ものづくり補助金平成26年度製造業福岡県

自転車ブレーキ部品の研磨における新たな研磨方法の創出

株式会社矢田部研摩

成果従来の研磨法では干渉傷が避けられなかったが、新製品の導入後は不良率が大幅に下がった。

この事例のポイント

  • 自転車ブレーキ部品の研磨では、従来の複数量同時処理の遠心バレル研磨機だと部品同士の干渉により細かな傷が避けられず、傷を付けない研磨が求められていた。
  • 研磨槽内を120部屋に区切り、各部屋に製品を1個ずつ投入できる特注の遠心バレル研磨機を、メーカーに依頼して製作・導入した。
  • 従来の研磨法では干渉傷が避けられなかったが、新製品の導入後は不良率が大幅に下がった。1部屋1製品方式の特注遠心バレル研磨機により、部品同士の干渉がなくなり、自転車ブレーキ部品に細かな傷を付けずに高品質な…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社矢田部研摩
所在地福岡県 北九州市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数30人
資本金1,000万円
設立1978年

事業の背景

株式会社矢田部研磨は水栓金具から原子力発電所の純水槽まで、小型から大型のさまざまな金属部品を研磨してきた。自転車ブレーキ部品の研磨が顧客ニーズとして増えていた。これまでの研磨は1槽の回転式バレル機で半日程度の時間がかかっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自転車ブレーキ部品の研磨では、従来の複数量同時処理の遠心バレル研磨機だと部品同士の干渉により細かな傷が避けられず、傷を付けない研磨が求められていた。
  • 新製品・新技術一般的なブレーキに加えディスクブレーキも研磨対象となったが、高額なディスクブレーキは高グレードのため細かな傷でも要求品質を満たさず、傷を付けず美しく研磨する新技術が必要だった。

やったこと

研磨槽内を120部屋に区切り、各部屋に製品を1個ずつ投入できる特注の遠心バレル研磨機を、メーカーに依頼して製作・導入した。一定量の水、メディア(研磨石)、コンパウンド(研削油)を設定し、30分程度の短時間回転させて研磨する方法を確立した。研磨後は製品を取り出し、洗浄・乾燥後に出荷する。

加工機特注の遠心バレル研磨機(120部屋式)

新しい製品・サービス:1部屋1製品方式の遠心バレル研磨による、傷を付けない高品質研磨の技術

事業の効果

  • 従来の研磨法では干渉傷が避けられなかったが、新製品の導入後は不良率が大幅に下がった。
  • 大手自転車メーカーから月産3万個の受注に成功した。
  • 30分程度の短時間回転で研磨できるようになった。従来は半日程度かかっていた。

1部屋1製品方式の特注遠心バレル研磨機により、部品同士の干渉がなくなり、自転車ブレーキ部品に細かな傷を付けずに高品質な研磨ができるようになった。不良率が大幅に下がり、大手自転車メーカーから月産3万個の受注を得た。研磨時間も従来の半日程度から30分程度へ短縮された。売上高の半分近くを自転車部品が占めるまでに育った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の研磨加工事業の延長で特注研磨機を導入したことは読めるが、経営戦略上の位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自転車ブレーキ部品で傷を付けない研磨が求められた市場ニーズと、独自の研磨機で不良率が大幅に下がった点から競争優位が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    干渉傷による従来の課題を認識し、1部屋1製品の遠心バレル研磨機で解決した経緯が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    大手自転車メーカーから月産3万個の受注に成功したとあり、売上の半分近くが自転車部品になった実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員30人の会社であることはわかるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    傷を付けない研磨を求める顧客ニーズ、精密機械や医療機器への展開など、顧客ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は自転車以外の分野に広げる方針が示されるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ディスクブレーキ向けに同分野で高品質・傷なし研磨を実現し、高価格の製品に対応した点が事例から読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域企業として北九州市で事業を行うことはわかるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    不良率が大幅に下がったという効果は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい研磨方法の創出は書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    精密機械や医療機器など成長分野への展開がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    北九州市門司区で創業し市内外に技術が広まったとあり、地域の事業者としての役割がうかがえるが、雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

独自の研磨機械で効果を確認できたので、今後は自転車以外の分野にも業容を広げたい。精密機械や医療機器など傷を付けずに研磨が必要な業界に利用を呼びかけていく。

事業者の声

機器導入で、当社の技術力が上がり、それを外部に認知してもらえたことです。当社にしかできない研磨が市内外に広まりました。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。