ものづくり補助金平成26年度製造業香川県

シャフト部品の高精度・短納期の実現と研削加工技術の内製化確立

有限会社協進精工所

成果研磨しろを0.3mm残しにしていたが、切削で0.1〜0.15mmまで近づけておくようになった

この事例のポイント

  • 外注に出していた研削加工では、精度にばらつきが出ていた。
  • 本事業で高精度円筒研削盤を導入し、20μ以下の高精度な研削加工を高効率に実現できる体制を整えた。
  • 研磨しろを0.3mm残しにしていたが、切削で0.1〜0.15mmまで近づけておくようになった。研削工程を内製化したことで、外注先との往復が不要になり、繁忙期でも自社で日程を管理できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社協進精工所
所在地香川県 高松市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数17人
設立1980年

事業の背景

近年、建設機械の需要増加に伴い、油圧シリンダー用シャフト部品の加工案件が増えている。シャフトは耐久性と強度を確保するため焼き入れ後の研磨が必要だが、この工程はこれまで外注先に依頼していた。外注では納期の長期化とコスト上昇が進み、受注を断念するケースも出ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度外注に出していた研削加工では、精度にばらつきが出ていた。
  • 納期・工程外注先への依頼により納期が不安定で、長期化していた。
  • コスト・採算納期の長期化やコスト上昇により、受注を断念するケースが出ていた。

やったこと

本事業で高精度円筒研削盤を導入し、20μ以下の高精度な研削加工を高効率に実現できる体制を整えた。ワークの材質・形状に合わせて砥石を選定し、切削加工したシャフトのテスト加工を実際に行った。加工品の精度を評価したところ、寸法公差15μ内におさまることを確認した。最大長さ1050mm、最大重さ1500kgまで研削でき、部品の硬さに関係なく高精度に加工できる。切削で研磨しろを0.3mm残しから0.1〜0.15mmまで近づけてから研磨工程に入るようにし、研磨時間も削減した。自動プログラムにより寸法精度出しを行い、精度の安定化を図った。

加工機高精度円筒研削盤

事業の効果

  • 研磨しろを0.3mm残しにしていたが、切削で0.1〜0.15mmまで近づけておくようになった

研削工程を内製化したことで、外注先との往復が不要になり、繁忙期でも自社で日程を管理できるようになった。研削工程だけで4〜7日を要していたが、全体のリードタイムを短縮できた。外注費や運搬費が減り、コストを低減できた。精度面では寸法公差に余裕をもって対応でき、品質の安定につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    切削では不可能だった仕上げ工程を内製化し一貫生産体制を確立すると書かれ、外注依存からの転換という経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    建設機械の内需拡大や新興国・北米での需要拡大を外部環境として挙げ、他社に対する優位性が高まったと記載がある。

  • 課題の認識と解決5

    外注による精度バラつき・納期長期化・コスト上昇を課題とし、全リードタイム4〜7日の短縮、公差15μ内の確認など数値を伴う解決策が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    公差20μ以下、研磨しろ0.3mmを0.1〜0.15mmへ、テスト加工で寸法公差15μ内を確認と具体的数値があるが、付加価値額や賃上げの目標値は見当たらない。

  • 事業を進める体制3

    多能工の育成や社内教育体制が強みとして触れられているが、補助事業を遂行する人材配置や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    建設機械向け油圧シリンダー用シャフトの需要増加や受注断念の事例はあるが、顧客ターゲットと選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の受注拡大や一貫生産の展開は述べられるが、中長期の検証や遂行スケジュールの記述は限定的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    1μ単位の研削や鏡面的な仕上がりに言及し高精度化を図る方針が書かれているが、市場での希少性や普及度の比較データはない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    建設機械の需要拡大や海外出荷額の増加にわずかに触れるのみで、波及効果や雇用創出の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    外注費や運搬費などのコスト低減と納期短縮が述べられているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ワイヤー放電加工機や研削盤の導入は記載されるが、デジタル技術の活用やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    建設機械の需要拡大や新興国への展開にわずかに触れるが、構造転換に資する分野進出としての記述は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    香川県高松市の所在地のみ示されており、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用の牽引については記述がほぼない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

建設機械業界は震災復興による国内需要の拡大に加え、新興国や北米での需要拡大が進み、海外への出荷額が増加傾向にある。一貫生産体制により、今後はシャフト系部品の受注拡大を進める方針である。

事業者の声

創造型企業

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。