ものづくり補助金平成26年度製造業愛媛県

製鉄所コークス炉部品 超・長尺「タイロッド」の高品質機械加工

株式会社小野鐵工所

成果φ175mmの大径貫通穴のCNC旋盤を導入した。

この事例のポイント

  • 超長尺のタイロッド(φ90mm×19m)は通常の機械加工が困難で、従来は鋼管の両端をネジ加工してパイプを溶接で継いでいたが、炉温1,000℃を超える環境で強度の信頼性に問題が残っていた。
  • これまでワイヤードラム製造で培ってきた長尺品の旋盤加工ノウハウを活かし、新たな加工方法を考案した。
  • φ175mmの大径貫通穴のCNC旋盤を導入した。φ175mmの大径貫通穴を持つCNC旋盤と後部特殊軸受けにより、超長尺のタイロッドを一体で高品質にねじ切り加工できるよ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小野鐵工所
所在地愛媛県 新居浜市
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数25人
資本金1,000万円
設立1962年

事業の背景

主に一般産業機械向けのドラム等を製造しており、水処理・汚泥処理関連機械部品のドラムフレーム、クレーン用ドラム、立体駐車場向けドラムなどが主体である。長年にわたり品質に厳しい住友グループとの継続的な取引があり、厚板パイプ加工の実績と大型旋盤加工の優位性から、近隣の競合不在もあって四国内ではほぼ独占的に受注を確保している。国内の製鉄所では炉齢30年を経過したコークス炉の更新時期を迎えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度超長尺のタイロッド(φ90mm×19m)は通常の機械加工が困難で、従来は鋼管の両端をネジ加工してパイプを溶接で継いでいたが、炉温1,000℃を超える環境で強度の信頼性に問題が残っていた。
  • 新製品・新技術超長尺鋼管に直接ねじ切り加工を行う一体製造方法が必要となった。

やったこと

これまでワイヤードラム製造で培ってきた長尺品の旋盤加工ノウハウを活かし、新たな加工方法を考案した。φ175mmの大径貫通穴を持つCNC旋盤を導入し、タイロッド素材が主軸貫通穴を通る構造にすることで、ねじ切り部の根元を確実に固定できるようにした。長さ19mの素材を受けるため主軸後部に、パイプ中間部の振れに耐えるローラーベアリングを配した軸受兼振止装置を4基設置した。これにより突き出し量を極力短くし、高品質なねじ切りが可能となった。最適な切削条件200rpmで回転させても振動を抑制できるようになった。

加工機φ175mm大径貫通穴対応CNC旋盤
その他後部特殊軸受け(軸受兼振止装置、4基)

新しい製品・サービス:超・長尺「タイロッド」

事業の効果

  • φ175mmの大径貫通穴のCNC旋盤を導入した。
  • 最適な切削条件200rpmで回転させても振動抑制が可能となった。
  • 軸受兼振止装置を4基設置した。

φ175mmの大径貫通穴を持つCNC旋盤と後部特殊軸受けにより、超長尺のタイロッドを一体で高品質にねじ切り加工できるようになった。素材を主軸貫通穴に通してねじ切り部の根元を確実に固定できるため、突き出し量を極力短くできる。200rpmの切削でも振動が抑えられる。従来の溶接継ぎに代わる一体製造で信頼性の課題を解消した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    製鉄所向けドラムや大型旋盤加工での四国内ほぼ独占受注など既存事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    四国内ほぼ独占受注、近隣競合不在、住友グループとの長期取引など強みが具体的に書かれ、競争優位を読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    従来の溶接継ぎ信頼性の課題を示し、一体製造で解決したとあるが、高付加価値化や成長目標の数値は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出や賃上げの目標値は記載がなく、事業化の実現可能性を示す数値も読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    ワイヤードラム製造で培った長尺品旋盤加工ノウハウや従業員25名の体制はうかがえるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    19mの超長尺タイロッド加工の課題と顧客ニーズ、炉更新需要に基づく対象顧客が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の活動予定として炉更新の営業やプラントメーカーへのPRが書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    19mの超長尺φ90mmタイロッドの一体製造は高水準の加工で、従来は溶接継ぎだった点から高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用4

    国内製鉄所で炉齢30年超のコークス炉更新が計画される中、重要部品の国内供給に資する点が具体的に書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値が記載されておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    コークス炉更新という国内製鉄所の需要はうかがえるが、産業構造転換への寄与は明確に書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県新居浜市の本社工場で四国内に受注を確保する点から地域での役割がうかがえるが、地域経済への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内の製鉄所で炉齢30年を経過したコークス炉の更新が進むなか、タイロッドは新型コークス炉でも主要構成部品であり続けるため、ビジネスマッチングなどでプラントメーカーにPRし、新規ユーザーからの受注を開拓する。今後の継続的な炉の更新に対する営業活動に取り組み、重要な事業の柱とする予定である。

  • 目標:タイロッドは19mの超長尺品である。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。