ものづくり補助金平成26年度宿泊業、飲食サービス業福岡県

内部に特別な“メッセージ”や“装飾”を閉じ込めた革新的サプライズケーキの商品開発

株式会社アルテレゴ

この事例のポイント

  • ケーキを切ると中からメッセージが現れる内部装飾のケーキは職人の技術が必要で、商品化の方法が課題だった。
  • ケーキの内部にメッセージを入れるため、3Dプリンターとレーザーカッターを導入した。
  • 内部装飾の革新的サプライズケーキが完成し、スライスした生地ごとに別のメッセージを入れられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アルテレゴ
所在地福岡県 久留米市
業種飲食店
従業員数12人
資本金100万円
設立2015年

事業の背景

株式会社アルテレゴは久留米市で飲食店を2店舗経営している。1号店「フランス酒場ルプー」は2フロア105人収容で月に1500人超が来店する人気店で、2号店「スペインバルピック」は40人収容で月に800人が来店する。2店とも女性客の利用が7割を超える。誕生日や記念日の祝い需要は見通しを立てやすいが、競合店も来店を促す工夫をしており競争は激しい。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術ケーキを切ると中からメッセージが現れる内部装飾のケーキは職人の技術が必要で、商品化の方法が課題だった。
  • 生産能力飲食店は地域性や景気、天候に売上が左右されるため、強い来店動機を生み、他店と差別化できる商品やサービスの開発が必要だった。

やったこと

ケーキの内部にメッセージを入れるため、3Dプリンターとレーザーカッターを導入した。当初はスポンジ生地をレーザーカッターで切って埋め込む予定だったが、水分を含む生地が焦げてしまい失敗した。次に焼き型を3Dプリンターで作ってオーブンで焼いたが、生地の抜けが悪く型もオーブンの熱で変形した。その後、焼き型ではなく抜き型を3Dプリンターで作り、焼成した生地を粉砕した特殊な生地を詰めてデザインを表現する方式に変えた。レーザー加工機で作った型を使い、スライスした生地ごとに別のメッセージを入れられるようになった。型は繰り返し使えてコストも下がり、デザインの幅も広がった。

加工機3Dプリンター
加工機レーザーカッター
加工機レーザー加工機

新しい製品・サービス:内部装飾の革新的サプライズケーキ「サプライズケーキ キュイジーヌ」。外見は普通のケーキだが、切ると中からメッセージが現れる。インターネットで全国に販売し、東京など遠方でもクリスマスや誕生日のサプライズケーキとして喜ばれている。

事業の効果

内部装飾の革新的サプライズケーキが完成し、スライスした生地ごとに別のメッセージを入れられるようになった。型が繰り返し使えてコストが下がり、デザインの幅も広がった。商品はインターネットで全国に販売され、SNSでの発信により認知度が高まり、東京など遠方でも販売されている。今後はカフェ「フレンチFabルプー」を店内に開き、お客が自由にデザインを楽しめる空間にする計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    飲食店2店舗の展開とケーキ製造販売の既存事業があり、内部装飾ケーキは記念日需要の取り込みとして経営課題に対応している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    月1500人超と800人の来店、女性客7割超、競合が多い記念日市場での差別化を狙う点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    飲食店の売上が地域性や天候に左右される課題を認識し、記念日需要の取り込みで見通しを立てる方向が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、来店数や販売の広がりにとどまるため目標値の有無は不明。

  • 事業を進める体制3

    従業員12人、パティシエの関与、3Dプリンター導入などの体制は読み取れるが、事務処理能力や遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ケーキ内部にメッセージを入れる商品性、記念日需要、SNS発信や遠方からの購入など顧客と選ばれる理由が具体的。

  • 事業化までの道筋3

    焼型から抜型への転換や店舗での3Dプリンター設置計画など課題解決の経緯はあるが、スケジュールや中長期計画は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    内部にメッセージを入れるケーキは「これまでにない画期的なもの」とされ、同分野で高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の飲食店として久留米市に根付く点はうかがえるが、経済波及や雇用創出の積極的な理由は明記されていない。

  • 費用対効果2

    型の繰り返し利用によるコスト低減は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dプリンターとレーザー加工機を用いた抜き型技術で、新しい商品やビジネスモデルを作る点が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    久留米駅近くの地域店舗を拠点に、地元の飲食店から全国販売へ展開し、地域の強みを活かした事業と読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在表現できる抜き型はアルファベット、絵文字、一部のカタカナだが、将来は漢字の抜き型をつくり、海外にも販路を広げたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。