ものづくり補助金平成26年度製造業佐賀県

生産性向上に寄与する大型金型製造用設備の導入

株式会社 太平プレテック

成果各軸移動量(X方向) 350m→750m

この事例のポイント

  • 製造現場はプレス機器の導入に力を入れてきたため、金型製造の中でもワイヤ放電加工機の工程の競争力が不足していた。
  • 大型で最新鋭のワイヤ放電加工機「西部製ワイヤ放電加工機M75B」(2015年製、各軸移動量750m×500m)の導入を決定し、発注した。
  • 各軸移動量(X方向) 350m→750m。加工速度が旧機に比べて60%向上し、自社製金型の製作期間を大幅に短縮できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 太平プレテック
所在地佐賀県 佐賀市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数30人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

主力はプレス品の製造で、製造現場ではプレス機器の導入に力を入れてきた。金型製造のうちワイヤ放電加工機の工程が弱く、社内の金型製作がボトルネックになっていた。大型化の新規設備投資を検討していたところ、取引先(商社)の紹介で「ものづくり技術」補助制度を知り、初めて申請した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製造現場はプレス機器の導入に力を入れてきたため、金型製造の中でもワイヤ放電加工機の工程の競争力が不足していた。
  • 生産能力現有機(各軸移動量350m×600m)では競争力が十分でなく、取引先から引き合いがあっても受注できないケースが多かった。

やったこと

大型で最新鋭のワイヤ放電加工機「西部製ワイヤ放電加工機M75B」(2015年製、各軸移動量750m×500m)の導入を決定し、発注した。平成28年3月に設備を搬入・設置し、立上げ・調整とメーカーからの説明を受けた。その後、加工テストを行って要求精度に達していることを確認し、設備検収を終えた。導入後の試験では、金型製作時間の短縮、プレス工程の生産性向上、プレス品の品質向上、大型金型対応のすべてを確認した。

加工機西部製ワイヤ放電加工機M75B

事業の効果

  • 各軸移動量(X方向) 350m→750m
  • 各軸移動量(Y方向) 600m→500m
  • 加工速度が旧機に比べ60%アップ

加工速度が旧機に比べて60%向上し、自社製金型の製作期間を大幅に短縮できた。SPM金型のピッチ精度の高い金型製作が可能になり、プレス品の品質も向上した。大型金型に対応できるようになり、大型金型の受注が可能になった。さらに自動車関連の新規顧客を開拓し、HPに保有設備を掲載したことで引き合いも増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    プレス機器に注力してきた経緯と、金型工程の競争力不足を補うため大型ワイヤ放電加工機を導入した流れは読み取れるが、中期の戦略位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車関連の新規顧客開拓や、現有機350×600mmでは受注できなかった大型案件の実態が書かれており、強みと弱みを踏まえた判断がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    課題(受注機会の逸失)に対し大型化(750×500mm)で対応し、金型製作期間短縮や大型金型受注という成果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工速度60%アップや金型比率20%から30%へ伸ばす見込みなど数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    業務管理課長の氏名と取引先紹介の経緯はあるが、人材や事務処理体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    納期・品質・コストで顧客の信頼を得ること、HP掲載による引き合い増加など、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の試験や1年半後の受注状況、テーラドブランクへの展開予定など時系列は示されるが、課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    総投資額の3分の2が補助で賄われたとの記述はあるが、財務状況や金融機関からの調達についての情報はない。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    大型ワイヤ放電加工機の導入で金型製作の高水準化を図る点はうかがえるが、分野の普及度や高価格化の具体的な根拠は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    自動車関連の新規顧客開拓や地域の製造業の受注増はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工速度60%アップ、製作期間短縮など効果は示されるが、投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    デジタル技術や新ビジネスモデルの活用、サプライチェーンへの貢献については公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    佐賀市の地元企業として受注を伸ばしている点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

導入から1年半が経過し、29年度の受注は伸長している。現状はプレス加工80%、金型製造20%の比重だが、今後は金型製造が30%に伸びる見込みである。取引開始企業の生産が本格化すれば、増産に合わせてプレス機などの設備や人員も増やす想定である。将来的には自動車以外にも市場を広げ、テーラドブランクの取り組みを始める予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。