ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

コスト削減の為の生地端両耳自動カット装置付自動延反機開発へ

丸繊 株式会社

成果生産量 1倍→1.25倍

この事例のポイント

  • 生地の裁断を外部委託しており、コストと納期の面で負担があった。
  • 自動裁断前に必要な生地の両耳カットは、実用的な機械がなく殆どが手切りだった。
  • 生産量 1倍→1.25倍。国内で裁断・仕上げ・納品を一貫生産できる体制を構築した。

事業者のプロフィール

事業者名丸繊 株式会社
所在地広島県 東広島市
業種繊維工業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数71人
資本金1,000万円
設立1981年

事業の背景

弊社は裁断設備を持たず、生地の裁断を外部委託していた。委託先では手切り作業が行われていたが、熟練技術が必要で、労働災害のリスクもあった。外注裁断の高齢化と後継者不足による廃業が相次ぎ、納期と品質の問題が生じていた。弊社の主力はハイミセス向けボトム(ズボン)の縫製である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算生地の裁断を外部委託しており、コストと納期の面で負担があった。
  • 人手・技能委託先の手切り裁断は熟練技術を要し、高齢化と後継者不足により委託先の変更を余儀なくされていた。
  • 品質・精度委託先の変更により納期と品質の問題も生じていた。
  • 人手・技能手切り作業には指の切断事故などの労働災害の発生リスクがあった。

やったこと

自動裁断前に必要な生地の両耳カットは、実用的な機械がなく殆どが手切りだった。株式会社HIVECが延反後にカットする実用的な構造(特許出願中)を考案し、生地が1〜2cm積層されたところでカッターが前後に動いて耳を切る方式を設計した。延反機と裁断機の専門メーカーである株式会社川上製作所を開発プロジェクトに加え、三社の協力により国内初となる両耳自動カット装置付き自動延反機の開発に成功した。これにより、外注していた裁断を自社工場で内製化し、裁断・仕上げ・納品までの一貫生産体制を構築した。

加工機両耳自動カット装置付き自動延反機
加工機自動裁断機

新しい製品・サービス:両耳自動カット装置付き自動延反機

事業の効果

  • 生産量 1倍→1.25倍

国内で裁断・仕上げ・納品を一貫生産できる体制を構築した。生産量は現行の1.5倍を目標に、1.25倍(目標比83%)を達成した。生産キャパシティ、生産設備、縫製製品アイテム、加工納期のすべてで同業他社に対する優位性の確保につながったと考えている。短納期とコスト低減を図りつつ高品質を維持した国内製造拠点としての存在感が強みを強化した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    ハイミセス向けボトムの縫製を長年手がけ、外注裁断を内製化して一貫生産へ移した点が過去の事業と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    同業他社比較で生産キャパシティや納期などに優位性を確保できたとあるが、比較の数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    外注先の高齢化と廃業による納期・品質の問題を課題として挙げ、年間360万円の削減目標で解決を図っている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    裁断可能枚数10万枚/月の目標に対し、現行の1.5倍の生産量を1.25倍で達成したと数値で示されている。

  • 事業を進める体制3

    延反機と裁断機の専門メーカーとの三社協力で開発したと書かれるが、人員や事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高齢化で拡大するハイミセス向けボトム市場と、多品種少量・短い商品寿命という特徴が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    作業者の慣れにより生産拡大できる見通しとあるが、中長期の遂行方法やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    両耳自動カット装置付き自動延反機は国内初・業界初として導入され、分野内での新規性は高い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    高齢者雇用の拡大と地域貢献を目的に掲げ、重労働や労働災害の抑止にも触れているが、規模は示されていない。

  • 費用対効果3

    年間360万円のコスト削減目標が示されるが、補助金額と費用対効果の比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    特許出願中の延反後カット構造を開発したが、先端的なデジタル技術の活用や業界全体への波及は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    国内製造拠点の強化は述べられるが、構造転換や成長分野への進出との関係は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    東広島市の企業として地域貢献に触れているが、地域特性を活かした付加価値創出としての記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は作業者が慣れることでさらなる生産拡大の見通しである。ハイミセス向けボトムの国内市場は高齢化に伴い拡大しているが、多品種少量生産で流行や気候に左右されやすい。既存の大手量販店・百貨店との取引を継続し、受注拡大に安定して対応する体制を整備した。メンズ製品など新たなオファーにも柔軟に対応したいと考えている。

  • 目標:裁断可能枚数を10万枚/月(現状外注の1.5倍)とする目標
  • 目標:コストの削減(年間360万円)の目標

事業者の声

このような企業様からのご連絡をお待ちしています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。