ものづくり補助金平成26年度製造業佐賀県

IMARIからMIRAI(ミライ)へ 高耐久性・エコなポリウレア保護材の技術開発

IMARI 株式会社

この事例のポイント

  • 原材料を海外から輸入しているため輸送コストの負担が大きい。
  • ポリウレア施工対象としてコンクリートなどの非鉄金属を主眼に、超音波式でミリ単位の測定が可能な膜厚計を導入し、確認検査体制を確立した。
  • 工場屋内外で15日間の曝露実験を行い、天候が悪い日があったものの、剥がれや踏み付け・リフト通過の衝撃による異常、ポリウレアの損傷は見られず、試作品の仕様に問題はなかった。

事業者のプロフィール

事業者名IMARI 株式会社
所在地佐賀県 伊万里市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
従業員数22人
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

弊社は耐久性や施工箇所を選ばないポリウレアの研究開発を行ってきた。原材料は海外から輸入しており輸送コストの負担が大きく、国内原料では海外製より強度が劣るため海外の原料を使用している。ポリウレアは硬化が早く施工には技術者が必要なため、一般への普及が進んでいない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算原材料を海外から輸入しているため輸送コストの負担が大きい。
  • 品質・精度国内原料は海外製に比べて強度が劣るため、現在も海外の原料を使用している。
  • 品質・精度ポリウレアは塗布後45秒で硬化が始まるため塗装ムラが発生しやすく、膜厚管理が非常に困難である。
  • 人手・技能塗布・施工に技術者が必要とされ、一般に普及が進んでいない。
  • 品質・精度両面テープへのポリウレア塗布では、膜厚を職人の感覚と目視で管理しており、商品化には品質の均一化が求められる。

やったこと

ポリウレア施工対象としてコンクリートなどの非鉄金属を主眼に、超音波式でミリ単位の測定が可能な膜厚計を導入し、確認検査体制を確立した。既存の両面テープ2メーカー13種類から粘着力と耐候性の条件を満たす製品を選定し、スリーエム社製の4485、481MH、4405の3品番に決定した。佐世保工業専門学校の西口先生の指導を受け、3種の両面テープで試験体を作成して180度はく離試験を行った。コスト面から両面テープとポリウレアの厚みを薄くする必要があったため、ポリウレアの厚みを1~3mmとした試作品を製作し、膜厚計で膜厚を管理した。試作品を工場の屋内外でコンクリート損傷箇所に貼り付け、曝露試験を実施した。

検査測定ミリ単位で測定可能な超音波式膜厚計

新しい製品・サービス:両面テープにポリウレア塗布・加工を施したポリウレアテープ(屋外仕様)

事業の効果

工場屋内外で15日間の曝露実験を行い、天候が悪い日があったものの、剥がれや踏み付け・リフト通過の衝撃による異常、ポリウレアの損傷は見られず、試作品の仕様に問題はなかった。塗布・加工品質の均一化と、専門家指導による接着強度試験で両面テープとポリウレアの最適な厚みを確認できた。これまで価格や設備、技術面で難しかった現場でのポリウレア施工が可能となり、技術者が不要になることで施工可能性が広がった。加えて、これまで誰も実験したことがないデータが得られ、今後の製品開発にも役立つと考えられる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    両面テープへのポリウレア加工という過去の取組との関連はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    海外原料依存や国内原料の強度不足が課題として示されるが、市場動向や自社の競争優位は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    輸送コスト負担・施工に技術者が必要という課題を挙げ、施工技術と価格の解決で普及を狙う計画が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は示されず、コスト面の優位性という定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    専門学校の西口先生の指導や膜厚測定器の導入など体制は読み取れるが、人材や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    コンクリート・非鉄金属面への施工、屋外仕様、価格と施工容易性という対象と強みが具体的に記載されている。

  • 事業化までの道筋3

    接着試験や曝露試験など段階的な検証は書かれるが、今後の事業化スケジュールや課題解決の具体的方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ポリウレアは一般に普及が進んでいないと明記され、価格と施工技術で従来防水工事より優位と述べる高付加価値化の方向が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    高寿命化や現場施工の可能性拡大が期待として書かれるが、経済波及や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果3

    従来防水工事に対するコスト面の優位性は述べられるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新素材の現場施工化による波及がうかがえるが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    ポリウレアの需要向上という記述はあるが、成長分野への進出や構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も両面テープのメーカーと共同で新しいテープ(保護材)の開発を視野に入れている。新商品の案内や効用の丁寧な説明によって販売につなげ、ポリウレアの知名度向上に伴う需要増を期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。