ものづくり補助金平成26年度製造業島根県

NCルータ導入による生産性の向上と革新的デザインの木製品の開発

有限会社落合建具店

成果加工時間 1倍→0.2倍

この事例のポイント

  • 木製建具や家具の加工は手作業のため時間がかかり、コストが高くなるのが難点だった。
  • コンピューターで数値制御できる木工加工機「NCルータ」(シンクスNCルーターガントリータイプ)を、雲南地域の同業種内で初めて導入した。
  • 加工時間 1倍→0.2倍。NCルータの導入で加工時間が大幅に短くなり、短時間で高精度に複数の工程をまとめて行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社落合建具店
所在地島根県 雲南市
業種家具・装備品製造業
技術分野デザイン,立体造形
資本金500万円
設立2005年

事業の背景

有限会社落合建具店は約40年間、木製建具を作り続けてきた。しかし人口減少や価値観の変化で新築住宅の需要が低下し、鉄やアルミ、樹脂の金属製建具の増加や若者を中心とした和室離れの影響で、木製建具のシェアは大きく下がった。そこで数年前から技術力を生かしたオーダーメイド家具の製作にも力を入れ始め、注文家具はファンも増え始めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算木製建具や家具の加工は手作業のため時間がかかり、コストが高くなるのが難点だった。
  • 生産能力扉の金具取り付けでは、加工する面ごとに機械を使い分け、穴のサイズごとにキリを付け替える必要があり、製品を機械から機械へ運ぶのにも時間がかかっていた。
  • 販路・情報発信新築住宅の需要が低下し、金属製建具の増加や若者の和室離れもあって、伝統的な木製建具のシェアが大きく下がっていた。

やったこと

コンピューターで数値制御できる木工加工機「NCルータ」(シンクスNCルーターガントリータイプ)を、雲南地域の同業種内で初めて導入した。専用ソフトに厚み、高さ、長さ、角度などの数値をあらかじめ入力して機械を作動させると、デザイン通りの加工ができる。これにより、キリの取り換えや機械の移動が不要になり、短時間かつ高精度でいくつもの工程を一度に行えるようになった。文字加工や曲線加工などデザイン性の強い加工も従来より行いやすくなった。

  • 加工機シンクスNCルーターガントリータイプ

新しい製品・サービス:デザイン性の高いオーダーメイド家具や木製品

事業の効果

  • 加工時間 1倍→0.2倍

NCルータの導入で加工時間が大幅に短くなり、短時間で高精度に複数の工程をまとめて行えるようになった。キリ交換や機械移動が不要になったことで、文字加工や曲線加工などデザイン性の高い製品も作りやすくなった。残業時間が減り、若手社員が勉強する時間も確保できるようになった。同業他社からの注文や新たな取引先が増え、同業種からの加工受け入れによる協業化の道筋もついた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    約40年間木製建具を作り続けてきたことや、数年前からオーダーメイド家具に力を入れ始めたことが書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    新築需要の低下や金属製建具の増加、和室離れで木製建具のシェアが下がった外部環境と、技術力を生かしたオーダーメイドの強みが対比して書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で時間とコストがかかることを課題とし、NCルータ導入で加工時間が約5分の1になったと書かれ、高付加価値化につなげている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工時間が約5分の1になったという数字はあるが、高付加価値創出や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    技術が未熟な若手でも扱えることや、残業時間が減り若手の勉強時間が確保できたことが書かれ、体制面の一端が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    オーダーメイド家具の顧客ニーズやファンの増加、デザイン性の高い加工が可能になった点が書かれ、選ばれる理由がうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    県外や海外への発信という今後の方向性は書かれているが、遂行方法やスケジュールは具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    手作業中心の木製建具を、NCルータで高精度・デザイン性の高い加工に広げ、既製品の価格競争を避けた高付加価値化の方向が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    同業他社との協業化の道筋がついたことや同業種内の初導入が書かれ、地域の雇用や波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    加工時間が約5分の1になったという効果は書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    コンピューター制御の数値加工を導入したことは読み取れるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    島根県雲南市の木製建具業として、技術を生かした高付加価値製品の販路拡大を目指す姿勢が書かれている。

今後の展望

知名度を高め、県外や海外にも発信していく考えである。

事業者の声

既製品では価格競争で必ず負けてしまう。しかし技術や知恵、デザインが生かされるオーダーメイドの世界では、うちのような小さな店でも光がある。今後は知名度を高め、県外や海外にも発信していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。