ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

培ったワザと最新技術の融合で、一層の刃物研磨オンリーワン企業を目指す

有限会社 吉田研磨工業

成果チップソー研磨工程数 4工程→1工程

この事例のポイント

  • 素材技術の進展・多様化により刃物の交換・メンテナンス頻度が増加し、同業社の閉鎖による新規受注も増えたが、現有設備では全てに対応しきれず受注機会の損失が生じている。
  • 顧客要求を満たす品質基準の達成、加工時間の大幅短縮、消耗品・消費電力の省力設計、操作の簡便性の4点を考慮し、高性能加工機「全自動研磨機GX-70S」と「自動チップソー研磨機CHC…
  • チップソー研磨工程数 4工程→1工程。高性能加工機の導入により、加工時間とリードタイムが大幅に短縮され、受注機会の損失解消が見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 吉田研磨工業
所在地岩手県 盛岡市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,表面処理,立体造形
従業員数6人
資本金300万円
設立1996年

事業の背景

当社は個人事業として創業し47年を迎える刃物類の研磨事業者である。近年、一般刃物類の低価格化と使い捨て化によって同業界は厳しい状況に置かれている。岩手県内に同業他社はおらず、北東北でも数社存在する程度で、希少企業としての優位性を得てきた。その中で、職人による刃物研磨の技術と工作機械の刃の研磨・メンテナンスなどの法人需要を取り込むことで企業価値を高めてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑素材技術の進展・多様化により刃物の交換・メンテナンス頻度が増加し、同業社の閉鎖による新規受注も増えたが、現有設備では全てに対応しきれず受注機会の損失が生じている。
  • コスト・採算粗加工程度までしか外注できず完成品まで委託しているものもあるため、外注費が増加している。

やったこと

顧客要求を満たす品質基準の達成、加工時間の大幅短縮、消耗品・消費電力の省力設計、操作の簡便性の4点を考慮し、高性能加工機「全自動研磨機GX-70S」と「自動チップソー研磨機CHC840型」の2機種を導入した。CHC840型は従来のチップソー研磨4工程を1工程で処理でき、4軸CNC制御により研磨時間と部品交換の時間を大幅に短縮し、大型刃は鋸外径840mmまで研磨可能である。GX-70Sは粗研磨と仕上研磨を部品取替えなしで行え、1台で粗削りと超硬部研磨の両方が可能で、マグネットセッティング方式により水平・垂直の合わせ作業の精度が向上した。大型刃や複雑形状の刃の加工が内製化され、受注主流の鋸外径710mmの場合、これまで1カ月要していたリードタイムが1週間以内の納品になり、コスト削減も実現した。熟練工のノウハウはメモリー機能により設定記憶・再現でき、若手でも操作できるようになった。

加工機全自動研磨機GX-70S
加工機自動チップソー研磨機CHC840型

事業の効果

  • チップソー研磨工程数 4工程→1工程
  • 既存加工機より加工部品の取付時間、取替時間の双方が削減され、最大40分短縮
  • 粗研磨と仕上研磨を部品取替えなしで行えるため、既存加工機より最大92分短縮
  • 鋸外径710mm刃のリードタイム 1週→1週

高性能加工機の導入により、加工時間とリードタイムが大幅に短縮され、受注機会の損失解消が見込まれる。大型刃や複雑形状の刃の加工が内製化されて外注費が減り、コスト削減も実現した。熟練工のノウハウを機械に記憶させて再現できるため、若手でも高度な技術を継承できる体制ができた。生産性向上により売上増と雇用ニーズへの対応が期待され、地域の雇用活性化につなげていく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業47年の刃物研磨事業と職人技の蓄積が述べられ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内唯一・東北唯一導入など希少性と、同業閉鎖による新規受注増、低価格化の外部環境が具体的に記載されている。

  • 課題の認識と解決4

    受注機会損失や外注費増加の課題を挙げ、高性能加工機導入で内製化し加工時間を大幅短縮する解決策が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    鋸外径710㎜の納期が1カ月から1週間以内に、段取り時間が最大92分短縮と具体的な数値目標と効果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員6名であることと熟練工の存在がうかがえるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記載は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客需要や引き合いの多いサイズへの対応、選ばれる理由として希少性と短納期が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    新規顧客獲得に向けた展示会やマッチングイベント参加、トップセールスといった取組が示されるが、スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    同業他社が少ない希少分野で、高性能加工機により大型刃や複雑形状の高付加価値加工を内製化している点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域雇用の受け皿や地元の雇用活性化、産業の活性化への貢献が述べられるが、波及効果の定量的根拠は薄い。

  • 費用対効果3

    外注費削減や生産性向上が述べられるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    操作パネルやメモリー機能による技術継承は述べられるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    高性能加工機による製造の高度化がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はほぼない。

  • 地域経済への波及4

    岩手県内唯一・北東北でも希少な刃物研磨を地域で担い、地域雇用の受け皿と地元産業活性化を掲げている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産性向上にともない生産プロセスの改善が進み、新規顧客群の獲得が期待される。岩手県や宮城県で行われる取引斡旋系の公的イベントや金融機関主催のマッチングイベントにも積極的に参加し、トップセールスによる営業を展開して新規顧客の獲得に注力する。

事業者の声

「地域雇用の受け皿」の機能強化につなげ、地元の雇用活性化、産業の活性化に貢献していく。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。