ものづくり補助金平成28年度製造業和歌山県

独自性の高い独創的な山林苗の育苗トレーの開発・ 市場投入による新規顧客の開拓

株式会社阪中緑化資材

この事例のポイント

  • 主力の育苗トレー「空中ポットレストレー」は野菜や果物用に開発・製造しており、山林の苗に適した製品がなかった。
  • 山林苗の育苗に特化したトレーを商品化するため、トレー本体200金型(扶桑精機)を購入して試作と研究を行い、改良を重ねた。
  • 同社独自の設計により、他社のトレーとの差別化を図ることができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社阪中緑化資材
所在地和歌山県 紀の川市
業種繊維工業
従業員数8人
資本金2,500万円
設立1987年

事業の背景

同社は1947年に種苗園を立ち上げ、70余年にわたり樹木や園芸用資材の製造・販売に携わってきた。主力商品は麻網目ポットや育苗トレーで、中でも空中ポットレストレーは業界で画期的と認められ、国際特許を登録し意匠登録も行っている。空中ポットレストレーは基本的に野菜や果物用に開発されてきたが、顧客から山林の苗に適したトレーを求める要望を受けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術主力の育苗トレー「空中ポットレストレー」は野菜や果物用に開発・製造しており、山林の苗に適した製品がなかった。
  • 販路・情報発信樹木を生産する全国の業者を新たな顧客として開拓する必要があった。

やったこと

山林苗の育苗に特化したトレーを商品化するため、トレー本体200金型(扶桑精機)を購入して試作と研究を行い、改良を重ねた。完成したポットレスコンテナ230は、ポット部の高さを13.5cmと深くして支持根がより伸びるように設計した。夏の異常気象による高温から苗を守るためポット部全体にスリットを入れ、自動培土入れ機や穴開け機に対応できるようリブを設けた。トレーに直接培土を入れる方式により、出荷植栽時に廃棄物が出ないようにした。

金型トレー本体200金型(扶桑精機)

新しい製品・サービス:ポットレスコンテナ230(山林苗用の育苗トレー)

事業の効果

同社独自の設計により、他社のトレーとの差別化を図ることができた。現在は東北、関東、中国、九州エリアの森林地で試験的に活用されている。今後は山林苗や緑化樹木の生産者へ製品をアピールしていく予定である。イチゴやトマトなどの育苗にも適していることから、山林苗以外の用途での利用も期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    空中ポットレストレーという既存主力商品を山林用に改良する点から過去の製品開発との連続性がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国際特許・意匠登録や業界内での評価、70余年の実績が強みとして読み取れるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    顧客からの山林用トレー要望という課題認識はうかがえるが、高付加価値化や成長につながる計画の数値的裏付けは薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社員8名の小規模体制であることはわかるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    山林苗向けにポット部の高さ13.5cmや通気スリットなど具体的仕様を示し、樹木生産者を顧客ターゲットとして明確にしている。

  • 事業化までの道筋3

    東北・関東・中国・九州の森林地で試験活用中と示され、今後のアピール予定も書かれているが、スケジュールは具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    山林苗向けの育苗トレーは一般的な普及度が高いとは言えない分野だが、高価格化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    防風林や防潮堤、再造林などへの植栽に関わる記述はあるが、波及効果や雇用創出についての言及は少ない。

  • 費用対効果2

    廃棄物が出ない点などの効果は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山県紀の川市の企業として里山復元や再造林に資する点は読み取れるが、地域の経済成長への寄与は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

山林苗や緑化樹木の生産者に製品をアピールするとともに、里山の復元、山林の再造林、防風林、防潮堤などの植栽に向けた展開を目指している。関連商品の販売につなげ、公的機関から成果や比較データを得て次世代の植栽に向けた新たな展開も考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。