ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

業界初の業務用豆腐の製造販売について

株式会社 やまみ

成果包装無しと比べて約2倍に長期化、賞味期限は7日程度

この事例のポイント

  • 業務用豆腐は需要に対して供給が不足しており、大口の引き合いがあったが、大掛かりな供給設備がなかったため対応できなかった。
  • 業務用豆腐の開発・製造販売のための新たな製造ラインを新設した。
  • 包装無しと比べて約2倍に長期化、賞味期限は7日程度。大容量の業務用豆腐を省包装で製造販売できるようになり、従来は手作業で開封していた作業時間が大幅に短くなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 やまみ
所在地広島県 三原市
業種食料品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数324人
資本金6.961億円
設立1975年

事業の背景

従来、豆腐を材料とする加工メーカーは一般家庭向けの個包装豆腐を1パックずつ開封・カットして使っていた。複数の業界大手から、一つの容器で大容量かつ省包装で納入できないかという要望があったが、当時は総菜需要が今ほど大きくなく大掛かりな供給設備もなかったため断念していた。その後改めて営業したところ引き合いがあり、競争力の優位性も認められたため業務用参入を決めた。業務用豆腐市場は需要に対して供給が不足しており、コンビニエンスストアや大手スーパーの総菜の品揃えも充実してきている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力業務用豆腐は需要に対して供給が不足しており、大口の引き合いがあったが、大掛かりな供給設備がなかったため対応できなかった。
  • 品質・精度業務用豆腐として練り製品の材料に使うには含水率75%を維持する必要があり、含水率が上がると加工メーカーの製品品質を損ねていた。
  • 新製品・新技術2.5kgの豆腐の塊をある程度崩しながらナイロンバッグに密封する工程が必要だった。

やったこと

業務用豆腐の開発・製造販売のための新たな製造ラインを新設した。豆腐の塊をある程度崩しながらナイロンバッグに密封するパッケージングマシンと、崩した豆腐をパッケージングマシンまで搬送するスクリューポンプ(崩し豆腐搬送装置)を導入した。当社が従来から保有する加熱冷却設備による加熱殺菌技術と組み合わせた。新設ラインで試作した試供品を10社の総菜メーカーにサンプル提供した。

加工機パッケージングマシン(業務用包装機)
その他スクリューポンプ(崩し豆腐搬送装置)

新しい製品・サービス:業務用豆腐(商品名 業務用豆腐 AY、業務用豆腐 BK)

事業の効果

  • 包装無しと比べて約2倍に長期化、賞味期限は7日程度
  • 消費者向け商品を一つずつ開封する場合と比較して作業時間が10分の1ないし8分の1となる

大容量の業務用豆腐を省包装で製造販売できるようになり、従来は手作業で開封していた作業時間が大幅に短くなった。廃棄される包装容器が減り省資源化にもつながった。加熱殺菌により賞味期限が包装無しの約2倍になり、刃物を使わないイージーオープンのため豆腐への異物混入リスクも減った。試供品を提供した10社の総菜メーカーのうち7社から採用内示を得ており、新たな取引先の開拓につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去に断念した大口供給の要望を再度営業で取り上げ、新規事業として位置付けたと書かれているが、既存事業との連続性は具体的に説明されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    業務用豆腐は供給不足で総菜市場が拡大していると述べ、自社のバイオマス設備や殺菌施設などの強みも挙げられていて、市場と経営資源の関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    含水率75%維持などの課題を整理し、賞味期限を約2倍の7日程度に延ばして大容量製品を実現した点が、付加価値向上につながる具体的な計画として読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業時間の短縮や賞味期限の約2倍化は示されているが、付加価値額や賃上げに関する目標数値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員324人や殺菌施設の整備はうかがえるが、本事業の推進体制や担当人材については記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    10社へのサンプル提供で7社から採用内示を得たと数字で示され、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試作、サンプル提供、採用内示までの流れは示されているが、今後のスケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    業務用豆腐は供給不足で、新製品が同分野で高付加価値を狙う点や、大容量で賞味期限を延ばした差別化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    雇用の拡大や地域への社会貢献をうたっているが、波及効果の数値や国が補助する積極的理由までは書かれていない。

  • 費用対効果3

    作業時間を10分の1から8分の1にできるとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    加熱冷却設備やパッケージング設備の導入は書かれているが、先端的なデジタル技術の活用や地域サプライチェーンへの貢献は述べられていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    少子高齢化や総菜需要の高まりに触れており、成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    広島県三原市の自社工場やバイオマス設備を活かした事業とわかるが、地域の経済成長を牽引する根拠の数値は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

少子高齢化や単身世帯の増加により総菜のニーズが非常に高まっており、高タンパク低脂肪の豆腐を使った総菜は今後も伸びると見込んでいる。市場にいち早く業務用豆腐を投入し、『業務用豆腐はやまみ』という企業イメージを確立したいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。