型の供給は主に県外発注となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能高度な技術を要する石膏型の製造を担っていた熟練の石膏職人が高齢で退職し、技術を持つ人材が不足していた。
  • 品質・精度手作業による石膏型製造では従来の石膏型より高性能で安定した高品質の製品を作ることが難しかった。
  • 新製品・新技術機械導入以前は既存デザインの石膏型しか提供できず、顧客が求める個別デザインに応えられなかった。

やったこと

沖縄県工業技術センターの助言を受け、切削加工機としてモデリングマシンMM800Fnを導入した。製図はCADソフトで行い、3D-CADで設計したモデルのデータを基に加工する方式とした。切削により1/1000mm単位での加工が可能となり、切削石膏型を用いて排泥鋳込みや圧力鋳込みによる陶器の試作品づくりを行った。手作業の攪拌では均一に混ぜるのが難しく品質が安定しなかったため、追加で真空石膏攪拌機を導入して石膏の攪拌工程も機械化した。

加工機モデリングマシン MM800Fn
ソフト3D-CADソフト
その他真空石膏攪拌機

新しい製品・サービス:3D-CADで設計した個別デザインの石膏型や圧力鋳込用丸皿石膏型など、石膏型の新たな活用方法の提案

事業の効果

切削加工機の導入により、熟練工に頼らなくても寸分の誤差なく石膏型を製造できるようになり、製品の品質が安定した。製品の修正の手間が大幅に削減され、作業工程管理やスケジュール調整も容易になって生産効率が向上した。既存デザインに限られていた石膏型を個別デザインでも同程度の価格で提供できるようになり、マイナーチェンジも容易になった。県内顧客にとっては県外発注に比べ輸送費が削減され短納期となり、離島の業者にも喜ばれて新たな取引先の開拓につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    県内陶業4名で設立し赤瓦製造の窯業を続けてきた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県外発注が主で県内メーカーが主要ターゲットと書かれ、輸送費削減や短納期が強みとして示されるが、競争優位の定量的裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    石膏職人の退職で技術不足という課題を挙げ、切削機導入で手作業を機械化し、誤差のない製造で生産性向上を図る具体的な計画が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性は向上したと書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値や数字は示されておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    CAD研修を受け、プログラミング技術を習得して試作を繰り返したと書かれ、体制の一端は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    県内陶器メーカーを主要ターゲットとし、個別デザインを同程度の価格で提供、輸送費削減と短納期のメリットを具体的に示している。

  • 事業化までの道筋4

    試作・真空攪拌機の追加導入、三つ割型・四つ割り型の試作開発、必要な設備投資という段階的な進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存の手作り石膏型から、1/1000mm単位の切削による個別デザイン対応へ高度化し、同価格で提供できる高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    赤瓦文化の継承と近代的生産の融合、県内産業の地産シェア減少への対応という地域的意義が読み取れるが、波及効果の数字は薄い。

  • 費用対効果2

    生産効率の向上や修正手間の大幅削減とあるが、補助金額に対する費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3D-CADデータ活用で原型製作工程を不要にした点は示されるが、サプライチェーンへの貢献としては記述が限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    沖縄の赤瓦文化と地域の資源を活かし、離島業者にも提供している点から地域特性の活用が読み取れるが、雇用創出の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県内陶器製造メーカー等を主要ターゲットとし、個人作家などの小口ユーザーへのサービス提供を強化する。さらに大型の石膏型の製造に向けて三つ割型・四つ割り型の試作開発を進め、必要な設備投資を行って新たな顧客層へアプローチしていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。