ものづくり補助金平成26年度製造業徳島県

徳島県産「しらす」の商圏拡大を目指した品質向上のための異物除去ラインの構築

株式会社高橋海産

成果時間当たり生産量が100kgに増加した

この事例のポイント

  • 小エビや子タコなどの異物が「しらす」に混入して残留し、品質を低下させて商品価値を下げていた。
  • 「しらす」製品の品質向上と商圏拡大のため、異物除去を効率的に行い、自動計量・箱詰めができるオリジナルユニットライン設備(選別機・箱詰め計量オリジナルユニットライン)を導入した。
  • 時間当たり生産量が100kgに増加した。異物を傷つけずに除去できるようになり、「しらす」の見た目と品質が向上して商品価値が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社高橋海産
所在地徳島県 小松島市
業種食料品製造業
従業員数11人
資本金1,200万円
設立1987年

事業の背景

「しらす」は水揚げ後すぐに釜茹でされて冷凍保存され、出荷時に解凍・炊き上げを経て箱詰めされる。需要は高まる一方で競争が激しく、品質が問われるようになってきた。付加価値の高い製品として市場に出していかなければ事業の継続・発展は難しいと考えられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度小エビや子タコなどの異物が「しらす」に混入して残留し、品質を低下させて商品価値を下げていた。
  • 人手・技能異物を手作業で取り除くと「しらす」に傷がつくため、手作業での除去ができずにいた。
  • 生産能力箱詰めや計量の作業性が課題で、効率的な異物除去と自動計量・箱詰めができる生産体制が必要だった。

やったこと

「しらす」製品の品質向上と商圏拡大のため、異物除去を効率的に行い、自動計量・箱詰めができるオリジナルユニットライン設備(選別機・箱詰め計量オリジナルユニットライン)を導入した。本設備は極めて小さい異物まで除去できる体制を目指したもので、エアで小エビ等の異物を吸引する方式を採用した。商品を傷つけずに異物除去ができるようになった。LED照射による雑菌の処理体制を築くことも目指したが、開発に時間を要するため引き続き検討とした。試作品は客先の評価も高かった。

加工機選別機・箱詰め計量オリジナルユニットライン

新しい製品・サービス:異物除去後の高品質な「しらす」製品(試作品を含む)

事業の効果

  • 時間当たり生産量が100kgに増加した
  • 販売価格(1Kgあたり) 1倍→1.5倍
  • 取引量 1倍→4倍

異物を傷つけずに除去できるようになり、「しらす」の見た目と品質が向上して商品価値が高まった。エアで吸引する方法により作業者の負担が軽減され、生産性が大きく上がって生産量も予測できるようになった。試作品への客先評価も高く、販売価格と取引量の増加が見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性は書かれていないが、「しらす」の商圏拡大を目指した品質向上という方向性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    競争が激しく品質が問われる市場動向と、異物混入による品質低下という課題は読み取れるが、自社の強み・弱みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    異物除去で時間当たり生産量が100kgに増加し、1kgあたり販売価格が現状の約1.5倍、取引量が約4倍になる見込みと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    時間当たり生産量100kgや販売価格約1.5倍、取引量約4倍という数値目標が示されており、実現可能性の根拠も一部ある。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    異物混入が商品価値を下げていたこと、傷をつけずに除去できる点、客先の評価が高い試作品があることが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    雑菌処理は大学・メーカーと共同研究中で近い将来の実用化をめざすと書かれ、課題の扱いは示されているがスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    しらすの異物除去ラインは一般的な普及度が低そうだが、高水準の高付加価値化を図るとの記述は具体性が薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域の水産物である徳島県産しらすの商圏拡大を掲げており、地域経済への寄与はうかがえるが、波及効果の数字はない。

  • 費用対効果3

    設備投資に対する付加価値増加の数字は示されていないが、販売価格と取引量の増加見込みから費用対効果は一部うかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    オリジナルユニットラインや異物をエアで吸引する方法は記載があるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    徳島県産しらすという地域資源を活かした事業であることは読み取れるが、雇用創出や地域成長の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

LED照射による雑菌処理は大学・LEDメーカー・機械メーカーと共同研究中で、当社設備でテスト予定。近い将来の実用化を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。