ものづくり補助金平成24年度佐賀県

3DCAD,CAMを活用した陶磁器製作支援技術の構築

佐賀県陶磁器工業協同組合

この事例のポイント

  • 組合員の陶磁器の出荷額と従業員数は下降が続き、有田焼業界は低迷している。
  • 3DCADとモデリングマシンを導入し、石膏による原型作りをデジタルデザインで行う体制を整えた。
  • デジタルデザイン技術の導入により、原型や型の製作にかかる時間とコストが短縮される見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名佐賀県陶磁器工業協同組合
所在地佐賀県 有田町
業種窯業・土石製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数7人
資本金1.1億円

事業の背景

佐賀県陶磁器工業協同組合の組合員の出荷額と従業員数は、平成元年以降ピークを過ぎて減少を続けている。食器は最大で約60%を占めたことがあるが、業務用食器は外食費の激減や海外廉価品の流入で需要が落ち込み、家庭用・ギフト需要も百貨店や専門店の販売に頼ってきた。製品は型製作を含め外部依存の工程が多く、市場規模の縮小が続いている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑組合員の陶磁器の出荷額と従業員数は下降が続き、有田焼業界は低迷している。
  • 新製品・新技術多様化する消費者ニーズに応える商品開発のため、成型用デジタルデザイン機器の導入と技術習得が喫緊の課題である。
  • 納期・工程原型製作と捨て型製作を型製作業者に依存しており、時間と手間がかかって市場への納期が遅れ、受注キャンセルが生じている。
  • 販路・情報発信潜在的な受注を取りこぼしており、これが売上向上の阻害要因となっている。

やったこと

3DCADとモデリングマシンを導入し、石膏による原型作りをデジタルデザインで行う体制を整えた。3DCADで形状を設計し、CAMを活用して型の製作を進めることで、修正の回数と時間、コストを減らす狙いである。技術習得のために複数のオペレーターを養成する取り組みも進めている。製品化は平成26年9月を目標に、製品化しやすいものから手掛け、精度を確認しながら進める。使用料は佐賀県窯業技術センターの料金を参考に設定する予定である。

事業の効果

デジタルデザイン技術の導入により、原型や型の製作にかかる時間とコストが短縮される見込みである。精密な製品や高い技術力を要する新製品の生産が可能になり、他産地との差別化も図れると期待される。納期の短縮により受注キャンセルが減り、潜在受注の取りこぼしも解消されて売上の向上につながる。ユニバーサルデザインの食器など新しい市場にも参入しやすくなり、業界全体の売上規模の拡大が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付けユニバーサルデザインの持ちやすい食器や精密製品など顧客像と価値を示し、主な利用者は組合員と型製作業者と整理されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値デジタル造形による陶磁器製作は他産地との差別化要素として位置付けられ、高付加価値化を図るとの記述がある。普及度の数値は示されていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標売上向上の方向性は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。売上規模も『推測される』との記述にとどまる。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    有田焼業界の出荷額・従業員の減少を背景に、デジタル造形機器導入を課題解決策と位置付けている。過去の取組との連続性は示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    業務用食器の減少や海外製品流入など外部環境に触れ、デジタル技術で他産地との差別化を図ると述べている。定量的な強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    原型・捨て型製作の時間と手間、納期遅延による受注キャンセルが課題として挙げられ、短納期化で解決する方針。数値目標は示されていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上向上の方向性は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。売上規模も『推測される』との記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    オペレーターのスキルに触れ、複数のオペレーター養成に取り組むと記載がある。人数や体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユニバーサルデザインの持ちやすい食器や精密製品など顧客像と価値を示し、主な利用者は組合員と型製作業者と整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    2026年9月の製品化を目標に、製品精度を見ながら進めるとスケジュールが示されている。課題解決の詳細な手順は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    デジタル造形による陶磁器製作は他産地との差別化要素として位置付けられ、高付加価値化を図るとの記述がある。普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    有田焼業界の再生と産地の雇用維持を目的とし、伝統技術とデジタル技術の応用による地域の救世主と位置付けている。波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    型製作のコスト・時間短縮に触れるが、補助金額に対する付加価値額増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3DCAD・モデリングマシンの活用で型製作を変える点は示されるが、サプライチェーン全体への貢献の具体性は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    有田焼産地の再生と地域ブランド向上を掲げるが、雇用創出や地域経済成長の数値は示されていない。

今後の展望

今後の需要は確実に拡大していくと予想されるが、受注を消化するスピードと関連すると推測される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。