ものづくり補助金平成26年度製造業福岡県

地域特産農産物を利用した「虹色甘酒」の試作開発と販路拡大

成果生産量 30リットル→300リットル

この事例のポイント

  • 手作業のため一度の生産は30リットルが限界で、大量に造ることができなかった。
  • 発酵タンク、定量充填機、ポンプなどを導入した。
  • 生産量 30リットル→300リットル。機械化により発酵温度を安定させて品質が安定し、過去にあった店頭での噴き出しの心配がなくなった。

事業者のプロフィール

所在地福岡県 豊前市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数10人
設立1818年

事業の背景

浦野醤油醸造元は江戸末期から続く醤油蔵で、しょうゆ、みそ、こうじ、甘酒などを製造販売している。手作りの甘酒を近隣の道の駅で小規模に販売していた。10年前に嫁いできた6代目の若女将が、こうじや甘酒の健康面の良さを生かして若い女性向けの製品に改良することになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業のため一度の生産は30リットルが限界で、大量に造ることができなかった。
  • 品質・精度手作業では温度管理や瓶詰めが大変で、品質を安定させることが難しかった。
  • 人手・技能こうじ作りに3日、糖化と発酵に10時間かかり、週2回しか甘酒を出せなかった。
  • 新製品・新技術若い女性に人気とは言えない甘酒を、飲みやすい製品に改良する必要があった。

やったこと

発酵タンク、定量充填機、ポンプなどを導入した。発酵に必要な60℃を安定的に管理できるようになり、生産量は従来の10倍の300リットルになった。機械化により手作業でのかくはんが不要になり、夜間運転も実現した。原料は福岡県内の産品にこだわり、イチゴやブルーベリー、巨峰、八女抹茶、トマト、ゆず生姜などを使い、季節ごとに8種類ほどの商品を用意している。

加工機発酵タンク
加工機定量充填機
加工機ポンプ

新しい製品・サービス:県内で採れるフルーツや茶、黒米などを原料にした、カラフルな「にじいろ甘酒」。夏季限定のブルーベリー味から始め、イチゴや八女抹茶、南高梅などを加えた。

事業の効果

  • 生産量 30リットル→300リットル
  • 消費期限 2週間相当(2週間→半年)→6週間相当(2週間→半年)
  • 発酵に必要な60℃を安定的に管理できるようになった。

機械化により発酵温度を安定させて品質が安定し、過去にあった店頭での噴き出しの心配がなくなった。生産量は10倍になり、手作業のかくはんが不要になったことで作業者の負担も大きく減った。消費期限も2週間から半年に延び、道の駅だけでなく通信販売、ギフトショップ、大手百貨店にも販路が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    江戸末期から続く醤油蔵で甘酒を小規模販売していた経緯があり、甘酒事業の延長として位置付けられている。経営戦略上の明確さは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    若い女性に人気とは言えない甘酒の課題に対し、華やかな色と味わいで差別化したと読み取れる。競争優位の数値的根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業では30リットルが限界だった課題を認識し、機械化で生産量を従来の10倍の300リットルに高めたと具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量10倍、消費期限2週間から半年への延長など数字で目標と効果が示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    若女将が企画・営業を担い、6代目として事業を進めた体制は読み取れる。人材や事務処理能力の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ブルーベリー、イチゴ、八女抹茶など地域産品を使い、女性に支持されるデザインと味で選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    夏季限定ブルーベリーから始め、イチゴや南高梅へ広げた段階的な展開が示されている。中長期の検証方法や遂行スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達2

    補助金で設備を導入したとあるが、財務状況や金融機関からの資金調達については公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    甘酒は若い女性に人気とは言えない分野だったが、華やかな色や味わいで高価格帯の差別化を図った点がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    福岡の特産品として注目され、地域農産物の利用が示されている。川上・川下への波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産量10倍と消費期限延長が示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化によるデジタル技術の活用は読み取れるが、新しいビジネスモデルや地域サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    福岡県内の産品にこだわり、道の駅から通販や大手百貨店へ販路を広げた点は地域特性を活かした事業と読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

こうじづくりの機械化などさらなる設備投資が必要と考えている。2020年には首都圏の大手百貨店の物産展に出品する予定で、商談会では中国や中東など海外からも声がかかった。国内外での販路拡大が今後のテーマである。

事業者の声

従業員の負担が減った

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。