ものづくり補助金平成26年度製造業長崎県

船舶・発電所用ステンレス配管製作専用の高効率生産ライン構築による市場拡大

有限会社森満工業

この事例のポイント

  • ステンレス専用の切断機がないため、配管の一貫受注ができなかった。
  • ステンレス配管の生産ラインを強化するため、ロータリーバンドソーと開先角度自動切削フェーシングマシンを導入した。
  • 両機の導入により、これまで外注していた大型配管を自社で製作できるようになり、一貫受注が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社森満工業
所在地長崎県 長与町
業種その他の製造業
技術分野精密加工,製造環境,接合・実装
従業員数110人
資本金300万円
設立1996年

事業の背景

有限会社森満工業は、LNG船や客船などの船舶用、発電プラント用のステンレス配管を製作しており、ステンレス配管の生産に特化している。ステンレスは溶接に高度な技術が必要で専用設備も要るため、競合他社は少ない。世界各地でLNG基地が増え、LNG船の受注量は伸びている。その一方で配管メーカーには、一貫生産体制によるコスト削減と短納期化、高品質化が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ステンレス専用の切断機がないため、配管の一貫受注ができなかった。
  • 品質・精度既存設備では開先加工の品質に課題があり、管材が短くなると変形するおそれがあった。

やったこと

ステンレス配管の生産ラインを強化するため、ロータリーバンドソーと開先角度自動切削フェーシングマシンを導入した。ロータリーバンドソーはステンレス専用機のため、材質が変わるごとに刃先を交換する手間がなくなった。大型のパイプも容易に切断できるようになり、大型のものは月80本以上の加工が可能になった。開先角度自動切削フェーシングマシンは管材を押さえつけずに開先を加工できるため、管材が短くなっても変形せず高品質な加工ができるようになった。

加工機ロータリーバンドソー
加工機開先角度自動切削フェーシングマシン

事業の効果

両機の導入により、これまで外注していた大型配管を自社で製作できるようになり、一貫受注が可能になった。納期は即日対応が可能になり、品質も大きく向上した。コストと納期の面でも改善が進み、競争力が大幅に上がったことで、県内外からの新規受注につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ステンレス配管製作に特化し、若手育成にも力を入れていると書かれており、継続した取組として読めるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    競合は少ないと書かれ、ステンレス配管に特化した強みと、一貫受注・県外展開の方針が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    既存切断機は材質ごとに刃先交換が必要で非効率、開先加工も変形の恐れがあると課題を具体的に示し、新機械で解決している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    大型のものが月80本以上可能になったと数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    ロイド船級協会等の認定や資格取得の全面サポートなど人材育成の取組は読めるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    LNG船・発電プラント向けの用途と、一貫受注による納期・コスト面の優位性が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の一貫受注や県外・海外への営業展開が示されるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレス配管は競合が少なく、高品質化を求められる分野で高水準の付加価値を図る取組として読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    LNG基地増加に伴う船舶・発電プラント需要に触れるが、雇用創出や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    コスト削減のめどや外注の自社化が書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新機械の導入は書かれるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    LNG船や発電プラント需要の増加に触れるが、日本経済の構造転換への言及はうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    長与町の本社所在地と県内外への営業展開が示され、地域経済への貢献は読めるが具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

LNG基地は今後も増える見込みで、一貫受注ができるようになったことを生かし、県内にとどまらず県外さらには海外へも営業活動を広げたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。