ものづくり補助金平成26年度製造業山口県

芝の成長に優れ大型車が駐車可能な『緑化舗装ブロック』の開発

サンヨー宇部株式会社

この事例のポイント

  • 既存の駐車場用ブロックは大型車への耐久性が証明されていなかった。
  • 製品開発では、素材等の見直しにより大型車荷重に耐える強度と従来品と同様の保水性を確保した。
  • 試験施工の結果、芝の緑化率は65%となり、他社の1.8倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名サンヨー宇部株式会社
所在地山口県 山口市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野デザイン
従業員数74人
資本金5,000万円
設立1948年

事業の背景

当社は昭和23年創業の生コンクリート及びコンクリート関連製品のメーカーで、宇部三菱セメントと厳選された骨材を使用して製造し、山口県内各地や中国、四国、九州地方へ供給している。主要製品の空洞コンクリートブロックは県内トップシェアで生産している。地球温暖化の防止やヒートアイランド現象の緩和のため、平成21年から河川等の法面保護用ブロック「ソルコマット」の新用途として、他社と共同で駐車場を緑化する取組みを進めてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存の駐車場用ブロックは大型車への耐久性が証明されていなかった。
  • 新製品・新技術ブロックの凹凸が小さいため、芝の生育に時間がかかっていた。
  • コスト・採算芝の植え付けに手間がかかり、施工コストが高くなっていた。
  • 品質・精度歩行を前提としていない形状のため、歩行性の改善が必要だった。

やったこと

製品開発では、素材等の見直しにより大型車荷重に耐える強度と従来品と同様の保水性を確保した。くぼみを30mmとして横方向の芝のつながりを促進させ、芝の断裁形状を一定化させた。量産型のブロックを2種類作成し、試験施工で性能を検証した。その結果、大型車(10t)が駐車可能な耐久性の高い形状の製品を開発できた。

新しい製品・サービス:緑化舗装ブロック

事業の効果

試験施工の結果、芝の緑化率は65%となり、他社の1.8倍になった。ブロック施工費の削減と芝貼り作業効率の改善も実現した。大型車(10t)が駐車可能な耐久性の高い製品ができたことで、工場内緑化や都市部の大型物件など新たな市場への普及が可能になった。共同研究先との連携営業により、市役所の工事で採用され、民間工事での納入実績や設計引き合いの増加も出ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存の法面保護ブロックを駐車場向けに改良する取組で、過去の製品開発の延長にあることがうかがえる。経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    都市部の緑化義務や工場立地法の緑地義務に触れ、新たな販売ターゲットを挙げているが、自社の強み・弱みとの関係は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    既存製品の市場は成熟し大幅な需要増は見込めないと認識し、新製品開発で売上拡大を図る方針は示されるが、計画の数値は読み取れない。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    芝の緑化率65%で他社の1.8倍とあるが、売上や付加価値の目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    共同研究先と連携し、試験施工や展示会出展を行っていると読み取れるが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    緑化率65%、大型車10t駐車可能など具体的な製品性能が示され、顧客ターゲットも都市部の設計事務所やゼネコン等と明確である。

  • 事業化までの道筋3

    2種類の量産型を試験施工で検証する方法が示されるが、スケジュールや中長期の課題検証は詳しくない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    緑化舗装ブロックは駐車場向けの新用途で、市場の普及度は低いと推測できるが、明示的な記述は限定的である。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    ヒートアイランド緩和や地球温暖化防止に触れ、工場内緑化など社会的意義が示されるが、波及効果の数値はない。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかにうかがえるのみである。

  • イノベーションへの貢献1

    デジタル技術の活用や新ビジネスモデルについては記載がなく、公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山口県内の地域企業として県内トップシェアの製品を持つ点はうかがえるが、地域の雇用創出や成長への言及は乏しい。

今後の展望

既存製品の市場は成熟しており大幅な需要増は見込めないが、新製品を継続的に開発できれば売上拡大と工場の稼働率向上につながり、安定した収益が期待できる。都市部では一定規模以上の建築物の緑化義務や工場立地法の緑地義務があり、緑化舗装ブロックは緑化面積として算入できるため、都市部の設計事務所やゼネコン、工場を新たな販売先として営業に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。