ものづくり補助金平成26年度製造業福岡県

無塩醤油風調味料の用途拡大にともなう量産のための設備改善

福岡県醤油醸造協同組合

成果作業所要時間 7時間→4時間

この事例のポイント

  • アルコールタンクからアルコールを入れてグルテンと混ぜ発酵タンクに入れる作業を4~5人で行っており、相当な重労働だった。
  • 今回導入したのは無塩醤油風調味料仕込み設備で、小麦グルテンとアルコールを均一に混合し発酵タンクに仕込む装置である。
  • 作業所要時間 7時間→4時間。作業環境と生産性が両立し、作業は楽になり人員も減らせた。

事業者のプロフィール

事業者名福岡県醤油醸造協同組合
所在地福岡県 筑紫野市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数42人
資本金1.89億円
設立1966年

事業の背景

福岡県醤油醸造協同組合は昭和41年に醤油醸造元など131名で設立され、現在98社の組合員で構成している。醤油の需要は減塩や用途の多様化で減少し、出汁を入れた醤油など加工調味料の需要が伸びている。WNは1998年に発売され、取引量は2005年4.02kl、2010年41.6kl、2014年108klと順調に増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能アルコールタンクからアルコールを入れてグルテンと混ぜ発酵タンクに入れる作業を4~5人で行っており、相当な重労働だった。
  • 生産能力WNは生産数量が比較的多く人手に頼る現状で、顧客ニーズの高まりに応えるためには生産を拡大する必要があった。
  • コスト・採算作業の所要時間は準備・仕込み・片づけで7時間かかっていた。

やったこと

今回導入したのは無塩醤油風調味料仕込み設備で、小麦グルテンとアルコールを均一に混合し発酵タンクに仕込む装置である。小麦グルテンは水分を含むとゴム状になるため、これを防ぎながら発酵タンク中で醤油麹、仕込み水、アルコール、グルテンを混ぜられるようにした。塩水を使わず所定濃度のアルコール溶液と合わせて仕込み、それに見合った温度条件で発酵させる。作業は人員が2~3人で可能になり、準備・仕込み・片づけの所要時間は7時間から4時間に短縮された。品質は設備導入前の人力作業とそん色ないものができる。

加工機無塩醤油風調味料仕込み設備

新しい製品・サービス:無塩醤油風調味料(WN)

事業の効果

  • 作業所要時間 7時間→4時間
  • 作業人員 4人→2人
  • 導入後の受注が20~30%程増えた

作業環境と生産性が両立し、作業は楽になり人員も減らせた。作業時間は大幅に短縮され、品質は人力作業とそん色ないものを維持している。設備導入により競合商品に対して成分、品質、価格で差別化できたと考えている。導入後の受注は20~30%程増えており、設備投資の効果が表れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    無塩醤油風調味料の製造技術を確立し商品化した経緯が書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    業務用調味料の需要や大手メーカーへの販売、取引量の増加が書かれ、外部環境と強みの関係はうかがえるが、競争優位の分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で4~5人かかっていた作業が2~3人、7時間から4時間に短縮され、受注も20~30%増えたと数字で課題解決の効果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業時間7時間から4時間、人員4~5人から2~3人、受注20~30%増と具体的数字があり、実績ベースで目標の実現性がうかがえる。

  • 事業を進める体制2

    組合の規模や従業員42人は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    業務用・加工用原料として販売し、取引量が2005年4.02klから2014年108klへ増えたとあり、顧客ニーズと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の課題として色の安定化や機能性商品の開発が挙げられているが、スケジュールや解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    無塩醤油風調味料は塩不使用で塩分0.3%以下、アミノ酸が多いと具体的に示され、同分野で高付加価値の製品であることがうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    醤油業界や福岡の醤油メーカーの役割、和食文化を支える点は書かれるが、波及効果や雇用創出の具体的な数字は乏しい。

  • 費用対効果3

    設備投資後に受注が20~30%増えたと効果の数字はあるが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    組合による共同生産や新素材開発が書かれるが、先端デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの言及は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    減塩志向や加工調味料需要の伸びに対応する新市場開拓がうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    福岡県に約100社の醤油メーカーが集中する地域特性と、組合の役割が書かれ、地域産業への貢献がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

塩不使用のWNは2~3か月で製造でき、アミノ酸やペプチドが多く調味特性に優れている。今後は色の安定化が研究テーマで、グルテンを入れないタイプで機能性を追求した商品開発にも力を入れていく。アルコールを飛ばして濃厚なアミノ酸を作ることも考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。