ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業広島県

産業用基板工程へのポイント半田付装置導入による超短納期対応

株式会社 栄工社

成果手付半田作業の減少により基板製作時間が50%削減される見込み

この事例のポイント

  • 手付半田作業工程に多くの時間を要し、全工程のボトルネックとなって生産高の上限になっている。
  • ポイント半田付装置、N2発生装置、ドライヤ等を導入し、新たなラインを構築した。
  • 手付半田作業の減少により基板製作時間が50%削減される見込み。熟練者に依存していた半田付け作業を装置に置き換えたことで、緊急の依頼にも対応できる幅が広がり、ボトルネックが解消して受…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 栄工社
所在地広島県 福山市
業種機械器具卸売業
技術分野接合・実装
従業員数260人
資本金9,800万円
設立1948年

事業の背景

産業用基板の量産品は既に海外生産が主流となり、国内生産の基板の多くは変種変量少量機種のみになっている。こうした基板はコネクタ部品など後付け部品が多く、半田槽による半田作業ができないため、手付半田作業に多くの時間がかかる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程手付半田作業工程に多くの時間を要し、全工程のボトルネックとなって生産高の上限になっている。
  • 人手・技能手付半田作業は品質確保のため熟練作業者だけが担当しており、熟練者の勤務時間によって納期が左右される。
  • 品質・精度手付半田作業は熟練の差によって品質が安定せず、作業不良も発生している。

やったこと

ポイント半田付装置、N2発生装置、ドライヤ等を導入し、新たなラインを構築した。基板ごとにポイント半田付装置のティーチング作業を実施し、動作モード・高さ・余熱・噴流・開始待ち・パスラインなどの設定を行い、試作を実施した。試作では動作は正常で仕上げ品質も問題なかった。再確認した特長は、ノズルの位置決め精度が高く精度の高い半田付けができること、N2ガスのパージで高品質の半田付けができること、短時間でティーチングが行えることである。

加工機ポイント半田付装置
その他N2発生装置
その他ドライヤ

事業の効果

  • 手付半田作業の減少により基板製作時間が50%削減される見込み
  • 生産能力 1倍→1.4倍
  • 手付半田作業の多い基板に装置を優先的に使うことで不良は70%削減できる見込み
  • 最短納期対応力が1日短縮できる見込み

熟練者に依存していた半田付け作業を装置に置き換えたことで、緊急の依頼にも対応できる幅が広がり、ボトルネックが解消して受注増に応えられる体制ができた。新人パートでも作業が行えるため、教育期間の短期化と採用の幅の拡大も見込まれる。品質も装置により安定し、社内検査で成果が確認できた。基板製作時間の50%削減、生産能力1.4倍、不良70%削減、最短納期1日短縮が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業70周年の企業で制御システム開発・生産を行うと書かれるが、本事業との関係や過去の取組の連続性は読み取れません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    少量多品種・変種変量の国内生産が主流で、熟練作業者への依存が強みと弱みの両方になっていることが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手付半田作業が全工程中で最も時間を要し全体の生産高の上限になっていると課題を明示し、装置導入で解消する計画が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    基板製作時間50%削減、生産能力1.4倍、手付半田の不良70%削減、最短納期1日短縮と数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    熟練のパート社員や新人パートの活用に触れるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力は具体的に書かれていません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    少量多品種・短納期の受注ニーズに対し、短納期・品質安定で選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    新しい基板から随時ティーチングし稼働率を上げる今後の方針はあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    産業用基板の変種変量少量生産で、手付半田を高品質化する点は読み取れるが、市場での希少性や高価格化の根拠は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果4

    作業時間50%削減や不良70%削減、生産能力1.4倍など、投入に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    N2パージや位置決め精度など先端的な装置の活用は書かれるが、サプライチェーン全体への波及は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    少量多品種化・人手不足への対応に触れるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    広島県福山市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かして雇用や地域成長を牽引する記述は読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は生産転用を行い、新しい基板から随時ティーチングを行って稼働率を上げていく。人手不足にも一部対応でき、自動化により一人当たりの生産性も向上する見込み。今後も進む少量多品種化・短納期化に応えられる体制が強化された。自社の設計から生産まで請け負う強みを生かし、より多くの受注を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

スライド式ホルダーを採用した床排水トラップの開発

製品形状を円形から正方形に変更し、一軸方向へのスライドで着脱できるスライド構造の床排水トラップ「スライドロック」を開発した。

効果:洗濯機の排水ホース内に残ってしまう排水量を大幅に少なくすることができた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。