ものづくり補助金平成26年度製造業島根県

機能性と高品位の表面性状とを兼ね備えた厚膜無電解ニッケルめっき技術の開発

株式会社アサヒサーテクノ

成果量産性 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 従来のめっきタンクでは一度に処理できる量が少なく、量産性に限界があった。
  • 従来より約4倍大きいめっきタンクを導入し、一つの物体に対し性質の違うめっきを最大3層施せる設備を整えた。
  • 量産性 1倍→3倍。大型タンクの導入によりめっき液が安定し、品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アサヒサーテクノ
所在地島根県 出雲市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数24人
資本金1,400万円
設立1986年

事業の背景

株式会社アサヒサーテクノは約30年前から「無電解ニッケルめっき」に特化して事業を展開し、品質とコスト管理にこだわってきた。国内の同業者の多くは歴史が古く安価な「電気めっき」を行っているが、同社は素材の形状に関係なく均一な厚みの被膜を得られる「無電解めっき」を全国でも先駆的に手掛け、県内外のメーカーから信頼を受けている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のめっきタンクでは一度に処理できる量が少なく、量産性に限界があった。
  • 品質・精度硬度と耐食性は両立しにくく、性質の異なるめっきを組み合わせる必要があったが、設備が対応できていなかった。
  • 新製品・新技術機能を保ったまま軽量化するため、めっき厚をできるだけ薄くする必要があった。

やったこと

従来より約4倍大きいめっきタンクを導入し、一つの物体に対し性質の違うめっきを最大3層施せる設備を整えた。タンクを大型化しためっき液の安定により品質が向上した。設備には、めっきの前処理タンク、めっきタンク、最終仕上げ・純水用タンク、めっき液移し替えタンク、硝酸タンク、めっき剥離タンク、反応ガス吸引用ダクト、めっきタンクの付属設備、純水用付属設備が含まれる。無電解ニッケルめっきの多層化めっき設備を開発し、機能を確保しつつめっき厚を可能な限り薄くすることを目指した。

  • 加工機大型めっきタンクめっきの前処理タンク最終仕上げ・純水用タンクめっき液移し替えタンク硝酸タンクめっき剥離タンク反応ガス吸引用ダクトめっきタンクの付属設備純水用付属設備

新しい製品・サービス:無電解ニッケルめっきの多層化めっき設備(機能性と高品質を兼ね備えた厚膜無電解ニッケルめっき技術)

事業の効果

  • 量産性 1倍→3倍
  • コストも10〜15%程度削減できた

大型タンクの導入によりめっき液が安定し、品質が向上した。量産性は3倍程度に上がり、コストも10〜15%程度削減できた。大手自転車部品メーカーから大口の受注が決まり、ヨーロッパやアメリカに出荷される。自動車部品メーカーからも新たな受注の話がある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    「無電解ニッケルめっき」に約30年特化し品質とコスト管理にこだわってきたとあり、一貫性はうかがえるが経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内外メーカーから信頼を受け、大手自転車部品メーカーからの受注が決まったとあるが、市場動向と自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    量産性を3倍程度に上げコストを10〜15%削減したと課題解決の結果が書かれるが、事業計画の内容や付加価値向上の見込みは読み取れない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化の数値目標や賃上げ目標は書かれていない。量産性3倍やコスト削減の実績のみ。

  • 事業を進める体制2

    作業員の技術力アップに一層力を入れるとあるが、体制や人材、事務処理能力の具体的な記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐食性・硬度を両立する多層無電解ニッケルめっきで、欧州の高級自転車部品に採用され薄くて性能のある技術が評価されたとある。

  • 事業化までの道筋2

    今後はPRの推進と作業員の技術力向上に取り組むとあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    無電解ニッケルめっきは普及度がまだ低いとされ、同社は同分野で特化し多層化により高付加価値の高級自転車部品に対応している。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    県内の製造業への波及は示唆されるが、雇用創出や川上・川下への経済波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    設備投資によりコストを10〜15%削減し量産性を3倍程度に上げたとあり、費用対効果の一端はうかがえるが投資額は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    島根県出雲市の本社から県内外へ展開し、地域の製造業から信頼を得ているとあるが、地域経済の牽引効果の記述は薄い。

今後の展望

無電解ニッケルめっきの特性が評価され広まりつつあるが、まだ対応できる事業者は少ない。今後はPRを推し進めるとともに、作業員の技術力アップに一層力を入れる。

事業者の声

たとえばリンの含有率が少ないほど硬度は高くなるが、耐食性は悪くなる。硬さと耐食性の両方を得るために、違う種類のめっきを複層で行いたかった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。