ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

フライケーキの専用製造工程の確立と新形態での販売による新規顧客獲得と商圏拡大を行う

矢野食品 株式会社

成果製造ロス率 5%→0.5%

この事例のポイント

  • フライケーキを包あん成形機や包装機械を他製品と共有して使っていたため、成形は1週間分をまとめて行い、冷凍・保管・解凍の工程が必要だった。
  • フライケーキの製造ラインを専用化するため、包あん成形機と自動包装機を導入した。
  • 製造ロス率 5%→0.5%。冷凍・保管・解凍の工程がなくなったことで、製造コストがフライケーキ1個当たり5円削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名矢野食品 株式会社
所在地広島県 広島市
業種食料品製造業
従業員数90人
資本金1,000万円
設立1948年

事業の背景

矢野食品株式会社は昭和23年設立の和菓子製造卸・直営販売の会社で、従業員は90名、資本金は1,000万円である。主力のフライケーキは広島の名物として県内では認知度が高かったが、県外では認知度が低かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力フライケーキを包あん成形機や包装機械を他製品と共有して使っていたため、成形は1週間分をまとめて行い、冷凍・保管・解凍の工程が必要だった。
  • 品質・精度成形日と成形日以外に解凍して製造・出荷した製品では品質にムラが出ていた。
  • コスト・採算冷凍・保管・解凍などの工程により、保管、人手、冷凍・解凍コストなど製造原価が余分にかかっていた。

やったこと

フライケーキの製造ラインを専用化するため、包あん成形機と自動包装機を導入した。包あん成形機は上部の材料投入口から生地とあんを入れると、内部にあんを包み込んで製品を成形する機械で、フライケーキやおはぎ、わらび餅などほとんどの製品で使用する。自動包装機はフィルムをセットすると製品を自動で包装する機械である。これにより専用製造ラインを確立し、冷凍・保管・解凍の工程をなくした。個包装にも対応できるようになり、箱詰めの化粧箱などでお土産物として販売する体制を整えた。

加工機包あん成形機
加工機自動包装機

新しい製品・サービス:フライケーキの個包装および化粧箱入りの商品。広島のもみじまんじゅうに次ぐ新たなお土産物として販売する。

事業の効果

  • 製造ロス率 5%→0.5%
  • フライケーキ1個当たり5円の削減が可能になった
  • 1日当たりの製造能力は9,600個となった

冷凍・保管・解凍の工程がなくなったことで、製造コストがフライケーキ1個当たり5円削減できた。冷凍工程がないため揚げムラや形不良がほとんど見られなくなり、製造ロスは以前の5〜10%から0.5%程度まで減った。冷凍保管がないため味の劣化がないことも確認できた。1日当たりの製造能力は9,600個となり、個包装による旅行者やギフト向けの販売が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    社名の下の事業紹介で和菓子製造卸と直営販売が書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    広島名物のもみじまんじゅうに次ぐ新たなお土産物を狙うと書かれ、外部環境への意識はうかがえるが、強み・弱みの分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    冷凍・保管・解凍の工程を無くしコストを削減し、製造ロスを5〜10%から0.5%へ減らすという課題と対策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造ロスの5〜10%から0.5%への削減、製造コスト1個5円削減、1日最大製造数量9,600個など数字つきの目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員90名と書かれるのみで、補助事業を遂行する体制や人材の具体的な配置は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    新規顧客層への展開、個包装や化粧箱での土産物販売、旅行者やギフト需要への対応など、ターゲットと販売方法が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    専用ラインの確立と今後の小規模店舗出店など段階的な展開が書かれるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    フライケーキは広島では幅広く愛される一方、県外では認知度が低いと書かれ、新市場開拓の意図は読めるが、高付加価値化の程度は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    広島名物としての定着を目指すとあり地域性はうかがえるが、経済波及や雇用創出の具体的な数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    製造コスト1個5円削減、ロス率の削減、製造能力の向上など、設備投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    包あん成形機と自動包装機の導入による自動化はうかがえるが、先端的デジタル技術や新しいビジネスモデルの記載は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    広島の名物としての定着や宮島・駅内への出店計画が書かれ、地域の特性を活かす姿勢は読み取れるが、雇用創出の記載はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

フライケーキの認知度が高まれば他社の参入により市場が広がると考えている。県外を対象に他地域での認知度を上げ販売を増やしたい。宮島や駅内に3坪以内のフライケーキ専用の小規模店舗を出店し、揚げたてを店頭で販売する計画である。

事業者の声

自動包装機導入以前は個包装を行っていなかったが、本補助金を活用し設備を導入することで個包装にも対応できるようになった。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。