ものづくり補助金平成26年度製造業愛媛県

折板屋根向け外断熱・遮熱の独自工法「ルーフシェード」の改良による事業拡大

有限会社石川テント

成果シートの固定ピッチ 2m→0.5m

この事例のポイント

  • 折板屋根に取り付ける従来工法ではシートの固定ピッチが2mと広く、暴風や積雪でシートが伸び切ったり破損したりする事例が起きていた。
  • 本事業では、折板屋根向け外断熱・遮熱工法「ルーフシェード」の施工方法を改良するため、新型取付金物の試作と金型の開発を行った。
  • シートの固定ピッチ 2m→0.5m。部品点数の減少により施工方法が簡素化され、施工職人に特殊技能が求められなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社石川テント
所在地愛媛県 四国中央市
業種繊維工業
従業員数3人
資本金500万円
設立1989年

事業の背景

有限会社石川テントは、大型テント倉庫や個人・店舗向けオーニング、工場向けの防虫・防塵・遮熱対策施工を主業務とし、四国や瀬戸内海沿岸地域を中心に製品手配から施工、アフターサービスまで手掛けている。主要取引先は大王製紙株式会社、愛媛製紙株式会社、ユニ・チャーム株式会社、福助工業株式会社などである。屋根向け外遮熱工法「ルーフシェード」は工場や倉庫、店舗、事務所などに採用されているが、今後は節電意識の高まりを背景に、工法の強度不足や施工精度のばらつきを解消しつつ、販売価格を抑えて販売エリアと新規ユーザーを広げることが求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度折板屋根に取り付ける従来工法ではシートの固定ピッチが2mと広く、暴風や積雪でシートが伸び切ったり破損したりする事例が起きていた。
  • 品質・精度施工工程が多く、熟練度によって施工精度にばらつきが出ていた。
  • 生産能力施工工程が多いため夏場の長時間作業が困難で、作業者の負担も大きかった。
  • コスト・採算部材点数が多く、在庫管理や発注が難しかった。

やったこと

本事業では、折板屋根向け外断熱・遮熱工法「ルーフシェード」の施工方法を改良するため、新型取付金物の試作と金型の開発を行った。試作を重ねながら「パッカー」の素材の選定と強度試験を行い、新工法を確立した。新工法では、パイプにビニールシート等を挟み込んで固定する通称「パッカー」と呼ばれる部品を作り、折板屋根のハゼの部分(頂点部)に直接シートを挟み込みながら固定する。この新工法を用いてデモンストレーションと設置を行った。

金型金型

新しい製品・サービス:新型取付金物「パッカー」を用いた新工法(ルーフシェードの改良版)

事業の効果

  • シートの固定ピッチ 2m→0.5m

部品点数の減少により施工方法が簡素化され、施工職人に特殊技能が求められなくなった。シートの固定ピッチが2mから50cmになったことで、シートにかかる負担が大きく減り、強度も増した。雪国や台風が頻繁に通過する沖縄諸島などへも設置できるようになった。部品点数の減少と施工の簡素化により販売価格が大幅に下がり、取扱業者や販売網が広がり、中小零細企業への採用拡大も期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の補助金活用や「ルーフシェード」の普及という経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    強度不足や施工ばらつきという課題と販売価格低減の方針はあるが、競争優位の根拠となる市場データは書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    従来工法の課題として2mピッチのシート固定や部材点数の多さを挙げ、50cmピッチ化と部品点数削減で解決する具体策が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    数値目標は書かれておらず、販売価格低減や販売エリア拡大という方向性にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員数3名と主要設備が書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    夏場の室温上昇抑制や消費電力削減という製品価値と、主要取引先の製紙・衛生用品企業が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作、強度試験、新工法の確立という段階は書かれるが、今後の中長期スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    折板屋根向け遮熱工法の独自性は示されるが、高価格化や分野全体の認知度についての記述は薄い。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    節電意識の高まりや作業環境改善への貢献がうかがえるが、国が補助する積極的理由は明記されていない。

  • 費用対効果2

    部品点数の減少で販売価格が大幅に低減したとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    四国や瀬戸内の地域を中心に事業を行うとあるが、地域の雇用創出や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

販売代理店を通じて商圏のさらなる拡大を目指すとともに、作業者の労働環境の改善や省エネ効果の発揮にも貢献していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。