ものづくり補助金平成26年度製造業高知県

マシニングセンター導入による生産性向上及びコスト削減。

株式会社 葉山ヒューテック

成果主軸の回転数 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 切削加工に時間がかかり、加工工程全体の流れが滞っていた。
  • 設備導入にあたり、社員から製造工程の実情を聞き取り、課題を抽出して社内で共有した。
  • 主軸の回転数 1倍→3倍。切削加工の時間が大幅に短縮され、補正加工が不要になって工数も減った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 葉山ヒューテック
所在地高知県 津野町
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数41人
資本金2,000万円
設立1990年

事業の背景

当社は精密機械用部品や省力機械用部品、船舶用機械部品などの機械加工を行い、省力・FA機械の設計・組立や制御設計・配線も手がけている。受注するのは少量多品種の加工部品で、短納期と高精度、高品質が求められる。他社との競争を考えると、新設備の導入を検討すべき時期になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力切削加工に時間がかかり、加工工程全体の流れが滞っていた。
  • 品質・精度老朽化した汎用フライス盤では加工精度の維持が難しく、1/100mm の精密加工は熟練者にしかできず、仕上がりによっては再加工が必要になっていた。
  • 人手・技能高精度加工が熟練者に依存し、再加工による工数と時間・労力が増えていた。
  • 新製品・新技術切削する材料がアルミやステンレスなどに変わり、古い設備では難削材への対応が難しくなっていた。
  • コスト・採算切削工程が滞って外注対応が増え、利益を圧迫していた。

やったこと

設備導入にあたり、社員から製造工程の実情を聞き取り、課題を抽出して社内で共有した。当社が製造する部品は20~30cm角が多いことから、用途、設置スペース、操作のわかりやすさを考慮し、立形マシニングセンター「VERTICAL CENTER SMART430A」を選定した。工場内のレイアウトを大幅に変更し、他のマシニングセンターと連携できるようにした。導入後、メーカーから技術者を招いてオペレーター研修を実施し、熟練者と若手の2名が受講して本格的な稼働に移った。

加工機立形マシニングセンター VERTICAL CENTER SMART430A

事業の効果

  • 主軸の回転数 1倍→3倍
  • 送り速度 1倍→3倍
  • プレートの切削時間 45分/個→25分/個

切削加工の時間が大幅に短縮され、補正加工が不要になって工数も減った。作業工程が流れやすくなり、外注していた作業を内製できるようになって外注費の負担もなくなった。精度が上がって製品の品質と納期遵守が保たれ、顧客の信頼回復にもつながった。操作が直感的になり、誤操作や廃棄ロスも減少した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成2年設立以来の切削加工の取組と、精密加工の内製化を目指す流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けを明示する記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    受注増への期待、県外発注部品の内製化、機密漏洩防止など自社の強みに触れるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決5

    切削工程の滞り、外注費負担、旧設備の加工精度低下を課題として挙げ、切削時間が45分から25分になったと数字で示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    切削時間45分から25分への短縮や外注費負担の解消など具体的な改善が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制4

    熟練と若手の2名がメーカー研修を受け、スムーズに稼働できたと記載され、人材面の体制が具体的に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    1/100mmの精密加工や少量多品種の受注という特徴は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後は既存顧客の需要に応え、開発パートナーを目指すという方向性はあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    1/100mmの精密加工や先進機器部品の開発に携わる点はうかがえるが、分野の普及度や高価格化に関する記述はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域の活性化や若い人材の確保、津野町・須崎市の社員が8割を占める点に触れるが、国が補助する理由としては具体性が薄い。

  • 費用対効果3

    外注費の負担解消や利益向上、補正加工の削減に触れるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    マシニングセンターの導入による加工の効率化は読み取れるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    精密加工の内製化や先進機器部品の開発への関与はうかがえるが、産業構造の転換に触れる記述はない。

  • 地域経済への波及4

    津野町・須崎市在住の社員が8割を占め、会社の活性化が地域の活性化につながると具体的に述べられている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

マシニングセンター導入による精度と生産能力の向上を既存取引先に伝え、発注増につなげていく。オペレーションの知識と技術を共有して人的な戦力アップも図る。今後は新規顧客開拓の前に既存顧客の需要に応え、信頼を得て開発パートナーとなることを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。