ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

地域食材を生かすビン詰め加工品の製造設備導入による高付加価値商品の販売

株式会社 丸福食品

成果既存設備で120℃4分と同等の加熱を行い無菌状態に加工することが可能となった

この事例のポイント

  • パウチ製品では実現できていたが、販売事業者から要望の多いビン詰め製品では、熱伝導の技術的な課題を解決できていなかった。
  • ビン加工装置を用いて熱伝導の課題が解消できることを確認し、パウチより付加価値の高いビン詰め商品の事業化に取り組んだ。
  • 既存設備で120℃4分と同等の加熱を行い無菌状態に加工することが可能となった。公的機関等の協力のもと熱処理データを研究・記録し、多数の実験を重ねて独自のノウハウを蓄積できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 丸福食品
所在地広島県 広島市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数13人
資本金2,100万円
設立1970年

事業の背景

弊社は数十年にわたり加圧加熱殺菌処理(100℃以上)を用いた無菌処理加工製品を製造してきた。パウチ製品では保存料を使わない無添加商品の評価が高い。一方、販売事業者からはビン詰めの製造依頼が多く寄せられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力パウチ製品では実現できていたが、販売事業者から要望の多いビン詰め製品では、熱伝導の技術的な課題を解決できていなかった。
  • 新製品・新技術既存のビン詰め加工品では実現できなかった、無添加の食材を用いて加圧加熱殺菌を行うビン詰め加工方法を確立する必要があった。

やったこと

ビン加工装置を用いて熱伝導の課題が解消できることを確認し、パウチより付加価値の高いビン詰め商品の事業化に取り組んだ。真空包装の工程では、新設備によるキャッピング処理を施し、機械で安定して完全に密閉できる「ビン真空処理」を確立した。加圧加熱殺菌処理では、既存設備を使って120℃4分と同等の加熱を行い、無菌状態に加工できるようにした。瓶詰め専用の新たな製造ラインは設けず、既存設備を利用する製造方法とした。

加工機ビン加工装置
加工機ビン詰め加工の新設備(キャッピング機)

新しい製品・サービス:地域食材を使い、減塩・保存料無添加のビン詰め加工品。

事業の効果

  • 既存設備で120℃4分と同等の加熱を行い無菌状態に加工することが可能となった

公的機関等の協力のもと熱処理データを研究・記録し、多数の実験を重ねて独自のノウハウを蓄積できた。味の良さに注目が集まり取引先が広がり、監修商品の開発など新たな取り組みも始まった。県外からも引き合いが増え販路が開拓され、食品加工メーカーとしての認知度向上に大きく貢献した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    数十年間の加圧加熱殺菌による無菌処理製造の実績とパウチ製品での高評価が書かれ、ビン詰め展開は過去の取組の延長として読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    無添加商品への高い評価や販売事業者からのビン詰め依頼が書かれ、既存設備活用による競争上の強みもうかがえるが、市場規模などの数値はない。

  • 課題の認識と解決3

    熱伝導の技術的課題と解決方法、パウチより付加価値の高いビン詰め商品の事業化が書かれ、課題認識は具体的だが財務的な効果の数値は少ない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値向上や賃上げに関する目標値は書かれておらず、販路拡大や取引先拡大の定性的な記述のみ。

  • 事業を進める体制3

    数十年の無菌処理製造の実績と公的機関との協力による熱処理データの蓄積が書かれ、遂行能力はうかがえるが人員体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは販売事業者とその取引先、無添加・安全安心・地域性という選ばれる理由が明確で、県外からの引き合いという需要の裏付けもある。

  • 事業化までの道筋3

    既存設備を利用する製造方法の確立と熱処理データの蓄積という方法は書かれているが、スケジュールは記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    無添加のビン詰め加工品は従来実現できなかった商品で、地域食材を用いた新しい特産品として高付加価値化を図る方向が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    広島県の特産品づくりと地産地消による地域活性化への貢献が明記され、地域の食材を活かす意義が具体的に書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額と付加価値額の増加や生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果はうかがえるに留まる。

  • イノベーションへの貢献2

    ビン加工装置とキャッピングによる新しい真空処理方法は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    広島県の地域食材を活かした特産品を地産地消で生み出し、地域活性化の役割を果たすことが明記されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

手羽先の加工を出発点に牡蠣製品を中心に発展してきた。熱精度を高めることに軸足を置き、熱処理のナンバーワン企業を目指す。大量生産は目指さず、少量多品種で手間をかけたこだわりの商品で高付加価値化を図る。小ロットでの対応も継続する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。