ものづくり補助金平成27年度製造業長崎県

新規成形機導入による高精度かつ肉薄陶磁器生地の低コスト量産で売上の拡大

聖栄陶器有限会社

成果従来の機械と比較して33%軽量化

この事例のポイント

  • 陶磁器業界では高精度・肉薄品の需要が高まっているが、既存設備では寸法精度や肉薄の製品を大量に生産できなかった。
  • 受注先から求められるランプシェードのように薄く精緻な陶磁器を大量生産するため、NCローラー成型機を導入した。
  • 従来の機械と比較して33%軽量化。高精度の成形により印刷のズレやひずみによる破棄が減り、歩留まり率が3%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名聖栄陶器有限会社
所在地長崎県 東彼杵郡川棚町
業種窯業・土石製品製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数45人
資本金3,000万円
設立1969年

事業の背景

陶土のメーカーとして1948年に創業し、その後生地作りや陶磁器製造に進出した。長崎県・佐賀県で分業化が主流の中、陶土、生地作り、波佐見焼の窯元を自社で行う一貫体制を確立している。窯元や商社へのデザイン提案やオリジナル商品も展開している。陶磁器業界では近年、高精度・肉薄品の需要が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術陶磁器業界では高精度・肉薄品の需要が高まっているが、既存設備では寸法精度や肉薄の製品を大量に生産できなかった。

やったこと

受注先から求められるランプシェードのように薄く精緻な陶磁器を大量生産するため、NCローラー成型機を導入した。この機械は最新のPC制御により、土の固さや種類に左右されず、肉薄の生地を100分の1ミリ以下の高精度で成形できる。従来の機械と比較して33%の軽量化に成功し、肉薄製品の製造が可能になった。成形が理想の寸法通りにできるため印刷のズレが少なくなり、印刷の継ぎ目を気にせず多様なデザインを展開できるようになった。

加工機NCローラー成型機

事業の効果

  • 従来の機械と比較して33%軽量化
  • 歩留まり率が3%向上
  • 生産量が9.4%増加

高精度の成形により印刷のズレやひずみによる破棄が減り、歩留まり率が3%向上した。生産量は9.4%増加した。肉薄陶磁器の量産体制が整い、ランプシェードだけでなく幅広い商品展開が可能になった。他社との差別化もできた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    陶土・生地作りから波佐見焼の一貫体制を確立した経緯は読めるが、今回の機械導入が経営戦略上どう位置づけられるかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高精度・肉薄品の需要増と既存設備の限界を述べ、33%軽量化や肉薄量産で差別化できたと具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    既存設備では肉薄・精緻品を大量生産できないという課題を示し、NCローラー成型機で解決した点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量9.4%増、歩留まり3%向上という数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員45名と一貫体制を持つことはうかがえるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ランプシェード等の肉薄製品への需要や受注先の要望は読めるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は新市場開拓や多品種少量への対応を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    肉薄陶磁器の量産で他社との差別化ができたとあるが、分野の普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の陶磁器産業に関わる記述はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    歩留まり率3%向上と生産量9.4%増加という数字で、投入額に対する効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    最新PC制御のNCローラー成型機を使う点はあるが、デジタル技術やビジネスモデルでサプライチェーンに貢献する記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    長崎県・佐賀県の地域産業である波佐見焼の窯元として一貫体制を持つ点は読めるが、地域成長への牽引は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

肉薄陶磁器の量産体制が整ったことで幅広い商品展開が可能となった。今後は新たな市場を開拓し、多品種少量のニーズにも応えていきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。