ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

水素センサーを利用した、高機能ガス軟窒化制御技術の確立

福山熱煉工業 株式会社

成果ガス量の削減に伴い熱の放出が減り、炉本体・分解炉等の電気量が削減できた(数値の記載なし)

この事例のポイント

  • 従来のガス軟窒化では窒化の度合いを測定する適切なセンサーがなく、炉中の状況による品質のばらつきが生じていた。
  • 水素センサーを使用した高度なガス軟窒化制御システムを導入し、メーカーからの技術指導や技術意見交換を経て体制を確立した。
  • ガス量の削減に伴い熱の放出が減り、炉本体・分解炉等の電気量が削減できた(数値の記載なし)。テストピースによるテストで、品質のばらつきの抑制、ポーラス層の抑制、白層の制御、ガス量の削減の各目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名福山熱煉工業 株式会社
所在地広島県 福山市
業種金属製品製造業
技術分野複合・新機能材料
従業員数327人
資本金1,000万円
設立1969年

事業の背景

当社はガス軟窒化を行う炉を3基保有し、30年以上にわたり加工処理を続けてきた。炉の更新時期にあたり、高機能かつ省エネな水素センサーを利用したガス軟窒化雰囲気制御システムの導入を検討していた。このシステムは関東や関西を中心に全国で70件ほど採用されていたが、中国四国地方での採用は1件にとどまっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来のガス軟窒化では窒化の度合いを測定する適切なセンサーがなく、炉中の状況による品質のばらつきが生じていた。
  • 品質・精度処理中に脆弱な白層やポーラス層が発生し、その制御ができなかった。
  • コスト・採算使用ガス量が無駄に消費されていた。

やったこと

水素センサーを使用した高度なガス軟窒化制御システムを導入し、メーカーからの技術指導や技術意見交換を経て体制を確立した。新制御システムの有効性を示すためテストピースで数度のテストを繰り返し行った。テストピースでの基本テスト結果をもとに、実際の製品(フライホイル)を使用して課題解決に向けた実験を繰り返し行った。

加工機水素センサーを利用したガス軟窒化雰囲気制御システム
加工機AX発生装置

新しい製品・サービス:水素センサーを利用した高機能ガス軟窒化制御技術

事業の効果

  • ガス量の削減に伴い熱の放出が減り、炉本体・分解炉等の電気量が削減できた(数値の記載なし)

テストピースによるテストで、品質のばらつきの抑制、ポーラス層の抑制、白層の制御、ガス量の削減の各目標を達成した。実際の製品テストではいくらかの課題は残ったが良好な結果が得られた。ガス量の削減により炉本体や分解炉等の電気量が減り、環境負荷と処理コストの低減につながった。処理ガス・雰囲気・温度が連続記録されるため異常判別がつきやすくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    30年以上のガス軟窒化加工の継続と炉更新時期を機に導入したとあり、既存事業との関連は読み取れるが経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外製品と差別化した高付加価値提供や中国四国地方で採用が1件のみという状況が書かれ、強み・外部環境の一端がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    品質のばらつき、白層・ポーラス層、ガス量の過剰消費という課題を挙げ、先端分野への受注拡大という方向性が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    4項目の目標を掲げ、テストで達成したとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    メーカーの指導を仰ぎ体制を確立したとあるが、人材や事務処理能力の具体的な記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    地場加工メーカーや先端分野(スマートフォン金型、航空機、医療器)へのニーズは書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    テストピースでの基本テストから実製品(フライホイル)での実験へ段階的に進めた手順が示され、課題も残ったと明記されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    中国四国地方では採用が1件にとどまる一方、全国で約70件採用という普及状況が示され、地域での新規性がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地場加工メーカーとのタイアップや幅広い受注への期待が述べられるが、波及効果の定量的説明はない。

  • 費用対効果3

    ガス量削減により電気量や処理コストが削減できたと書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    水素センサーによる連続記録で異常判別や処理内容の記録が可能になったとあり、デジタル技術活用の効果がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高度な部品の熱処理への対応という方向性が書かれるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    地場の加工メーカーとの連携や商圏外への展開が書かれ、地域性がわずかにうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後ニーズが高まる高度な部品の熱処理を新設備・新技術で実現し、地場の加工メーカーとタイアップして幅広い受注につなげたいと考えている。高付加価値が実現すれば、中国地区以外のエリアにも商圏を広げられると見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。