ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

安定した流量で投薬できるミクロン精度のステンレスチューブ製品の開発

手島精管株式会社

成果内径寸法(試作品) 0.07mm→0.0697mm

この事例のポイント

  • 顧客から求められた内径φ0.07、公差±0.002のミクロン精度を満たすステンレスチューブの製造が従来の設備では困難だった。
  • 造管工程では、素管の溶接前後の2カ所でパイプを左右から押さえ、スプリングバックを抑えて溶接部の肉厚を確保し、真円度を高めた。
  • 内径寸法(試作品) 0.07mm→0.0697mm。ミクロン精度の医療用ステンレスチューブの試作開発に成功し、海外の大手医療機器メーカーとの取引拡大に大きく前進した。

事業者のプロフィール

事業者名手島精管株式会社
所在地群馬県 館林市
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数44人
資本金2,000万円
設立1972年

事業の背景

当社は40年以上にわたり医療注射針用のステンレスチューブ製造に関わってきた。医療現場では世界の医療機器メーカーに高度な部品供給が求められ、日本のものづくり技術が注目されている。海外の大手医療機器メーカーから、内径公差0.002のチューブの試作依頼があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度顧客から求められた内径φ0.07、公差±0.002のミクロン精度を満たすステンレスチューブの製造が従来の設備では困難だった。
  • 生産能力造管工程で素管の真円度が確保できず、溶接後のスプリングバックで素管が成形できない課題があった。
  • 品質・精度内径φ0.07の極細径を接触式のピンゲージでは測定できず、ミクロン単位の品質保証ができなかった。

やったこと

造管工程では、素管の溶接前後の2カ所でパイプを左右から押さえ、スプリングバックを抑えて溶接部の肉厚を確保し、真円度を高めた。肉決め引抜治具の製造用に、全加工軸がサーボモータ駆動のCNC円筒研削盤を導入し、0.0001ミリ単位で砥石台の角度、主軸の移動、回転速度を調整できるようにした。これによりダイスとプラグのアプローチ角を最適に合わせ、高精度のプラグを製造できた。品質保証では、キーエンスのデジタルマイクロスコープを導入し、高倍率の撮影画像による非接触測定を可能にした。試作では内径φ0.07±0.002を達成し、n=10の平均値は0.0697、実測でφ0.0712を確認した。

加工機モリマシナリーのスクイズスタンド
加工機全加工軸がサーボモータ駆動のCNC円筒研削盤
検査測定キーエンスのデジタルマイクロスコープ

新しい製品・サービス:医療用の超狭小内径公差ステンレスチューブ(内径φ0.07、公差±0.002)

事業の効果

  • 内径寸法(試作品) 0.07mm→0.0697mm
  • 量産が実現すると年間300万本の生産を見込む
  • 導入した設備による年間1億4,700万円の売り上げ総額を見込む

ミクロン精度の医療用ステンレスチューブの試作開発に成功し、海外の大手医療機器メーカーとの取引拡大に大きく前進した。非接触測定により従来不可能だった極細径チューブの内径測定と品質保証の体制が整った。量産が実現すれば年間300万本の生産と売上の拡大が見込まれ、展示会などを通じて極細径・狭小公差チューブのアピールも進める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    40年以上にわたり医療注射針用ステンレスチューブを製造してきたとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    海外大手医療機器メーカーからの要求に応えたとあるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    課題を3つ(真円度向上、プラグ加工精度向上、非接触測定による品質保証)に整理し、各プロセスに設備を導入したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    内径公差±0.002の目標に対し、n=10の平均値0.0697を達成し、年間300万本・1億4,700万円(年間)の売上見込みが数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数44人と記載はあるが、補助事業の遂行体制や人材配置についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療注射針向けの超狭小公差チューブという製品価値と、海外医療機器メーカーの量産予定・顧客評価の流れが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作、顧客評価1年、問題なければ量産という流れは示されているが、スケジュールの詳細や課題解決の方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    公差0.002は通常要求される0.02の1000分の1の高精度規格で、同分野で高水準の高付加価値化を図る内容と読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外医療機器メーカーとの取引拡大や国際市場への展開がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果3

    設備投資1億4,700万円に対し年間売上総額の見込みはあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    マイクロスコープによる非接触測定の導入で品質保証体制を整えたとあり、デジタル技術の活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    群馬県館林市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値や地域経済への牽引は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客での1年間の性能評価を経て、問題がなければ量産に移行する予定である。試作開発で使用した機械装置を生産転用し、引き合いに備える。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。