ものづくり補助金平成26年度製造業佐賀県

高付加価値の「丸ぼうろ」の新商品開発に伴うプリント機械による新たな生産方式の導入及びブランドの確立

大坪製菓 株式会社

この事例のポイント

  • 量産薄利の商品開発から付加価値の高い商品開発への転換が必要だった。
  • フードプリンターを導入し、「丸ぼうろ」にPCでデザインした写真や画像などをプリントする生産ラインを構築した。
  • 最新鋭の機械はタッチパネルやパソコンで操作でき、担当者は比較的スムーズに慣れることができた。

事業者のプロフィール

事業者名大坪製菓 株式会社
所在地佐賀県 佐賀市
業種食料品製造業
従業員数24人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

他社との競合、販売ルートの限定と低利益、マーケットの減少、原材料の高騰などで取り巻く環境は厳しさを増していた。同機械が量産タイプになったことから導入を検討し、佐賀県の経営革新や佐賀市の補助金(市場開拓分野)を申請するなど制度を積極的に活用していた中で、ものづくり補助金を知り申請した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術量産薄利の商品開発から付加価値の高い商品開発への転換が必要だった。
  • 販路・情報発信他社との競合や販売ルートの限定により利益が低く、マーケットも減少していた。
  • コスト・採算原材料の高騰により経営環境が厳しさを増していた。

やったこと

フードプリンターを導入し、「丸ぼうろ」にPCでデザインした写真や画像などをプリントする生産ラインを構築した。プリント機械と包装ラインを発注し、設置と検証作業を行った。原材料の小麦と卵をすべて佐賀県産とした「丸ぼうろ」を開発し、佐賀県産100%の製品として他社製品との差別化を図った。平成28年1月に機械を導入し、28年5月末に試作品が完了、6月に試作品報告を行った。機械メーカーの指導と社員の試行錯誤により絵柄や文字の太さによる不鮮明さを改善し、11月の佐賀インターナショナルバルーンフェスタで採用され、バルーンをプリントした「丸ぼうろ」を販売した。

加工機フードプリンター(プリント機械)
加工機包装ライン

新しい製品・サービス:佐賀県産の小麦と卵を100%使用し、写真や画像をプリントした高付加価値の「丸ぼうろ」。

事業の効果

最新鋭の機械はタッチパネルやパソコンで操作でき、担当者は比較的スムーズに慣れることができた。絵柄や文字をプリントした、製品として提供できるオリジナル性の高い試作品が完成した。佐賀県産100%の原材料を確保する目途が立ち、佐賀県産100%の製品づくりが可能となった。波及効果は当初の目論見通りとはいかないが、売上がのれば利益率改善につながる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    量産薄利からの転換と新商品開発の必要性が記載され、過去の経営革新申請や市場開拓補助金の活用にも触れている。ただし戦略上の位置付けは具体的な数値で示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社との競合、販売ルートの限定、マーケット減少、原材料高騰が挙げられ、佐賀県産100%のプリント商品で差別化する方針が示されている。強みの定量的裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決3

    利益構造の改善と売上向上を課題として認識し、プリント商品で付加価値を高める方針がある。ただし目標値や実効性を示す数字は書かれていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は記載がなく、売上や利益率改善の見込みが示されるにとどまる。波及効果は当初の目論見通りではないとも書かれている。

  • 事業を進める体制3

    機械導入後に社員が試行錯誤し、機械メーカーの指導で改良したと書かれている。人材採用が容易でないとの記載もあり、体制の具体性は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    佐賀県産小麦・卵100%の丸ぼうろに写真や画像をプリントし、2016年11月の佐賀インターナショナルバルーンフェスタで採用された実績が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    2016年1月の機械導入から5月末の試作完了、6月の試作品報告、11月の販売までの時系列が具体的に示されている。今後の販路開拓先も列挙されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    量産タイプの最新機械で丸ぼうろに写真や絵柄をプリントし、佐賀県産100%の差別化商品とする点が、同分野での高付加価値化として示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    佐賀県の地域食材を使う点はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。売上が上がれば利益率改善につながる可能性に触れるのみ。

  • イノベーションへの貢献2

    PCでデザインした画像を食品にプリントする手法は示されるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体のイノベーションとしての記載は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県産100%の原材料と佐賀県の観光土産市場への展開が記載され、地域特性を活かす方向は読み取れる。雇用や地域成長への効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

イベントプロデュース企画市場、佐賀県内観光土産市場、飲食市場、高齢者向け市場への販路開拓を見込んでいる。海外向け市場(東南アジア)の開発にも参加しているが、リピートになりにくくまだ時間がかかる見通しである。マーケット拡大よりも自社の利益構造を変えるため、長期的に取り組んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。