ものづくり補助金平成28年度製造業岐阜県

成形機大型部品(スクリュー)の研磨工程を内製化によるリードタイムの短縮及び精度・品質の向上

株式会社渡辺製作所

成果3mの製品の研磨日数 9日→1日

この事例のポイント

  • 樹脂成形機の大型化に伴い大径・長尺のスクリューの需要が増えているが、外径研磨工程は外注に依存しており、ユーザーが求める納期に対応しにくい。
  • 新たに建設した第2総合加工センターに複合機やNC旋盤を移設して第2工場を研磨工場とし、そこへ大型研磨機を導入した。
  • 3mの製品の研磨日数 9日→1日。大型研磨機の導入により、外注していた大径スクリューの外径研磨を内製化した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社渡辺製作所
所在地岐阜県 各務原市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数60人
資本金1,000万円
設立2012年

事業の背景

射出成形機や押出機のスクリュー、シリンダーの加工を主力とし、樹脂成形機用スクリューは国内トップクラスを誇る。環境対応へのニーズの高まりから低環境負荷材料の導入が求められ、ガラスやセラミック、炭素繊維を混ぜた樹脂では腐食・磨耗が早くなりスクリュー交換の頻度が高くなっている。情報家電、航空機、自動車分野でもスクリューの大型化が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力樹脂成形機の大型化に伴い大径・長尺のスクリューの需要が増えているが、外径研磨工程は外注に依存しており、ユーザーが求める納期に対応しにくい。
  • 品質・精度客先からスクリュー外径の振れ精度を0.05㎜以内とすることが求められているが、大径スクリューの研磨は外注に出しており、精度は±0.05㎜だった。
  • 納期・工程3mの製品が県外の業者から研磨を終えて搬入されるまで9日かかっており、高品質・短納期・低価格での納入が必要になっている。

やったこと

新たに建設した第2総合加工センターに複合機やNC旋盤を移設して第2工場を研磨工場とし、そこへ大型研磨機を導入した。まず材質の違いによる研磨条件のシミュレーションを実施し、研磨状態が良好で研磨時間が短くなる条件を探った。2種類の材質(生材・焼入れ材)で研磨テストを行い、1mの生材3本と焼入れ材3本の合計6本を研磨して研磨精度と研磨日数を測定した。その結果、段取りを含め2日で完了し、目標値に対する精度はすべて±0.03㎜以内に収まった。研磨機の導入で作業者1人が付きっきりになる必要がなくなり、他の工程へ移ることができるようになった。

加工機大型研磨機

事業の効果

  • 3mの製品の研磨日数 9日→1日
  • 1mの生材3本、焼入れ材3本の合計6m分の研磨を段取りを含め2日で完了した。
  • 外径研磨の精度 0.05㎜→0.03㎜

大型研磨機の導入により、外注していた大径スクリューの外径研磨を内製化した。3mの製品の研磨は9日から1日に短縮され、3mを超える製品も1日で完了できることが分かった。研磨条件を数値化して熟練作業者の勘や経験に頼らず標準化でき、品質を一定に保てるようになった。研磨の自動化により作業者を他の工程に回せ、作業効率も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    外注頼みの研磨を内製化する方向性は読み取れるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは明確に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内トップクラスのシェアや特殊製法による低コスト化・短納期の強みに触れ、外注依存という弱みへの対応が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    外注研磨で9日かかっていた納期が2日へ短縮された具体数値があり、課題の認識と解決の方向性が読み取れる。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    研磨精度は±0.05㎜から±0.03㎜以内へ、3mの研磨は9日から1日へという目標と実績の数値が示され、実現性がうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    研磨作業の検証や従業員60人規模の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユーザーの樹脂の性質や用途に合わせた専用スクリューへの要求と、客先要求の振れ精度0.05㎜以内という根拠が読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    研磨条件のシミュレーション、サンプル検証、他工程への組み込みという段階的な遂行方法と検証結果が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大径・長尺スクリューの高精度研磨という分野の特徴は書かれるが、普及度や認知度の水準は明示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    環境対応ニーズや異素材混入によるメンテナンス増加に触れるものの、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    リードタイム短縮や作業効率向上の効果は数値で示されるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    熟練者の勘を数値化して研磨機に活用する点はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    樹脂成形や軽量化素材など成長分野への関連はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する旨は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はメンテナンスを含め、短納期で品質の良い成形機部品の対応などのトータルサービスを提供し、大型スクリュー製造のトップメーカーを目指す。グローバル展開も進め、各現地拠点の部品センターに在庫を持つ体制を確立していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。