ものづくり補助金平成26年度製造業佐賀県

自然エネ発電で小型碍子需要が増加手待ちゼロ最適化する生産体制構築

株式会社 セイブ

成果生産量(1人2台持ち比) 242個/日→606個/日

この事例のポイント

  • 従来は1人2台持ちの生産体制で、受注量を増やせず顧客からの注文を逸していた。
  • 旋盤で粗材を固定するチャッキング技術は当社独自のものなので、それに対応できる機器を選定した。
  • 生産量(1人2台持ち比) 242個/日→606個/日。1人4台持ちの生産体制を実現し、生産量を大幅に増やせた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 セイブ
所在地佐賀県 有田町
業種窯業・土石製品製造業
技術分野精密加工
従業員数63人
資本金5,700万円
設立1964年

事業の背景

当社は電力配電機器に使われる碍子を製造している。電力小売りの自由化やスマートグリッド化により、配電網で電気の状態を計測・監視する需要が高まり、当社碍子の生産力向上が求められていた。これまで補助事業に複数回申請し、4回目にして採択された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来は1人2台持ちの生産体制で、受注量を増やせず顧客からの注文を逸していた。
  • 人手・技能製品の全数目視検査を含め、作業者ごとの手待ち時間が多く生産効率が低かった。
  • 生産能力電力網のスマート化などで碍子の需要が伸びる中、生産ラインを見直して生産性を高める必要があった。

やったこと

旋盤で粗材を固定するチャッキング技術は当社独自のものなので、それに対応できる機器を選定した。セラミック製品の加工に対応できるよう、中型上下穴くり機とCNC旋盤を導入し、切削粉の運搬と集塵機能の接続性に注意して集塵機も導入した。トヨタ自動車九州のTPS推進室の助言を受け、ダクト・エアー配管・配線を最適化して作業者の動線を改善した。新レイアウトで1人4台持ちを想定して作業標準表を作成し、手待ち時間を0秒とする生産計画を立てた。1サイクル190秒を目標に20回のテストを行い、当初295秒から197秒まで短縮した。集塵能力テストでは製品1個あたり2,200gの切削粉が出ても回収と負荷に耐えられることを確認した。

加工機中型上下穴くり機
加工機CNC旋盤
その他集塵機
その他切削粉の運搬装置

事業の効果

  • 生産量(1人2台持ち比) 242個/日→606個/日
  • 1サイクル時間 295秒→197秒

1人4台持ちの生産体制を実現し、生産量を大幅に増やせた。これまで逸失していた受注も受けられるようになった。生産効率が上がったことで従業員の残業時間も減り、働き方の改善にもつながった。今後は全数目視の検査工程の自動化を進める意向である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去に4回補助事業を申請し今回初選定とあるが、経営戦略上の位置づけや事業との一貫性は記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    碍子のセラミック加工に対応する独自のチャッキング技術に触れ、強みは読み取れるが市場動向との対比は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手待ち時間や1人2台持ちの課題を整理し、1人4台持ちで受注量を約242個から606個/日へ増やす計画が具体的。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産量を242個から606個/日に増やす数値目標を示し、1サイクル295秒から197秒への短縮を20回の試験で確認している。

  • 事業を進める体制3

    トヨタ自動車九州の助言や作業標準表の作成に触れるが、人材や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自然エネ発電やスマートグリッドで碍子需要が増える根拠を示し、顧客要望への対応で受注を増やす理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    20回のテストと次段階の検査自動化、ロボット導入の方針は示されるが、スケジュールや具体的な進め方は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    碍子は既存の電力機器分野だが、普及度や高付加価値化の具体的記述は限られ、わずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    送配電網の整備や電気エネルギー社会化に伴う需要増に触れるが、雇用や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    設備導入で生産量が2.5倍になる見込みと、残業圧縮など働き方改善の効果が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    ICTと融合した送配電網への言及はあるが、本事業の技術がそのイノベーションに貢献する記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    佐賀県有田町の立地に触れるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の具体的記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

碍子は新設の工場や増設、電力会社の設備投資などで今後も一定の需要が続くと見込まれ、今回の体制で対応できると考えている。今後は検査の効率化のため機械導入や、将来的なロボット導入を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。