ものづくり補助金平成26年度製造業愛媛県

最新鋭スリッター機導入による販路拡大、価格競争力の強化

大西紙工有限会社

この事例のポイント

  • 新素材の加工依頼が増えているが、既存の設備では能力に限界があり受注への対応が追いつかない状況が生じていた。
  • 最新鋭スリッター機を導入した。
  • 最新鋭スリッター機の導入により、不織布やフィルム素材などの需要が高まる新素材のスリット加工に参入できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名大西紙工有限会社
所在地愛媛県 四国中央市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数40人
資本金800万円
設立1976年

事業の背景

当社は昭和36年に創業し、昭和60年頃から紙製品のスリット加工を主力としてきた。医療用品(不織布を使った手術用オイフ、ドレープ、シーツ、ガーゼ等)の製造・加工を主体とし、製造・加工している製品は数百種類に及ぶ。高品質製品を実現してきた実績から新素材の加工依頼が増加傾向にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力新素材の加工依頼が増えているが、既存の設備では能力に限界があり受注への対応が追いつかない状況が生じていた。
  • 人手・技能高度な設定調整が必要で、熟練したオペレーターでなければ正確な加工が難しく、調整作業にも時間を要していた。
  • 品質・精度簡易な安全装置はあるものの旧式のため、機械への巻き込みの危険性があった。

やったこと

最新鋭スリッター機を導入した。従来は手作業による高度な設定調整が必要だったが、各種設定の自動化や調整作業の簡素化、接圧制御装置等の機能追加により作業時間を短縮した。加工可能なサイズは幅5mmから1,250mmまで、直径500mmまで。不織布やフィルム素材等の一般紙以外にも対応できるようにした。新設備により精度が向上し紙粉の発生が減少したほか、巻取り紙を固巻にして太鼓面の凹凸を少なく仕上げるなど品質も向上した。安全装置も新しくし、重大事故の発生リスクを軽減した。

加工機スリッター機(最新鋭)

新しい製品・サービス:不織布やフィルム素材等の新素材へのスリット加工、細幅スリット加工技術を活かした商品開発

事業の効果

最新鋭スリッター機の導入により、不織布やフィルム素材などの需要が高まる新素材のスリット加工に参入できるようになった。顧客の様々な要望に対応できる体制が整い、精度向上で紙粉の発生が減り、巻取り紙の品質も向上した。調整作業時間が短縮され、自動化で作業も簡素化された。安全装置の強化で重大事故のリスクも軽減できた。細幅スリット加工技術を活かした商品開発により他社との差別化を図り、販路拡大を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和60年頃から紙製品のスリット加工を主力としており、その技術を不織布・フィルムへ応用する方針が過去の取組と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    細幅スリットなど高精度加工の強みを活かし、不織布・フィルム素材の需要増に対応する方向性が示されている。

  • 課題の認識と解決3

    既存設備の能力不足で受注対応が追いつかない課題を挙げ、新設備導入で解決する流れは示されているが、付加価値向上の数値は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    調整作業時間の短縮や作業簡素化は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員40名で、熟練オペレーターへの依存や調整作業の負担が課題として書かれており、体制の記述は一部にとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    不織布やフィルム素材の需要増、土木・建築資材からの引き合い、細幅スリットでの差別化など、ターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の活動予定として新市場参入や受け身の営業の見直しが書かれているが、スケジュールや課題の解決方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    不織布やフィルム素材への加工は新市場への参入とされ、高精度加工による差別化も書かれているが、価格や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    土木・建築資材など新たな業界からの引き合いは書かれているが、雇用創出や経済波及効果の記述は見られない。

  • 費用対効果2

    紙粉の減少や調整時間の短縮は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    各種設定の自動化や接圧制御機能の追加が書かれているが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    紙加工主体から不織布・フィルムなど需要が高まる新素材の加工へ事業を広げる方向性が示されており、構造転換の一端がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    地場の製紙企業で製造された原反を加工する地域内のつながりが書かれているが、地域の雇用や成長への効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

これまでの紙加工中心から、需要が高まる不織布やフィルム素材等の新素材へ展開し、土木・建築資材の加工依頼や商品開発の問合せなど新たな業界からの引き合いに応え、新市場に参入する。現状の受け身の営業を改め、細幅スリット加工の技術力を活かした商品開発でさらなる受注拡大につなげる。

  • 目標:加工可能なサイズは幅が5mmから1,250mmまで(導入後の記載)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。