ものづくり補助金平成26年度建設業香川県

大玉トマト低段密植水耕栽培による高収量栽培方法の確立

徳寿工業株式会社

成果収量 20t/10a→40t/10a

この事例のポイント

  • 一般的な多段栽培では10a当たり20t程度の収穫量にとどまっていた。
  • 香川県の十川農場(30a)で、トマトの低段密植水耕栽培に対応した設備を導入した。
  • 収量 20t/10a→40t/10a。大玉トマトで従来の2倍となる40t/10a以上の収穫が見込めた。

事業者のプロフィール

事業者名徳寿工業株式会社
所在地香川県 高松市
業種設備工事業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数84人
設立1947年

事業の背景

当社は1947年に創業し、電気・空調・給排水工事を主業としてきた。その技術を活かして温室・水耕栽培の設計施工や植物工場の製造、トマト・レタスの生産を行っている。1977年に農業施設分野に参入し、2007年には植物工場の装置開発研究所を建設して香川大学と共同研究を進めてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力一般的な多段栽培では10a当たり20t程度の収穫量にとどまっていた。
  • 人手・技能従来のトマト栽培は経験と勘に頼るところが大きく、マニュアル化しにくかった。
  • コスト・採算企業型農業においては従来の栽培方法ではコストパフォーマンスが低かった。

やったこと

香川県の十川農場(30a)で、トマトの低段密植水耕栽培に対応した設備を導入した。苗を通常の2、3倍の密度で栽培ベッド(溶液栽培装置)に定植し、3、4段程度まで花房が付くと摘芯を行って果実を収穫する。これを年3回程度繰り返す。除湿器を設置し、換気しない冬季夜間の湿度を管理して灰色カビの発生を抑える。このような実証実験を行い、大玉トマトの高収量な栽培方法を確立した。

その他栽培ベッド(溶液栽培装置)
その他除湿器

事業の効果

  • 収量 20t/10a→40t/10a

大玉トマトで従来の2倍となる40t/10a以上の収穫が見込めた。実績次第で規模をさらに拡大し、3haで36,000万円の売上と営業利益約10,000万円、パート社員30人の雇用を想定している。農業生産事業を建築部門に次ぐ第2の収益源に育てる計画である。成功事例として企業の農業参入に弾みをつけ、施設建設の売上にもつなげていく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    農業参入は2007年の研究所建設や2017年の夏季栽培ハウス開発など過去の取組と続いているが、経営戦略上の位置付けは成果欄の『第2の収益源』程度でしか読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    建築部門や電気・空調工事など自社の強みに触れているが、市場動向と競争優位の関係は説明されていない。

  • 課題の認識と解決3

    従来栽培の経験頼みの課題と、低段密植水耕で40t/10a以上を目指す解決策が示されているが、課題の具体的数値は薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    従来20t/10aに対し40t/10a以上の収量目標、3haで36,000万円売上、営業利益約10,000万円と数値で示されている。

  • 事業を進める体制3

    植物工場の開発や香川大学との共同研究、従業員84名の記載はあるが、本事業を遂行する担当体制の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    マニュアル化しやすく習得も短期間、夏季生産を低コストで可能にするクールサットハウスなど、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    年3回の栽培サイクルや規模拡大の段階は書かれているが、中長期の検証スケジュールは詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    トマトの一般的な多段栽培の約2倍となる収量を目指し、夏季ハウス栽培を可能にする点で高水準の高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    農業参入と施設建設への波及、雇用30人の創出が記載されており、地域農業の活性化への言及もあるが定量的な経済波及効果は薄い。

  • 費用対効果4

    収量を2倍に高める一方、売上36,000万円・営業利益約10,000万円の見込みが示され、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    除湿器による湿度管理や水耕栽培のマニュアル化など新技術の活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は記載が少ない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    農業生産の参入が企業の農業参入に弾みをつけると書かれ、構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    パート社員30人の雇用想定があり地域での雇用創出はうかがえるが、地域特性を活かした記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

実績次第でさらに規模を拡大し、農業生産事業を建築部門に次ぐ当社の第2の収益源に育てる。これを成功事例として企業の農業参入に弾みをつけ、施設建設の売上にもつなげていく。

事業者の声

農業の近代化を命題に。企業が積極的に取り組める魅力ある農業をつくり出す

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。